
それは、まるでダメな女子高生が最強バンドマンになるまでの、喜怒哀楽にまみれた青春グローイングアップストーリー。今年6月にユニバーサル シグマからミニアルバム『GIRLS BAND NEVER DIE』でメジャーデビュー、7月にシングル「君の名前は夏の季語」(新金曜ドラマ『しもべの王子様』エンディング主題歌)、さらに怒涛の夏フェス出演で突っ走る「ちゃくら」が、次の目標に掲げるのは初の全国ワンマンツアーだ。9月6日の札幌から12月3日の東京・Shibuya Spotify O-EASTのファイナルへ、そしてその先に広がる広大な景色を夢見て。笑いと感動のライブヒストリーを中心に、サクラ(Vo&Gt)、ワキタルル(Ba&Cho)、まお(Gt)、葉弥(Dr)の4人に話を聞いてみた。
──同じ音楽専門学校で出会って、結成が2022年6月で、初ライブが半年後の12月なんですよね。初期の活動はどんなふうに?
ワキタ初は仲良くなるためにコピーから始まって、そこからCMの音源コンテストみたいなのがいっぱいあって、60秒以内とかサビだけとか、そういうものに応募したりしてましたね。
サクラ学校に案内が来るので。
葉弥あとは学校のライブに出たり。
ワキタ文化祭のために作ったのが「海月」っていう曲で、それを1年生の秋ぐらいにYouTubeで出してみたら、ちょっと伸びて、そこから学校に行かなくなった(笑)。初ライブがその辺で決まったんだよね。
──初ライブの思い出は?
サクラ曲がなさすぎて、時間がめちゃめちゃ余るライブをしちゃって。
ワキタ30分尺を15分でライブしちゃって、巻けば巻くだけいいみたいな気持ちだったんですよ。そしたら「30分いっぱいやるんだよ」と言われて、「えーそうなの!」みたいな。「じゃあもっと曲作んなきゃ」とか言って。
サクラそれも知らないぐらい、ライブハウスの初心者だった。
ワキタ4人とも知らなくて、挨拶がどうとか、1日の順番がどうとか。
サクラそれに焦って、次の年に100本ライブしました。
──それがおかしい(笑)。いきなり100本て。
サクラ何十本かやった頃に、その頃のマネージャーさんが「ここまで来たら100本やってみない?」って言い出したんですよ。
ワキタ「頑張ってるよっていう証明になるから」みたいに言われて、「確かに」って。もうちょっとライブをかっこよくなりたいなという意志からだよね。
サクラ結果、120本ぐらいですかね。
ワキタ一生ハイエースに乗ってた思い出です。福岡とか、1年目はめっちゃ行ったよね。名古屋行って大阪行って福岡行って、戻ってまた大阪みたいな。
サクラ行脚してました。
──何がそこまでさせたんだろう。
ワキタ1本目の動画で見つけてもらえたぶん、ライブに来てみようと思う人がいるじゃないですか。そういうお客さんの新人発掘的なものに対して、「このライブを見せても次は来てくれない」って思ったんですよ。例えばその先にワンマンやりたいよねって話になった時に、「このライブを見て、来たいと思うか?」みたいな話をすごいして、もっといろんなバンドマンに出会って、ライブシーンを学ぼうみたいな、そういう1年だったよね。
サクラやって良かった。あれがなかったら、今何やってんだろう?ってぐらい。危なかった。
ワキタ気づけば「ちゃくらのライブが好き」っていうお客さんが多くなって、自分たちの世代の、SNSで見つけてもらったバンドの中でも、ここまでライブをやったのは珍しかったんじゃないかなと思います。今はSNSの中でも全然完結するから。
──そこは大きなターニングポイント。そこから一気にライブバンドへ。
ワキタその1年の間で出会ったバンドがすごいかっこよかったんですよ。ゴリゴリの、ダイブとか出るバンドと初めて対バンした日の衝撃がすごくて、「ライブハウスってすごいかっこいいな」と思って、突きつけられた感じがあったんですよね。
──ライブハウス、行ってた人じゃなかったんですね。
ワキタ私は地元が長野で、高校生の3年間がコロナで、全然ライブ見に行けなくて。行きたくても中止、払い戻しばっかりみたいな感じでした。
まお私はちょこちょこ行ってた。でもいろんなアーティストを見るっていうよりかは、好きなバンドのワンマンに行くだけだったんで。コロナの間は行けないから行ってない。
ワキタ高校の時ぐらいからバンド好きなのが、私とまおなんですけど、メジャーバンドしか知らなかったよね。
まお知らなかった。有名なのしか行ったことない。
ワキタだから、ダイバーとか見たことなくて、最初見た時は衝撃的でしたね。地下のライブハウスだったり、ぎゅってなってるものがまず自分には珍しかったし、かっこいいなと思った。
──そういう意味でも、約120本やった年は、ライブハウスのシーンを学ぶ年でもあった。その時20歳ぐらいでしたっけ。
ワキタ19歳とか。
葉弥周り(のバンド)は年上ばっかりでした。
サクラ年下だし、SNSから出てきたガールズバンドってことは皆さん知ってたと思うので。向こうに悪意はないですけど、ちょっとした偏見とか、なめられてる感じはずっとありましたね。それもずっと悔しくて、でもライブはまだかっこよくないし、「頑張んなきゃ」と思ってました。
──いつぐらいから自信がつきましたか。
サクラいつぐらいですかね?
ワキタ結構あとだと思う。
葉弥なんなら去年。
ワキタそんな!?(笑)
葉弥自信がなかったわけではないけど、唯一無二、ちゃくらしかできない音楽があるってはっきり自覚できるようになったのは、去年の頭のツアーとか。
ワキタ私は初めて出たムロフェス(2023年)。すごい楽しかったんですよね。ほかの有名なフェスに比べて、ジャンルの広いバンドが出る中で、ちゃくらを初めて見に来た人たちがすごい熱かったんですよ。「私たち、ロックバンドになれてる」という気持ちがそこで芽生えた気がしました。
葉弥初ワンマンの時は私も思った。ちゃくらのお客さんしか目の前にいなくて、「ちゃくらを好きな人はこんなに熱いんだ」って。ワンマンって、いつものライブとまた違う熱さがあるっていうか、初めて見た時にそう思いました。
ワキタ「まだ女(じょ)」をライブでやるようになった時ぐらいからじゃない?
サクラ曲で言ったらそうかもね。
ワキタ「まるで駄目な女子高生はバンドマンになった」をライブでやるようになったぐらいから、ライブが一気に熱量のほうに変わっていって、それは大きかった気がする。あれこそ、120本やったから書けた曲だと思います。







