実力派シンガーHIKKA、自身のルーツを紐解くロングインタビュー!「いろんな思いを皆さんに届けられるシンガーになりたいなと思います」

インタビュー | 2025.01.29 17:00

──HIKKA(ヒッカ)さん、DI:GA ONLINE初登場になるので、デビューまでの道のりをお伺いしてもいいですか。小さい頃から音楽好きでしたか?
母曰く、喋る前から歌っていたような子だったそうです。だから、私がいつから歌い出したのか、何をきっかけに音楽を好きになったのかは覚えてないんですよね。歌は私にとって、呼吸するのと一緒だし、歌ってないときがなかった。歌を知らない自分がちょっとわからないぐらいなので、きっかけがないんですよね。
──一番最初に人前で歌ったのは?
9歳のときですね。家でも起きてから寝るまでずっと歌を歌っているような子だったので、母から「地元の施設のお祭りで歌う子を探してるよ」っていう話がきて。私は嫌だ嫌だっていう感じだったんですけど。
──どうして嫌でしたか?
歌うことは好きだったんですけど、人に聴かせたいという性格ではなくて。ただ自分が好きで歌ってるだけだったので、人前に出るのも嫌でしたし、怖いし、緊張するっていう感じで。嫌だって言ってたんですけど、<やって後悔した方がやらないで後悔するより長引かないんじゃない>という母の言葉がきっかけで、9歳の時に人生で初めてステージに立って。今でもその言葉は大事にしていて。何でもやってみようって思うようになったのは、その言葉があったからで、そのときに一歩踏み出したことが今に続いてるのかなって思います。
──当時はどんな気持ちだったか覚えてますか。
絢香さんの「Start to 0(Love)」と「手をつなごう」の2曲を歌ったんですけど、すごく緊張していたし、早く終われって思いながら、笑顔なく、顔を引き攣らせながら歌ってて。歌い終わった直後も、「いや、もう、出らんければよかった」ってぐらい上手く歌えなかったんですけど、今思い返すと、あのときにステージに出たから、きっと今の私がここにいるんだろうなって思う。歌を好きになったきっかけは覚えてないけど、人前に立つことになった一番最初は9歳のときに地元のお祭りで歌ったことがきっかけだなって思います。
──そのあとはどうですか?
2回目に人前に出たのが中学生のときですね。私は吹奏楽部でトランペットを吹いていたんですけど、中学2年のときに定期演奏会があって。みんなで演奏する曲と曲の場繋ぎみたいな感じで、『HIKKAちゃんの歌が好きだから歌ってくれない?』って言われて、ピアノの弾き語りでマイリー・サイラスの『ザ・クライム』を歌ったんですよ。300人ぐらいのホールで、きっと誰も知らない曲だったと思うんですけど、わーっていう歓声が起こって。そのときは緊張してたけど、ちょっと気持ちがよかったんですね。その定期演奏会で歌ってた動画を叔母がFacebookにあげたところ、地元では有名な夏祭りのステージに出てみないかっていうお話をいただいたり、地元企業の社長さんから「曲を作ってみてくれないか」っていう声がかかったりして。ただ、私は高校生の時も本格的に音楽をやる気はなくて、普通に大学に進学して、就職しようと考えてて。大学のときも別に音楽の道に行くんだとはまだ思ってなかったんですね。

──その頃から車で歌う洋楽カバー動画を上げてますよね。
そうですね。高校生の頃からカバー動画の投稿は始めたんですけど、不特定多数の人に見てもらおうというよりは、本当に家族や親戚、友達が楽しんでくれるのが嬉しいっていうレベルでやってたんですよ。そんな時に、今のマネージャーさんからDMがきて。普段は事務所からのスカウトメールみたいなものはあんまり見ないんですけど、そのときは偶然、目が止まって。私は直感を信じるタイプなので、話を聞いてみようかなと思って。そこから、時間をかけて色んな話をしたり、月に1回くらいのペースで東京の事務所のスタジオに通ってみたりしながらデモ制作やレコーディングをしてみたんです。そうするうちに、だんだんと本気でやってみたい!という気持ちになって。就活前で、いよいよ自分の人生を決めないといけないというタイミングでもあったので、よし、音楽やろうって踏み出したのが大学生のときですね。
──カバー動画ではピアノやギターで弾き語りをしてますよね。
それも、歌いたい曲が先で、そのために必要であれば、練習するっていう感じなんですよね。4歳から12歳までピアノ教室に通ってましたけど、全く楽譜を読めるようにならなかったし、ギターも弾きたい曲だけを手が腱鞘炎になるくらい練習して。持ち方すらわからないまま、ただ歌いたいために、その曲だけを練習するので、その曲が終わったらもうコードも忘れるし、弾けなくなるし。とにかく歌のため、というのが大前提なんです。
──話題となった「車で歌うカバー」シリーズは洋楽中心でした。
小さい頃は母の情報が全てだったので、母がCDを持っていたホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリー、カーペンターズ、ビートルズとか、いろんな音楽を聴いてて。幼稚園に向かう車の中で<♪エンダーっ>て歌っていた記憶もあります。中学校に入ると、海外ドラマ『グリー』でいろんなジャンル、いろんな年代の音楽を知るようになって。自分でスマホを持つようになってからは、テイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデとかのポップスターのYouTubeを見るようになりましたね。どっちかというと邦楽よりも洋楽が多かったかもしれないです。

Love never felt so good-Michael Jackson(cover)

──英語も上手ですよね。
英語でコミュニケーションは取れるんですけど、海外に住んでいた経験はありません。いろんな海外ドラマを見てましたし、中学1年から高校3年までの6年間、毎年、英語のスピーチコンテストにも出ていました。私の場合は、耳から入っていることが多いですね。例えば、ビヨンセの曲で、なんとしてでも歌いたいっていうフレーズがあると、ライブ映像を見ながら、同じところを何回も繰り返し見るんですよね。歌えるようになるまでやる。努力とは思ってなかったんですけど、なんとしてでも歌えるようになりたいっていうのがあって。オタクって言っていいくらいで、もう執着ですよね。だから、英語の発音を含めて、全ては歌からきてるなって思いますね。
──音楽をやろうという決意をしたあと、2023年4月に上京したそうですが、当時はどんな心境でしたか?
上京して、色んな意味での環境が大きく変わり、正直心も身体も追いついていなかったと思います。体調を崩すことも多々ありました。何より辛いことがあっても自分一人で全部抱え込んじゃって。辛い時にちゃんと「辛いです」って言わないと、身体にも出てきちゃうんだってことがわかったので、今はその前に言えるようになった。これから人前に出ないといけなのになんで?って悔しい思いをしましたが、デビュー前にああいう経験ができたことは、自分にとっては絶対に必要なことだったんだろうなと思います。
──そして、昨年ですね。上京から約1年後となる2024年5月に配信シングル「Drive」でデビューを果たしました。
近い将来デビューしたいねって話してから何年か経ってたので、やっとデビューできる、Finally!という心境でした。でも、同時に、デビューする前の私は、良く言うと自由に、悪く言うとちょっと無責任に歌ってたので、ちょっと違うフェーズに入ったぞって感じで。デビューするっていうことは、これからすごい世界に航海していくんだっていう。自分が知らない世界にこの声で飛び込んでいくんだという覚悟というか。ちょっと怖さもあるし、身が引き締まる思いがありましたね。

HIKKA - Drive (Official Music Video)

──デビューに向けては、どんなアーティスト像を思い描いてましたか?
そこまでの心の余裕はなかったかもしれないです。デビューのタイミングで、いろんな方に、「どういうアーティストになりたいですか?」って言う質問をしていただいて。そのときに私の答えは「わからないです」っていつも答えていたんですね。未だに答えはまだ見つかっていないのですが、自分はこういう人間ですと決めてしまうのは、可能性を狭めてしまうことになるとも思うので、あまり枠にとらわれずにいろんなものに挑戦して、いろんな歌を歌って、多面的に自分を見てもらいたい。今、目の前にある作品に真摯に向き合っていれば、その結果、そこに私らしさが存在してるんじゃないかなって思うんですね。何をやったとしてもHIKKAはそこにいるし、私が消えることはない。だから歌を通して、自分の知らない自分も見てみたいなって思う、HIKKAというシンガーを通して自分をもっと知りたいって思ってます。

公演情報

DISK GARAGE公演

「My friend」リリース記念ライブイベント
「My friend, New friend – HIKKA “My friend” release party -」

2025年1月30日(木)shibuya eggman
出演:HIKKA、YAS/U、小林柊矢、つじりお

詳細ページ

RELEASE

「My friend」

配信シングル

「My friend」

2025年1月29日(水)SALE

※interfm「side by side」(毎週木曜22:00〜23:00)の1月期エンディングテーマ

詳細はこちら
  • 永堀アツオ

    取材・文

    永堀アツオ

  • 松島 豊

    撮影

    松島 豊

    • ツイッター
    • instagram

SHARE

最新記事

もっと見る