ClariS、クララ・カレンの2人に5月リリースのSingle「アンダンテ」、7th Album『Iris(イーリス)』について、ライブに対する思いをたっぷり語ってもらった【前編】

インタビュー | 2024.05.02 18:00

クリスタルボイスとミステリアスな空気感、そして時に激しく魅せるダンスパフォーマンスなどが魅力のクララとカレンによる唯一無二の音楽ユニット、ClariSから5月に3つの嬉しいプレゼント! まず5月8日に28枚目のシングル「アンダンテ」発売、5月22日には7枚目のアルバム『Iris(イーリス)』発売、そして5月25日から『ClariS SPRING TOUR 2024 〜Tinctura〜』がスタート。3つのお楽しみについて、クララとカレンから前後編の2回に分けて、たっぷりお話ししていただきました。
──2020年のClariS10周年に続き、2014年11月8日にカレンさんが加入してから10周年になります。これまでを振り返った感想と印象深かった出来事を教えてください。
クララ私が中学2年生の時にデビューさせていただいて、その後カレンが加入して、ステージに立つようになってからの想い出はとても深くて。それまではリリースする形で皆さんに曲を届けてきましたが、ファンの皆さんにお会いする機会がまったくなくて。そんな中、カレンとライブ活動を始めることで皆さんにお会いできるようになったことが印象深くて、1回1回がどれも記憶に残っています。その中でもClariSの誕生10周年にあたる2020年10月20日に配信ライブ(『ClariS 10th Anniversary Precious LIVE 〜Gift〜』)で、メディアの前で初めて仮面をはずして、その日から素顔で活動を始めました。そしてコロナ禍が明けた2022年8月11日、LINE CUBE SHIBUYAで、やっと皆さんに会えた『ClariS HALL CONCERT 2022 〜Twinkle Summer Dreams〜』はとても印象に残っています。
カレン思い出深かったことが2つあるんですけど、まず1つがClariSに加入して、初めてClariSとして皆さんの前に立った場所が日本武道館(2014年1月25日『リスアニ!LIVE-5』)で。初めて人前に立つステージが日本武道館というのは、なかなかできない経験ですし、まだ右も左もわからない、ステージにも立ったことがない二人が素晴らしい場所に立たせていただけることがありがたかったです。2014年11月に私が加入することが発表されましたが、ほとんど私について情報がない中で、ちらほらと私のイメージカラーのグリーンのペンライトを上げてくださっている方がいたのが本当に嬉しくて。「また二人で、今度はワンマンで戻ってこられるように頑張ろう」というモチベーションに繋がった1つ目のステージだったので、想い出に残っています。

もう1つは、2017年3月28日と29日に行った『ClariS 3rd HALL CONCERT in 舞浜アンフィシアター ♪over the rainbow 〜虹の彼方に〜♬』です。それまでもワンマンライブでは仮面をとっていましたが、照明を薄暗くして顔がわかりにくい状態にしていました。でもこのライブでは明るい場所で、初めて仮面をはずして素顔になって。その時に歌った「ハルラ」で、私たちがそれぞれ上手と下手に分かれて素顔の状態でステージ現れた時の皆さんの表情が忘れられません。今まで仮面をつけたり、ベールをしていた分、どこか隠し事をしているようなうしろめたさもあったので、やっと素顔で会えた喜びでいっぱいでした。
──仮面をはずして、皆さんの前で素顔で現れた時は驚きと共に、「きれい」「かわいい」などの好評の声もあったのでは?
クララデビュー時からアーティスト写真やMVなど、イラストで描いていただいて活動していたので、「想像と違う!」とか思われたらどうしようという不安やドキドキする気持ちがありましたが、皆さん温かく迎えてくださって。やっぱり仮面をしていると、皆さんとの間に薄い壁があるような感覚だったので、その壁がなくなり、ファンの方がもっと近くに感じられる存在になりましたし、皆さんからもメッセージなど言葉で伝えていただけて嬉しかったです。
──お二人は歌声もビジュアルの雰囲気など、神秘的かつミステリアスな印象がありましたし、仮面をはずした時もまだその印象が残っていました。でもライブを重ねていくと、少しずつお二人の素顔や内面が感じられるようになりました。特にMCでは親近感が増していった気がします。
クララ・カレンありがとうございます(笑)。
クララライブでは、普段の私たちを少しずつお見せしていこうということで。最初の頃(仮面をつけていた)のライブでは、MCがほとんどなくて、アンコールの時にちょこっと話すくらいでしたが、今ではMCも皆さんに楽しんでいただけるようになったところに、私たち自身も成長を感じています。そして正反対の二人だからこそ、生まれる空気感やキャラクターがあるので、そういうものを伝えられる場にもなっているので、ライブは楽しくて、大切な場です。
──歌っている時は凜としていたり、ミステリアスな印象なのに、MCになると客席からも笑いが起きたり、そのギャップも魅力かなと。
カレン笑いをとろうと意識しているわけではないんですけど(笑)。自然と生まれるハプニングなどで楽しんでいただけているのかなと。私たちは皆さんの笑顔を見ることがとても幸せなので、今後もこのままでいきたいなと思っています。
──5月8日発売のClariSの28枚目のシングル「アンダンテ」は、アニメ『狼と香辛料MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』のED曲になっていますが、アニメの映像やED映像をご覧になった感想をお聞かせください。
クララ『狼と香辛料MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』は2008年に放送されていたアニメのリメイク版で、見進めていくと前回のアニメとは違う部分があったり、キャラクターの絵柄もちょっと変わったことで、ヒロインのホロがよりかわいく、魅力的になってキュンキュンしますし、どんな展開をしていくんだろうというワクワク感があって、毎回楽しく視聴しています。
私たちの曲が流れるEDも紙芝居のように進んでいく、とてもかわいい映像にしてくださって。私たちが歌うED曲「アンダンテ」も次のお話に繋がっていったり、これからもロレンスとホロの旅が続いていくようなワクワク感を感じていただけるように歌っているので、それが伝わる映像になっていて、とてもお気に入りです。
カレンリメイク版といいつつも完全新作アニメなので、キャラクターがすごくかわいくなっていますし、ロレンスやホロを演じるキャストさんが前作と変わっていないこともあって、新しくありつつも以前のアニメからブラッシュアップされていますし、原作に近づいていることもあって、楽しく視聴させていただいています。また何回見ても旅の道中で起きるハプニングと、ホロとロレンスの付かず離れずの関係性がもどかしくもありつつもほっこりするなと思いながら楽しませていただいています。
ED映像も旅の1シーン1シーンを切り取ったようなイラストになっていて、これからの旅が向かう先を感じさせるような内容になっていて、「アンダンテ」とうまくハマっているなと思いました。
──「アンダンテ」のタイトルの由来や歌詞とサウンド感のご紹介をお願いします。
クララタイトルの意味は音楽用語で「歩くような速さで」という意味があって、サビ頭で「Step by Step違う歩幅でもいいの」という歌詞が出てきたり、ホロとロレンスが元々、持っている価値観や経験などが違うことで新たに気付けることもあると思うし、それらが旅が進んでいくうちに徐々にそろっていくように感じられるところがこの曲のキーになっていると思います。また私たちの今までの楽曲にはなかったアイリッシュテイストのサウンドもお気に入りです。
カレン聴いているだけで踊り出したくなったり、ステップを踏みたくなるところも好きです。「違う歩幅でもいいの」のフレーズのように、Aメロ、Bメロ、サビでテンポが違うのも歩みの歩幅の違いを表しているようですし、ホロとロレンスの旅模様を描いているような歌詞ですが、作品を知らない方にも共感してもらえたり、寄り添ったり、そっと背中を押せるような曲になっているんじゃないかなと思います。
──恋人同士や親友同士、チームメートなど、いろいろな関係性に置き換えて聴けるのがいいですね。
クララそうですね。いろいろなシーンに置き換えたり、想像できるような歌詞になっています、私たち自身の関係性にも当てはまるところがあると感じているので、私とカレンの普段の関係性みたいなものも伝わればいいなと思っています。
──好きなフレーズ、聴きどころのご紹介をお願いします。
クララタイトルが「アンダンテ」ということで、歌詞の中にも「スタッカート」や「クレッシェンド」などの音楽用語が出てくるところがポイントになっていますし、「弾むスタッカート」や「夢にクレッシェンド」と一語ずつ加わることで、歌っていても聴いていても心が高鳴るので好きなフレーズです。
カレンサビの途中に出てくる「It's my way 気まぐれも楽しもうよ」がすごく好きです。予定をガチガチに決めすぎず、その場でやりたいことを直感的に楽しむのが自分の性格に合っているので、「気まぐれも楽しもうよ」は私らしいし、そんな私を認めてくれている気がして、お気に入りのフレーズになっています。
──「アンダンテ」のMVはどんなコンセプトと撮影だったのかと、撮影時の裏話などお聞かせください。
クララアイリッシュな雰囲気を感じていただける楽曲だったので、私たちも民族衣装っぽい衣装を作っていただきました。また今回は年齢の幅広いキャストさんに参加いただいて、とても心が温かくなるMVに仕上がったと思います。
カレン楽曲自体が持つ温かさや柔らかさを表現したかったので、世代や国を越えて、いろいろなキャストさんに出演いただいたことで、アイリッシュな民族感も出せたと思います。また生まれた国や住んでいる国、年齢など関係なく、一つの輪になってお互いを認め合う、みたいな部分も出せたらいいなと思って、私たちにとっても特別な1曲になりました。

ClariS『アンダンテ』 Music Video 【TVアニメ「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」エンディングテーマ】

──確かにグローバル感がありましたが、ロケは海外でやったんですか?
カレン実は茨城県なんです(笑)。素敵なハウススタジオが森の中にあって、すごく雰囲気がピッタリな場所に出会えたなと思いました。
──あとお二人とキャストの皆さんが輪になって踊っているのも微笑ましかったです。
カレン輪になって、みんなで「マイムマイム」をやったんですけど、その輪の中にいたおじいちゃんがなんと90歳で。みんなが「無理をしないで大丈夫ですよ」と心配していましたが、一番楽しんでいる感じで(笑)。表情を作ることなく、みんなが自然と笑顔になる空間は、「アンダンテ」だからこそできたのかなと思いました。
──ではカップリングのお話も。まず2曲目の「サクラ・インカーネーション」は、琴の音色などの和テイストのサウンドに、お二人のクリスタルボイスがとてもマッチしていて。
クララ和の曲調とせつなさが融合したような楽曲に仕上がっています。タイトルの雰囲気からバラードを想像されるかもしれませんが、サビでは結構テンポが速くなったりして疾走感があるサウンドにせつない歌詞がのっているのが特徴的で、その二つのコントラストがよりせつなさを増しているんじゃないかなと思います。
カレン曲名の「インカーネーション」には「化身」とか「輪廻」という意味があって、曲中の「君の瞳に映る桜になれたら…」という歌詞も「桜になってでも君の目に映っていたい」というあふれる想いを感じられる、ドラマティックな1曲になっています。表題曲の「アンダンテ」は春の出会いやさわやかさを感じられますが、もう一つの春が持つはかなさやせつなさをこの曲で出せたかなと思います。
──ラスサビの「ひらひらひらひら何もかも本当は忘れたくないよ 醒めないで」もいろいろな意味に聴こえて。あとBメロからサビで一気にギアが上がる感じがカッコいいですね。
クララありがとうございます。あと掛け合いも多くて、私たちそれぞれの声の要素や畳みかけるように感情を出していく感じがまたせつなさを増している気がするので、そういう部分も感じながら聴いていただけたら嬉しいです。
──3曲目の「擬態」は曲名の不思議さもさることながら、まるで怪盗のようなミステリアスな歌詞やいろいろな音が詰まっていたり、テンポが急に変わったりするオケなど、ClariSの変幻自在ぶりを表すような曲ですね。
カレンツアーが近いこともあって、皆さんと楽しめる曲をシングルに入れたいねという気持ちが二人の中にあって。そんな中、候補曲を選んでいた時、この曲を聴いた瞬間、「ビビビ」と二人の中で響き合って、一度聴いたら耳から離れなくなってしまいました。だから「絶対に歌いたい!」と思って選んだ曲です。遊び心もありつつ、今までのClariSの曲にはなかった小悪魔的な要素も含まれていたので、この曲を皆さんの前で披露したらどんな反応をもらえるかなと今からワクワクしています。
──「獲物に合わせてメタモルフォーゼ」や「思わせぶりな予告状残し お宝に迫る」、「ゆらめくハートを打ち抜いたら」など恋泥棒みたいだなと。
クララそうですね。他にも私たちの象徴である「仮面」という言葉も出てきて。また「擬態」を意味する「メタモルフォーゼ」というワードも、私たちがどんな姿なんだろうと想像が膨らむような曲になっていますので、ステージでパフォーマンスするのが楽しみです。

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