編集部:松本さん、初めて立ったステージのことを覚えてらっしゃいますか?
写真で残っている初ステージは、2才くらいのとき。両親がバンドをやっていて、父がベースで母がサックスとボーカルだったんですけど、ホールでコンサートをやったとき、小さい私がタンバリンを持ってボーッと立っていて(笑)。どうやらセルジオ・メンデスを演奏していたみたいなんですが、それが最初のステージだと思います。
記憶に残ってるのは、中学校3年生のときですね。学園祭の準備のために学校に残っていて、体育館がステージ仕様になってたから、見に行ったんです。暗幕と照明が準備されていて、ステージが飾り付けてあって。友達が「英子、歌ってよ」と言い出して、ピアノが弾ける子と一緒に「A Whole New World」を歌ったんです。聴いていたのは5~6人なんですけど、歌い終わったら、そのなかの一人が号泣していて。「どうしたの?!」って言ったら、「感動した」って。ビックリしたんですけど、そのときに初めて、「私の歌はいろんな人に届くかもしれない」と思ったんですよね。歌は好きだったけど、自信がなくて、歌手になるなんて無理とずっと思っていて。体育館で歌って、友達が泣いてくれたことで、初めて「歌手をめざしてみよう」という気持ちになったんですよね。
編集部:歌が人の心に届いた、あの日があったから今の松本さんがいらっしゃるんですね。
素敵なエピソードをありがとうございました。
素敵なエピソードをありがとうございました。