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ツアー初日はREBOOTの概念を分かりやすく体現
そこはアルバムのコンセプトから始まってまして。アルバムが“REBOOT”(再起動)という名前で、“自分たちのバンドをもう1回始めよう”という意図を持って作ったものなんですね。そこで馬鹿正直にそのアルバムに沿ったツアーを始めた場合、“みんながREBOOTした感覚になれるのか?”という問題がありまして。たぶん、それをやっちゃうと新譜が出た後のツアーになっちゃうんですね。
そうです。僕はこのツアーをアルバムのツアーとして位置付けているだけではなく、“バンドとしてREBOOTする”というコンセプトの中のひとつの流れとして位置付けてまして。そのコンセプトを達成するにあたって、自分たちのバンドをもう1回始めるということをお客さんに見せるためには、自分たちが一番最初に始まったところからスタートする必要がまずあった。だから、自分たちが一番最初に出たライヴハウスにしたんです。
ええ。自分たちの始まりとなったCLUB CITTA'で、バンドの歴史の始まりのきっかけとなった曲をやって。昔の曲を今の演奏力、今のやり方で、今までできなかったことを盛り込んで届けることで、お客さんに“昔とは全然違う”“REBOOTしたんだ”という意識を持たせたかったんです。REBOOTと言ったからには本当にバンドをREBOOTさせる。そういう覚悟があったからこそ、ああいうライヴにしました。
みんなの反応はすごく良かったんで、どういう意図で僕らがREBOOTと言い出したのか、このライヴで初めて真意まで伝えられたんじゃないかなと思います。それまでアルバムでいくら“REBOOTした”と言ってても、みんなにとってはただの新曲ですから。このライヴで昔の曲をやったことで、何がREBOOTなのか、どこら辺が変わったのか。ある意味、一番REBOOTという概念が分かりやすく体感できたのはこの初日だと思います。
めっちゃ泣いてる人もいましたから。(CLUB CITTA'公演のセットリストを見て)これ、昔同人でうちらがリリースしたベスト盤(2013年12月30日に『コミックマーケット85』にて頒布された『きしだきょうだんのベスト!』)の曲が全部入ってる。やべぇな、このセトリ(笑)。原作の時間の流れやキャラクターでつながってるパートがあったり、しかも16曲目の「夢は時空を越えて」から21曲目の「Lotus Love」までは、19曲目の「彼岸帰航」を除いて、初期に出した1stアルバム『幻想事変』が中心で。かつ、この流れは初めてCLUB CITTA'に出た時を再現するイメージで作られてるんで、最古参のファンからすると完全なる追体験ができるパートになってますね。
hayapiさんですね。僕は、このライヴでやりたいコンセプトやビジョンを伝えただけです。それをもとにhayapiさんがセットリストを作り、ライヴの演出にどんな意図があるのかをみんなに説明したりという事をやってくれています。
いや。こんなに上手くできたのは、この12年間で今回が初めてです。それまでは話し合い自体を行なわなくて、去年の末ぐらいから、やっと全員が話し合いのテーブルに着けるようになりました。それまではセットリストを決める会議で真面目に話してる人なんていなかったんで。
真面目に話すと喧嘩になるから。基本的にみんな意見が違うし、話しだすと喧嘩になるんです。なので、“ここはこの人が向いてるからこの人が主導権を握る”というのを決めたら、その人が作って、作ったものに対して他の人は文句を言わないというシステムを作ったんです。
hayapiさんはセットリストや演出面、ライヴのステムデータの制作や管理をみっちゃん。ライヴの衣装、髪型などのビジュアル面はichigoさんに真っ先に相談するとか。この分野はこの人にやらせるというのがはっきりあるんです。
ええ。こうするのがベストだと気付くまでに。4人全員が集まって話し合い、全会一致のもとにバンドを進めていくという合議制が望ましいんですけど、うちはそれをやると喧嘩になる。アーティスト写真を見て分かるように、うちは面倒くさい奴ばかりなんですよ。そんなところで合議制を採用しようとしたのがそもそもの間違いで。その結果、この12年間で機能不全に陥ってしまいましたからね(笑)
今までのやり方の限界点がここ2〜3年で見えてきたので、そこからもう1歩先に行くためにはどうするかを2年ぐらいいろいろ試してもがいた結果、希望がみえたんです。それで、やっと変わってきたから“REBOOT”というタイトルをアルバムにつけ、口に出していったんです。