ベリーグッドマンが語る、ふるさとのエピソード
Text:岡本明
編集部:みなさんのふるさとのお話をきかせてください。
最近、同じようなことを考えるタイミングがあって、大阪で一番好きなところはどこですかって聞かれたんです。なにわ筋という、結構長い道があるんですけど、僕はその道が好きで。小学校~中学校もその道沿いにありますし、その道沿いの桜川の「とり一番本舗」という店で僕らが3人でやろうっていう話をしたんですよ。
決意したのはその店ですね。あと、初めて歌のライブをしたカフェもなにわ筋から1本入ったところにあるし。
意外に分かってなかったけれど、なにわ筋って僕らにとっていい場所だなって思いました。その道が僕らをつなげてくれた、みたいなロマンチックなことを思って。
なにわ筋もいいんですけど、“西天商店街”というのが僕の地元にあって。僕はそこで人間のうまい生き方を勉強させてもらいました。家の鍵も閉めない時代ですから。小学生の頃、大きな声で挨拶してたら何でもタダでもらえる街で、そこにひでさんという寿司屋があって。小学生の時に一人で行ってたんですけど、回転寿司と同じ値段で提供してたんですよ。ネタはいいのに。そこは昼から飲んだくれているオッサンがいて。学校終わって500円握りしめて食べに行ったら、オッサンが“お前ひとりか?これを食え”って寿司を二皿くれたり。そこで人間のうまい生き方を学びました。
──人間のうまい生き方(笑)?
今でも僕は寿司好きなんですけど、寿司をおごってくれる先輩と出会って、今があります。僕は寿司のために生きているかもしれないなと、ふるさとという言葉を聞いて思いました。ふるさと=寿司。
ウソつけ(笑)、そんなことないやろ。
実家、お好み焼き屋さんやし。
寿司と共に生きてきた29年間。
今ハマッているのはカレーって言ってた(笑)。
脇見運転しているだけです。
確かに地方ではよく寿司を食べに行きますけど、ふるさとの意味が分からない(笑)。漁港の出身でもないし(笑)。
そこは不思議なんですね。ふるさとと聞いて寿司を連想してしまう、不思議な人生ですね。
僕の地元はだいぶ変わってきていますね。マンションがメッチャ建ったりしていて。都会まで自転車で5~10分ぐらいで行けるんですけど、周りは静かだし、おじいちゃんおばあちゃんばかりで、近所づきあいもちゃんとしているし。都会に近いのに田舎感がある、静かな場所ですね。下町なので、都会なのにローカルな路面電車が走っている。子供の頃に安いジュースを買っていた酒屋さんもまだあったり、中学のたまり場になっていたコンビニもあって。行くと“まだ音楽やってるのか?”って言われたり、古きよきものが続いている街だなって思います。マンションも次々に建って光景は変わりましたけど、温かい人づきあいがある街ですね。
編集部:MOCAさん、まさかの「ふるさと=寿司」!(笑)
ベリーグッドマンのみなさん、楽しいインタビューをありがとうございました!
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