「半自伝的な、生意気言うとクロニクルですかね。古舘一代記です喋りの。いつか『死』について喋りながら死んでいくというのが理想、しがみつくようにやり続けていきたい」
12月開催「古舘伊知郎トーキングブルース」。『言葉をもった人間の哀しみを 語れ 歌のごとく』…時代を映す言葉、世を動かす言葉、人々の胸の内にある言葉…“今”の言葉と向き合い格闘するひとり喋りの2時間。
古舘伊知郎がトーキングブルースへの熱い想いを取材で激白。70歳の特別な誕生日に語りたい言葉とは?
【古舘伊知郎さんコメント】
──70歳の節目で開催する、今回のトーキングブルースどんな内容に?
今年は70歳になるということで、局アナからフリーになって48年。喋る仕事をバカの1本道でやってきたわけです。自分と喋りというのはやっぱり時代のモードじゃないですか。だから時代的に僕の過剰な喋りがウケた時もあったし、時代的にウケなかった時代もある。48年の自分の喋りと、それ以外の他人の喋りと、それから時代と喋り「歌は世につれ世は歌につれ」だけど、喋りにつれるところもあれば、時代につられて喋りが変化して、言葉つきとか言い回しもどんどん変わってくるじゃないですか。だから、そんな48年の自分の喋りを中心とした変遷をやろうと思い、SINCE 1977になったんです。
今回は、半自伝的な感じで、生意気言うとクロニクルですかね。古舘一代記です、喋りのね。
今回は、半自伝的な感じで、生意気言うとクロニクルですかね。古舘一代記です、喋りのね。
──今回のトーキングブルースに登場する、他人の喋り、というのはどんな方々?
今回、みのさんの話は1秒もしません。みのさんはちょっと特別扱いなんで除外です。でも同業のアナウンサーの話はします。もちろん大先輩も後輩も。
例えば、なぜ安住紳一郎の喋りが殿堂入りするぐらい素晴らしいのかというのを、僕なりのアングルで分析しています。アナウンサーで株主総会の司会やる人がいても、なかなかいないですよ、役員として登場するってのは。やっぱりすごいなと思いますよ。
あとは、徳光さん。徳さんの厳しい言葉がきっかけで報道ステーションをやろうと決めた一因であるって話は白状します。これはあんまり言ってないですけど。ほかには、今どきの喋りや全く表に出てくる人じゃない喋りなんかも。
リモート全盛、LINE全盛の世の中で打つ言葉、書き言葉を超えて、打つ言葉がほとんどのトークになりつつある世の中で、なぜ対面で喋ることが楽しいのかという分析もやっています。
例えば、なぜ安住紳一郎の喋りが殿堂入りするぐらい素晴らしいのかというのを、僕なりのアングルで分析しています。アナウンサーで株主総会の司会やる人がいても、なかなかいないですよ、役員として登場するってのは。やっぱりすごいなと思いますよ。
あとは、徳光さん。徳さんの厳しい言葉がきっかけで報道ステーションをやろうと決めた一因であるって話は白状します。これはあんまり言ってないですけど。ほかには、今どきの喋りや全く表に出てくる人じゃない喋りなんかも。
リモート全盛、LINE全盛の世の中で打つ言葉、書き言葉を超えて、打つ言葉がほとんどのトークになりつつある世の中で、なぜ対面で喋ることが楽しいのかという分析もやっています。
──古舘さんにとって、トーキングブルースとは?
長広舌の喋りも時代遅れと謗りを免れないが、手を抜かない。そこはトーキングブルースというところに救われているんですね、私は。これはトーキングファンタジアだったらそういう世知辛いことは言えないんですけども、やっぱりトーキングブルースなので。
亡くなられた西田敏行さんがどれだけ悪い人間の演技が上手かったか。人間というのはいいも悪いもぐちゃぐちゃになった真ん中の均衡した部分にあるんだという、西田さんも言ってたと思うんですけど。いろんな幅の天才的役柄のこなしができたんだと思うんです。西田さんと自分を重ねては申し訳ないけれども、ブルースって悲しいし、滑稽だし、ずるいし、いやらしいし、そこに苛まれるし、いいところもあるしっていう人間の存在を喋りで語り下ろしていきたいということなので。そういう意味では自分の情けないところも。
自虐オンパレードになったらかっこ悪いから、そこはブレーンにも削ってもらっているんですけど、ともすると自虐になるんですよ。自虐とブルースって全然違うじゃないですか。でも僕の場合は不器用だから、自虐ネタから入らないとブルースまでいかないんですよね。だから今は自分の頭の中にあるものを一生懸命書き出しています。
コンセプトで言えば、いつか「死」について喋りながら死んでいくというのが理想なので、70過ぎてからもトーキングブルースだけはしがみつくようにやり続けていきたいです。
亡くなられた西田敏行さんがどれだけ悪い人間の演技が上手かったか。人間というのはいいも悪いもぐちゃぐちゃになった真ん中の均衡した部分にあるんだという、西田さんも言ってたと思うんですけど。いろんな幅の天才的役柄のこなしができたんだと思うんです。西田さんと自分を重ねては申し訳ないけれども、ブルースって悲しいし、滑稽だし、ずるいし、いやらしいし、そこに苛まれるし、いいところもあるしっていう人間の存在を喋りで語り下ろしていきたいということなので。そういう意味では自分の情けないところも。
自虐オンパレードになったらかっこ悪いから、そこはブレーンにも削ってもらっているんですけど、ともすると自虐になるんですよ。自虐とブルースって全然違うじゃないですか。でも僕の場合は不器用だから、自虐ネタから入らないとブルースまでいかないんですよね。だから今は自分の頭の中にあるものを一生懸命書き出しています。
コンセプトで言えば、いつか「死」について喋りながら死んでいくというのが理想なので、70過ぎてからもトーキングブルースだけはしがみつくようにやり続けていきたいです。
「トーキングブルース」とは?
“トークでブルースを奏でる”をコンセプトに、古舘伊知郎がマイク1本2時間ノンストップで喋り続けるトークライブ。言葉の奔流で、現代社会が抱える問題やそこに生きる人々の想いを浮き彫りにします。
1988年の第1回から2003年の第16回までコンスタントに開催し、2004年から出演の「報道ステーション」を機に一時休止。11年ぶりとなる2014年にはEX THEATER ROPPONGIにて一夜限りの第17回が行われ、「報ステ」キャスター時代唯一のステージとなりました。
コロナ禍2020年8月には無観客で6年ぶりに開催、同年12月には有観客ライブを、2021年は自身初となる全国ツアーを実施。以降も古舘のライフワークとして毎年開催、毎公演チケット即完売の人気を博しています。
“トークでブルースを奏でる”をコンセプトに、古舘伊知郎がマイク1本2時間ノンストップで喋り続けるトークライブ。言葉の奔流で、現代社会が抱える問題やそこに生きる人々の想いを浮き彫りにします。
1988年の第1回から2003年の第16回までコンスタントに開催し、2004年から出演の「報道ステーション」を機に一時休止。11年ぶりとなる2014年にはEX THEATER ROPPONGIにて一夜限りの第17回が行われ、「報ステ」キャスター時代唯一のステージとなりました。
コロナ禍2020年8月には無観客で6年ぶりに開催、同年12月には有観客ライブを、2021年は自身初となる全国ツアーを実施。以降も古舘のライフワークとして毎年開催、毎公演チケット即完売の人気を博しています。