ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞を巡る音信不通騒動がいまだに波紋を呼び続けている。
ディランが受賞を拒む可能性も連日報道されている中ではあるが、ミュージシャンを「詩人」というカテゴリーで選出したことで、ポピュラー音楽の世界で受賞する新たな扉を開いたことは紛れもない事実だろう。
アメリカの公共放送NPRのウェブサイトで、ペンシルバニア大のコミュニティーラジオ、WXPNが番組内で紹介した「10人のノーベル文学賞に値する作詞家」という切り口で複数のミュージシャンを選出している。
ディランに匹敵する「詩人」として真っ先に浮かぶであろうレナード・コーエン。音楽家だけでなく詩作での受賞歴も多く、愛や性、死、宗教などを洞察力優れた視点で描いた作品の数々は文学と呼ぶに相応しい。
モータウンが誇る偉大なソングライター、スモーキー・ロビンソンもまた愛を様々な比喩を絡めた技量や、画家のような詩人と表されるジョニ・ミッチェル。その他にもポール・サイモンやパティ・スミス、クリス・クリストファーソンのようなシンガーソングライターたち。
90歳にして新たなアルバムのリリースを明らかにしたチャック・ベリーは、2013年に短編小説で受賞したアリス・マンロー同様に「現代のショートストーリーのマスター」であると力説している。「ウエストサイド物語」など数々のミュージカルの作詞を手がけたスティーヴン・ソンドハイムも、その資格がある詩人の一人だろう。
やや時間を要するかもしれないが、ヒップホップアーティストも、やがては文学としてその作品が評価される日が必ず来るだろう。今回の10人の中ではパブリック・エネミーのチャックDと、エイサップ・ロックの名を挙げている。
記事提供:AOL News