
HIMEHINA WORLD Tour 2026『LIFETIME is BUBBLIN -GRAND FINALE-』
2026年10月4日(日)SGC HALL ARIAKE
田中ヒメと鈴木ヒナによるバーチャルユニット・HIMEHINA史上最大規模ツアー「HIMEHINA WORLD Tour 2026『LIFETIME is BUBBLIN』」。VTuber史上初のワンマンワールドツアーとなった同ツアーのグランドフィナーレが、2026年10月3、 4日にSGC HALL ARIAKEで2days開催された。
前夜祭にあたる初の全曲カバーソング縛りライブ「ヒメヒナウタミタ祭 ~負けないでもう少し最後まで走り抜けて~」はファンのリクエストにも多数応えたセットリストを組み、カバーライブという特色を活かして様々なジャンルの楽曲に挑戦する、非常に有意義な時間となった。約11ヶ月間にわたるツアーの最終公演「LIFETIME is BUBBLIN -GRAND FINALE-」は各地で積み重ねてきた経験を発揮し、純度の高い情熱的なステージを実現させた。
一連の「LIFETIME is BUBBLIN」は、本編のみこれまでのツアー本編の基本構成を受け継いだ セットリストで開催された。グランドフィナーレのステージセットは前日の「ヒメヒナウタミタ祭」と同様に、2025年11月に2days開催された「HIMEHINA LIVE 2025『LIFETIME is BUBBLIN』」時の構成を受け継ぎ、ワールドツアー初日の記憶を蘇らせる。1年掛けて各地で共有してきた景色を残しつつも、ここまでの公演では見ることができなかったグランドフィナーレならではの演出を随所で多数加え、ファイナルらしさとプレミアム感を両立させた。
開演前恒例の田中ヒメと鈴木ヒナの影アナの後、暗転すると会場には「風編み鳥」を演奏するピアノの音色が響き渡る。観客は白幕に映し出された楽譜と歌詞を追うように、その音色に歌を重ねた。そしてここまでのワールドツアーを振り返るダイジェストムービーが流れ、「始めよう、旅の終わりと夢の始まりを」という台詞を合図に、ヒメとヒナの自己紹介ラップへとなだれ込む。これまでにないオープニングに、観客は一気に前のめりになった。
「Introduction:楽園 Ⅱ」でムービー内のHIMEHINAが幕を落とすと80秒のカウントダウン「Opening:80Bubbles」が始まり、なめらかに1曲目「V」へとつなぐと、その後も「LADY CRAZY」「ヒトガタ」「WWW」とトラップテイストのラップ曲をたたみかける。鮮烈なレーザーや大胆な映像演出、バンドメンバーの演奏と同期音で作り出す音圧と爆音で視覚、聴覚、触覚を刺激する様はいつ見ても驚きにも近い衝撃を与える。さらにグランドフィナーレ特有のラップや映像演出を加え、チーム一丸となって新鮮味も生み出した。これまでの経験を踏まえたうえで今のふたりの実力を解放する、まさにアップデートと言うべき洗練されたステージだ。
和気あいあいとしたMCを繰り広げていると、先ほどのセクションで登場した巨大ブラウン管モニターが急遽ふたりの頭上に落ち、カバー曲メドレーのセクションに入った。様々な世界に次々とワープしていく目まぐるしい展開のなか、ボカロ曲やボカロP制作曲、バーチャルアーティストの楽曲と多種多様な楽曲をつないでゆく。そしてふたりによる朗読「The Past and God」から「密命」へとシームレスに移り、楽曲の世界へと没入させるセクションへ。ポエトリーリーディングの「ElectronⅢ」から「琥珀の⾝体」、「棄てられた鉄の王国」「魂にひそむ」と、ふたりのハーモニーとユニゾン、個々の情感豊かな歌声は観客の心の中に楽曲にしたためられた感情を生々しく刻み付けた。
多数のダンサーを抱えながらも田中ヒメと鈴木ヒナというふたりの人間にフォーカスした演出は、より楽曲の解像度を上げた。インタールード「わかれのうた」の後にふたりのシルエットが映し出され、「次の曲は人生のなかで避けることのできない、あなたにとって大切な誰かとの別れを歌った曲です」「どうか、あなたの大切な存在が届けてくれるメッセージだと思いながら聴いてください」とふたりが呼び掛けると、ふたりが歌唱したのはロックバラード「遺言」。“愛してる”という台詞の後、配信で寄せられたリアルタイムメッセージをバックに大きく腕を広げて踊る姿は非常に美しく、涙ぐみながら歌うその声からも彼女たちの純粋な愛情が伝わってきた。
ヒナは「みんなの顔を見ていたら、みんなにもこの1年でいろんな出会いや別れがあったんじゃないかな……といろんな思いがこみ上げてきて」と涙を拭い、ヒメも「そうやって出会いと別れを繰り返すことが人生というか、生きることというか。いろいろあるけれど、歩みを止めちゃいけないから」と噛み締める。さらにヒナが「こういう掛け合いや、みんなとの絆も、1年掛けて世界を回ってグランドフィナーレまでたどり着いたからかなと思っている」と続け、直にファンとひとつの空間を作ることができるライブという場が持てることを喜んだ。
集合写真撮影をした後は、衣装チェンジをしてロック色の強いパワフルな「マザードラッグ」「相思相愛リフレクション」などをたたみかける。客席のシンギングタイムとコール&レスポンスを挟んで「バブリン」に移ると、突然のヒメヒナ結婚宣言も飛び出して会場を沸かした「キスキツネ」、これまでSNSに投稿されたダンスカバー動画を用いた演出も壮観だった「愛包ダンスホール」とキュートで溌溂としたパフォーマンスを見せた。
「Lemonade」では間奏で「青春のような1年でした」「甘酸っぱいレモネードみたいな思い出、これからも一緒に歩いていこうね!」と呼びかけて爽やかで眩しい夏景色を描き、ここから「うたかたよいかないで」「涙の薫りがする」とファンとの結束をさらに強くして一つひとつ丁寧に届けた。そして夕暮れの公園を描いた「しゃぼんだま」を挟み、アルバムのラストを飾る「生と詩」で本編を締めくくる。こちらの心に染み入る歌声も、ミラーボールの作る銀河のような光のなかで舞う姿も、観客の歌声に見送られながらステージを後にする姿も、音楽活動と誠実に向き合い続けてきたふたりだからこそたどり着いた気高さを放っていた。
オルゴールアレンジの「涙の薫りがする」「うたかたよいかないで」に観客が歌声を乗せると、それに導かれるようにふたりは新曲「VAMPY」と新衣装を初披露する。アグレッシブなダンス、低音を効果的に響かせる刺激的なサウンド、息つく間もないボーカルなど、会場を終始圧倒した。そして同曲を表題に新曲2曲とリミックスを収録した4曲入りEP『VAMPY』を11月27日にリリースすること、表題曲「VAMPY」はイラストレーターのLAM氏が原作・脚本・監督・キャラクター原案・総作画監督を手掛ける新作ショートアニメプロジェクト『DemVAMPS(デヴァンプス)』の書き下ろしタイアップソングであることを発表。かねてよりアニメのタイアップソングを夢のひとつとして掲げていたふたりがその一歩を踏み出したことを、観客も大きく歓迎した。
ラストスパートに向けて「フランケンシュタインの怪物」であらためて士気を高めると、このツアーのオープニングで80秒のカウントダウンを行っていた「80Bubbles」のトラックが流れ、同曲がヒメ作詞の楽曲「ハングリラ」であることが判明する。慣れ親しんだサウンドに乗せていままでに聴いたことがなかったメロディと歌詞が乗るという状況は、フレッシュな喜びをもたらした。
「I Love You」の後、ピアノの音色が鳴ると客席から歓声が沸く。「この旅の果てに夢があるんだ」「夢を歌った大切な1曲です」という言葉から「夢景色」へ。白いペンライトで染まった客席の景色は、ふたりの透明感と素直な心情が表れたボーカルを可視化させるようだ。音楽活動に懸ける強い思いとファンへの感謝が通った歌声が、5000人の観客の一人ひとりの心に染み入った。
「1年掛けて旅をしてきました。みんなと歩んだこの時間が、きっと次の未来につながるんだろうなと思って、頑張って走ってきました」「みんなに約束の時を届けたいと思っています」とふたりが胸を高鳴らせながら告げると、最後に「風編み鳥」を披露する。そしてラスサビで観客のシンガロングに入るとバンドの演奏が止まり、ふたりは感慨に浸りながらファンの歌声を全身で浴びた。するとヒメが「ここでHIMEHINAからあなたへお知らせがあります」と切り出す。「約束をしました。それは未来への挑戦と、覚悟の約束!」「いつだって信じてついてきてくれるみんなへ、この大切な日々を支えてくれているみんなへ、大好きな大好きなみんなへ、愛を込めて夢のお知らせです」と言うふたりの声は、涙ぐんでいた。
そしてふたりで声を合わせて「HIMEHINA特報! 2027年7月、HIMEHINA LIVE IN 日本武道館!」と叫ぶと、客席からはそれをかき消さんばかりの盛大な歓声が沸き上がり、この日二度目の銀テープが舞い上がった。
2023年8月に掲げた「5年以内に日本武道館でワンマンライブを行う」という宣言から約3年、とうとうふたりはその夢をファンとの約束に変えたのだ。「みんなでもう1回、一緒に歌ってくれますか!?」と呼び掛けると、会場は大きな歌声に満ち満ちた。ファンの歓喜の声を背負って歌うふたりの歌声からは、これまでにないほどの高揚が伝わってくる。“日の旗の悠空”という言葉がこの日ほど美しく輝いた日はないと言っても過言ではない。「約束を果たしに、夢の舞台へ行くぞ!」「希望があったから頑張ってこれたし、HIMEHINAはこれからも先に進んでいきます」と感動の涙を浮かべて宣言し、武道館に向けたジャンプでワールドツアーを締めくくった。
ふたりはあらためて日本武道館という約束を果たせたことへの喜びを噛み締めると、「この夢はみんなで叶えたんだよ」「ここがゴールではありません。ここからが新しいスタートです!」「まだ観たことのない景色がこの先にあるってことがめちゃくちゃうれしいし、めちゃくちゃ楽しみ!」「この次の景色もみんなと一緒に観たいです! これからも一緒に歩いていこう!」「さらにパワーアップしたHIMEHINAと武道館で会おう!」と再度固い約束を交わす。そしてマイクオフで「HIMEHINA LIVE 2027 IN 日本武道館、行くぞ!」と叫び、会場もそれを受け取り全力で叫んだ。
恒例の挨拶の「ごきげんよう」を唱和し、影アナであらためて感謝を告げて、ふたりは日本武道館に向かって歩み出した。ここから約9ヶ月、HIMEHINAはチーム一丸となってこれまでにないほどの最高の景色をファンとともに作るべく、自分たちを鼓舞しながら妥協を許さず邁進する。ユニット史上最大規模の旅路は、夢を再会の約束に変えた。そんなふたりとファンの晴れ舞台は、どんなに透き通った大空よりも光に満ちた空間になるだろう。
SET LIST
01 Prelude:この旅の果てに夢があるんだ
02 Introduction:楽園 Ⅱ
03 Opening:80Bubbles
04 V
05 LADY CRAZY
06 ヒトガタ
07 WWW
08 ECHO
09 ヒビカセ
10 UNDEAD
11 神っぽいな
12 CQCQ
13 灼熱にて純情
14 過去を喰らう
15 Int:The Past and God
16 密命
17 Int:ElectronⅢ
18 琥珀の身体
19 棄てられた鉄の王国
20 魂にひそむ
21 Int:わかれのうた
22 遺言
23 マザードラッグ
24 相思相愛リフレクション
25 アダムとマダム
26 絶望を翔る恒星
27 Int:試される合唱の大地
28 バブリン
29 キスキツネ
30 愛包ダンスホール
31 Lemonade
32 うたかたよいかないで
33 涙の薫りがする
34 しゃぼんだま
35 生と詩
36 Encore Calling
37 [新曲]VAMPY
38 フランケンシュタインの怪物
39 [新曲]ハングリラ
40 I Love You
41 夢景色
42 Int:Flying Bubbles
43 風編み鳥
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