JAZZBILLY、12月5日(土)渋谷近未来会館LIVE決定!12月のLIVEに先駆け、今年7月のLIVEレポートを公開

ライブレポート | 2026.10.18 00:00

JAZZBILLY Rock'a Swing Performance 2026 - 2nd Style Final Live
2026年7月18日(土)渋谷近未来会館

JAZZBILLY 12月5日(土)渋谷近未来会館LIVE決定!
7月と12月。年に二度だけ渋谷に出現する、ロックンロールとジャズのサーカス。
JAZZBILLY「Rock’a Swing Performance」
2026年の冬は、初披露となるツインギター編成で、新たな幕が上がります。
厚みを増したジャンプ・ブルースが、耳と心をたっぷり満たします。
そして12月のLIVEに先駆け、今年7月のLIVEレポートを公開!

JAZZBILLY、今の時代を生きていく活力へと変換していくアグレッシヴなステージ

ノスタルジックな空気が漂う瞬間がありながらも、フレッシュでエネルギッシュ。過去を懐かしむことに終始するのではなく、かつての青春の思い出を、今の時代を生きていく活力へと変換していくようなアグレッシヴなステージだった。2026年7月18日に渋谷近未来会館で開催されたJAZZBILLYの"Rock'a Swing Performance 2026"。2025年12月に開催された前回の"Rock'a Swing Performance 2025"が楽しいクリスマス・パーティーのようだったとすると、今回は"真夏の夜の夢"と形容したくなるステージ。時空を超えていくような感覚も味わった。

JAZZBILLYは、伝説的なロカビリーバンド、MAGICの中心人物だった上澤津孝が2003年に結成したユニットである。ロックンロールとジャズのクロスオーバーによる“スウィングビート”を軸としながら、ポップス、ラテン、レゲエ、歌謡曲、AORなど、多様なジャンルの音楽のエッセンスを吸収して独自の世界を構築・更新し続けている音楽集団だ。楽器の編成も柔軟に変動しているが、今回は前回と同じ顔ぶれが揃い、さらに進化したバンドサウンドが展開された。メンバーは上澤津孝(Vo)、幡宮航太(Key/Co/AG)、石井洋介(Gt)、奥野翔太 (Wood Bass & E.Bass)、田辺貴広(Dr)、鈴木一葉(Key)、長谷川素子(Tp)、枡家小雪(Tb)、矢元美沙樹(Sax)という9人編成である。

オープニングナンバーは、身も心も躍らせるロックンロール「東京ストリートロッカー」だ。オリジナルはロカビリーバンド、BLACK CATSの1984年の楽曲だが、1992年にMAGICのアルバムでカバーされ、さらに2024年には、作曲者の織田哲郎をフィーチャリングに迎えたビッグバンド編成のデュエット作品へと更新され、JAZZBILLYの代表曲のひとつとなっている。スウィングするビートに乗って、上澤津が躍動感あふれる歌声を披露。ホーンも切れ味が抜群で、カラフルで華やかだ。観客も立ち上がって踊ったり、歓声を上げたりして、1曲目からテンションが高かった。

2曲目はラリー・ウィリアムスの「Slow Down」のカバー曲であり、『Levi Dexter & MAGIC』(1993年)にも収録されているロカビリーの定番曲だ。上澤津のヒーカップ唱法を駆使した跳ねるような歌声が気持ちいい。バンドの演奏もとてもグルーヴィーだ。曲が終わった瞬間に、「かっけー!」と観客から声が上がった。リトル・リチャードのカバー「Rip It Up」では、奥野が小気味よくスウィングするウッドベースを演奏。上澤津はひたすらツイスト&シャウトしていた。彼の歌とパフォーマンスからは、観客をもれなく笑顔にする明るいエネルギーがほとばしっていた。上澤津が両手を挙げて万歳のポーズをとってフィニッシュ。

「ヤバいな、エンジンかけすぎた。20代の頃のつもりでやっちゃったな。楽しいね、ロックンロール。第1部はMAGICの頃を思い出しながらいこうと思っています。一音一音慈しむようにお届けしますので、一音一音楽しんでください」

そんな上澤津のMCを挟んで、MAGICの代表曲がホーン・レスの編成で3曲続けて演奏された。「BE-BOP-SLAP (幸せな馬鹿)」では、奥野のスラップ奏法によるウッドベースの太い鳴りに体が揺れた。上澤津の歌声にバンドのメンバーが掛け合いのコーラスで応えた。歌うことと奏でることの楽しさがダイレクトに伝わってくるステージだ。青春パンクの香りの漂う「Motorcycle Boy」でも、メンバーが笑顔でプレイ。石井のギターソロも軽快で艶やかだった。ブレイクを挟んでの自在な歌と演奏が、観客全員を懐かしい日々へと誘った。

「♪Wooo~」というメンバーのコーラスで始まったのは、MAGICの1stアルバム『ROCK'A BEAT』収録曲の「MAGIC ISLAND」だ。爽快感と開放感とが漂う歌と演奏が気持ちいい。上澤津が歌っている途中で、歌詞が飛ぶハプニングもあったが、まったく問題なかった。そんなささいなことを笑い飛ばしていくような、陽気なパワーが渦巻いていたからだ。メンバーのコーラスに合わせて、観客も一緒に声を上げて参加。演奏が終わると、大歓声と拍手が起こった。

「ここは銀河列車の特別車両です。ロッカスウィング・トレインで渋谷の夜を駆け巡りましょう」という上澤津の言葉に続いて演奏されたのは、矢元の骨太なテナーサックスをフィーチャーした「STAND UP, BOY」だ。上澤津の歌声もバンドの演奏も実にヒューマンだった。地方から都会へと出てきた少年を励まし、そして寄り添っていくような温かさを備えていた。オールディーズのテイストのある「パステルカラーに染めてくれ」では、観客もハンドクラップしながら揺れていた。青春の日々を描いた歌の世界を、上澤津がいとおしそうに歌い、バンドの演奏がポップに彩り、会場内の空気がパステルカラーに染まった。

「MAGICの頃を思い出して感動して涙が出てきました」と上澤津が語り、MAGICの「Dancin' Dancin' Dancin'」へ。上澤津の伸びやかなボーカルと、疾走感と躍動感あふれるバンドの演奏に、会場内が揺れた。コーラス、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ホーン隊、すべてが全開かつ爽快。「ロックンロール!」と上澤津がシャウトしてのフィニッシュだ。

第1部のラストの曲は、JAZZBILLYのステージではお馴染みとなっているインストナンバー「ルパン・ザ・サード」だった。今年5月に逝去した大野雄二が作曲したアニメソングの名曲で、追悼の意も込めて、そしてまた、「今回でこの曲は最後にしようと思います」との上澤津の発言もあって、節目の演奏となった。上澤津が着替えのため、いったん退場して、バンドの白熱の演奏が展開された。ハードボイルドなトーンのあるこの曲が、JAZZBILLYにはよく似合っている。クールさとホットさを兼ね備えた自在な演奏が見事だった。

第2部の始まりの曲は中森明菜の「BLONDE」のカバーだった。長谷川素子のミュートのトランペットで始まり、スウィングする演奏と上澤津の陰影のある歌声によって、ミステリアスな世界が浮き彫りになった。Original Loveの「接吻」のカバーは、鈴木のキーボードと上澤津の歌での始まりだ。情熱を胸に秘めているような、抑制の効いたソウルフルな歌声が観客を酔わせた。AORテイストの漂う洗練された演奏も鮮やかだった。西岡恭蔵の「プカプカ」では、ゆったりとしたリズムのもとで、上澤津が軽快なボーカルを披露。ラグタイム風のピアノ、スカのリズムに合わせたホーンなど、ニュアンスの豊かな演奏に、観客の体が緩やかに揺れていた。これらのカバー曲から見えてきたのは、JAZZBILLYというユニットの音楽性の高さと柔軟さ、そして引き出しの多さだ。

「JAZZBILLYがいい感じで形になってきたので、並行して、ギターのいない、ピアノトリオのJAZZBILLYのライブをやることを企んでいます」との上澤津のMCもあった。遊び心や実験精神、挑戦心のある演奏もJAZZBILLYのライブの醍醐味のひとつである。ギター抜きで、ピアノトリオにサックスが加わった編成で演奏された「It Don't Mean a Thing」では、上澤津のしなやかな歌声と、クールかつジャジーな演奏に酔いしれた。渋谷近未来会館という会場名と呼応するような、近未来のJAZZBILLYを先取りするようなパフォーマンスとなった。

ピアノトリオ編成で演奏されたのは、映画『スパルタカス』の“愛のテーマ”「Love Theme from “Spartacus”」。ファルセット混じりの上澤津の繊細な歌声からは、無常観や悲哀のようなものも滲んでいた。そのボーカルを、ピアノトリオと幡宮のアンデス (鍵盤リコーダー)の叙情あふれる演奏が包み込んでいくようだった。2026年の夏の渋谷から紀元前のローマへ。波乱に満ちた、哀しき愛の物語が浮かび上がり、JAZZBILLYの表現力の豊かさと多彩さが際立った。一転して、幡宮がバンジョーを演奏したMAGICの「再会」では、ホーン隊も加わり、グルーヴ感あふれる演奏が繰り広げられた。ノスタルジックなムードがありつつも、前向きなまなざしも感じ取れるナンバーだ。観客へもエールを送るように響いた。

「冬公演はギタリストが二人になります。ハタップ (幡宮航太)がステージに立つのは、とりあえず今日が見納めです」との上澤津からの言葉もあった。つまり、この編成でのステージは、これがラストということになる。常に新たなことに挑戦して転がり続けていくのがJAZZBILLYなのだろう。

終盤、まず演奏されたのは、上澤津のソロアルバム『琉球グラフィティ2』に収録されている「八幡坂」。上澤津のせつない歌声と叙情味のある演奏がじんわりと染みてきた。田辺の躍動感あふれるドラムに観客のハンドクラップが加わり、カラフルなホーンから始まったのは、MAGICのロカビリーナンバー「BABY MAGIC EYES」だった。マイクスタンドを斜めに傾けて、上澤津がシャウトしていた。ダイナミックな演奏に乗って、客席の空気もヒートアップ。畳みかけていくように始まったのは、「八幡坂」と同じく『琉球グラフィティ2』収録曲の「最高潮の夏☆沖縄ブルー」。曲名どおり、会場内も最高潮の盛り上がりとなり、上澤津の歌声からは爽快感と開放感がほとばしった。観客も手を横に振りながらシンガロング。そしてそのまま本編最後の曲「コモエスタAKASAKA」へ突入。哀愁と情熱とが一体となっている歌と演奏に乗って、観客がタオルを回し、会場内に風が起こった。

「ラストはやっぱりMAGICかな。暴れ、ちぎってください」という上澤津の言葉に続いて、アンコールでは、まずMAGICの「さらば青春の光」が演奏された。明るくて楽しい歌と演奏からじわりと滲む哀愁が染みてきた。疾走感あふれるロックンロールナンバーにして、ラブソングの「自転車」では、観客も一緒にダンス。<お前 幸せにしてあげる>という歌詞が、この瞬間にも実現していた。アンコールの最後は織田哲郎のカバー曲であり、MAGICのアルバム『あの夏が聴こえてくる』にも収録されている「Someday : Somewhere」だった。力強いロックのビートに乗って、時折目をつぶりながら、上澤津が自らの思いをたっぷり込めてシャウトしていた。この日のコンサートの最後を締めるのにふさわしい希望の歌だった。上澤津は、満面の笑みを浮かべていたが、その頬には光るものがあった。

青春の匂いがたっぷり詰まったコンサートであり、ノスタルジックな空気が漂っていながらも、今の瞬間のリアルな音楽として届いてきたのは、JAZZBILLYが常に音楽的な挑戦を続け、斬新なアレンジで最新のサウンドを奏でているからであり、そしてまた、上澤津が今もなお、「青春のど真ん中にいる」と言いたくなるような熱いまなざしで、過去だけでなく、現在と未来を真っ直ぐ見つめているからだろう。これから先のJAZZBILLYが見せてくれる景色がさらに楽しみになるステージだった。

公演情報

DISK GARAGE公演

JAZZBILLY Rock’a Swing Performance 2026 Winter

2026年12月5日(土)渋谷近未来会館

OPEN :16:00
START:17:00
座席:オールスタンディング*整理番号順優先入場

前売り:5,500円+ドリンク代700円
当日:6,000円+ドリンク代700円

問い合わせ先:JAZZBILLY MG 080-2025-6883
主催:OKIROCK
制作:DG AGENT

■FMとやま Rock’a Swing Trainリスナーサポーター特別先行
【受付期間】2026年10月18日(日)10:00~11月1日(日)23:59
【受付URL】https://eplus.jp/jazzbilly/rst1205/
*受付用のキーワード必要

 

■一般発売
11月7日(土)10:00〜チケット販売開始
イープラス独占販売!!
【受付開始】11/7(土)10:00〜
【受付URL】https://eplus.jp/jazzbilly/

  • 長谷川 誠

    取材・文

    長谷川 誠

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    今井俊彦

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