NEMOPHILA、現体制ラストで挑んだ初のガールズ対バンイベント「天フェス」にEast Of Eden、TRiDENT、NEK!が集結

ライブレポート | 2026.10.29 19:00

天壌無窮極音道中
2026年10月12日(月・祝)EX THEATER ROPPONGI
出演:NEMOPHILA / East Of Eden / NEK! / TRiDENT

NEMOPHILA初のガールズ対バンイベント「天壌無窮極音道中(以下:天フェス)」が、2026年10月12日にEX THEATER ROPPONGIにて開催された。

同イベントは彼女たちが昨年CLUB CITTA’ KAWASAKIにて開催した「地平天成獄音道中(通称:地獄フェス)」の対となる「天女のような美しさや華やかさをまとった女性アーティスト」をコンセプトにしており、記念すべき初回としてEast Of Eden、NEK!、TRiDENTの3組を招いた。そしてこの日はNEMOPHILAにとって現体制ラストライブである。NEMOPHILAの歴史や、ラウドロックを鳴らすガールズバンドの最前線を一挙に感じられる4時間半の大ボリューム公演となった。

一番手のNEK!は「最初っからブチアゲていきます!」と宣言し、威勢のいいスラップベースから「MAZE」になだれ込む。その後も「Fool」「Scrap Book」とライブで叩きあげてきたキラーチューンを立て続けに披露した。ロックをベースとしたサウンドにネット/SNS用語をふんだんに用いた歌詞を乗せる“スラングロック”、結成3年目というフレッシュ感、キュートなビジュアルで野太い音を鳴らす楽器隊、凛々しくも可憐さを纏ったボーカルなど、持ちうる武器をすべて投げ込んでゆく。

NEK!

冒頭はハンドマイクボーカルだったHika(Vo/Gt)がギターを抱えると、最新EP収録曲「MUTE」から「ENDLESSGAME」「GiMMiCK」とクールで緊迫感のある楽曲を披露し、再度会場を盛り上げることを約束するとバンドの初楽曲「Get Over」、最新シングル曲「MAGiC VoX」と勢いづけた。「みんなと歌いたいので力を貸してください」と呼びかけた「Dreams!!!!」は、彼女たちの持つ情熱と純真性をクリアに映し出す。NEMOPHILAとの対戦のカードを切るべく考案されたであろうハードなセットリストで全力投球する4人の姿は、天フェスのオープニングとして申し分ない特攻隊長ぶりだった。

NEK!

続いてのTRiDENTは、バンドの表現力の幅広さと、3ピースバンドという少数精鋭編成ならではの一体感とサウンドの強度で会場を圧倒した。まずは「KICKASS」「メイヒテンセイ」と脳天を劈くようなファストナンバーを爆音で鳴らす。3人の一糸乱れぬ演奏は心地好くもスリリングで、情感豊かなメロディはエモーショナルなボーカルと透明感のあるハーモニーがさらに深みを持たせた。

TRiDENT

フロアのシンガロングが高らかに響いた「Haha!」の後、SERINA(Ba)はNEMOPHILAとは競演歴はもちろん、朝まで杯を交わしたこともある仲であると明かし、ASAKA(Vo/Gt)は「熱いガールズ4マンに呼んでもらえてうれしい」「いろんなスタイルのバンドが集まった」とイベントや競演者に敬意を表する。その後は「Candle」「NEO FUTURE」と歌詞に綴られた心情をありありと映し出したボーカルで楽曲の世界に引き込むと、「NEW ERA」「CRY OUT」と喜怒哀楽のすべてを同時に放射する歌と演奏で会場を刺激した。最後にASAKAが「どんな道を選んでも間違いじゃない。みんなと一緒ならどこまでも行ける。そんな思いを込めてラスト歌います」と告げ披露した「be with you」はとても誠実な演奏で、観客へのメッセージだけでなく、新しい道を選択したNEMOPHILAの4人へのエールとしても響いた。

TRiDENT

トリ前を務めたEast Of Edenは、初期曲から最新曲までを網羅したセットリストで現在のモードを知らしめた。「Telepathic」「Shooting Star」とエレガントでありながらも荒々しい演奏を轟かせ、5人はそれぞれの持ち味を爛々と輝かせる。湊あかね(Vo)が“天壌無窮極音道中”というライブタイトルについて「難しすぎる」と笑いを誘い空気を和らげると、11月リリース予定の新曲「Ghost Sequence」、「Chasing The Moon」と冒頭で作ったアッパーなムードを追い風にして威勢よく走り抜けた。

East Of Eden

EOEはメンバー全員がムードメーカーだ。メンバーそれぞれが音に身を委ねながら己のフィールドで自分自身を解放することで、ひとつの世界を作り上げる。彼女たちの言う“楽園”とは、全員が自分の音楽欲求に素直になれる場所のことなのかもしれない。ラストの「IKIZAMA」と、バンドの初楽曲を魔改造した最新バージョン「Evolve(Rising Tour ver.)」は、彼女たちから湧き上がるエネルギーが音と化し会場を触発する。ソロ回しやフォーメーションチェンジなど多数のギミックを用い、視覚聴覚ともに華やかなステージを実現させた。

East Of Eden

そしてとうとうこの日の首謀者、NEMOPHILAが満を持して登場する。今年6月からサポートとして参加しているiKA(Gt)を招いた5人編成で臨み、この日をもって葉月(Gt)は脱退、7月に脱退したむらたたむ(Dr)はサポートを終了するという節目のライブだ。観客もステージに現れたメンバーに大きな歓声を送るも、やはりそこに一抹の緊張がないと言えば噓になる。それはNEMOPHILAのメンバーも同様だったのではないだろうか。

冒頭から重厚感のあるサウンドと跳ねるビートのコントラストが小気味よい「アナタダレ」、おしくらまんじゅうの如くフロアを盛り上げるキラーチューン「OSKR」と極限までソリッドに研ぎ澄ました演奏で空間を支配する。触れば火傷しそうなほどに覇気に満ちたその様子は、百戦錬磨の巨大な鬼を目の当たりにするようだ。ひりついた音の一つひとつが、天国と地獄は紙一重であるのだと実感させる。

NEMOPHILA

mayu(Vo)

「開花宣言」では瞬発力のある演奏にmayu(Vo)のキュートさと凛々しさを併せ持つボーカルと、美麗なメロディが華やぎ、禍々しくも艶やかな音色が豪快に響いた。その後も「ZEN」「BRAINWASH」と強靭なラウドロックを叩きつけ、その集中力は増すばかりである。最新シングル曲「-業-」はメンバー4人のカラーが惜しみなく表れ、曲を憑依させるように歌うmayuの鬼気迫る姿も目を見張った。

MCでmayuが現体制ラストであることを切り出すと、メンバーはそれぞれの思いを表明する。ハラグチサン(Ba)は「今までの7年間をなかったことにするつもりはない」とメンバーに敬意を表し、「これからmayuと一緒にNEMOPHILAの新しい歴史を作るために精一杯頑張ります。(葉月とむらたたむの)ふたりには感謝しかありません。もっとかっこいいバンドにするべく、新しい人たちとも出会っていきたい」と意欲を見せる。mayuは無言で葉月、むらたたむの元に駆け寄り、熱い抱擁を交わす。それに続いてハラグチサンもふたりと静かに肩を抱き合った。

葉月は「かっこつけてライブをしようと思ってたけど、最初から涙腺がヤバい」と言い、それと同時に涙ぐむ。「しんどかったことや、これできるのかな?ということもみんなで乗り越えてきて……。これから別々の道を歩んでいくけれど、きっと音楽を続けていれば道は交じり合うと思います。最後までみんなと笑顔でいたいから、この日を盛り上げていきましょう」と涙を拭いながら微笑み、7年間の感謝を伝えた。

むらたたむはNEMOPHILAで過ごした7年間で人としてもドラマーとしても成長できたことを明かす。mayuがむらたたむに加入を持ちかけたのは、むらたたむが彷徨うようにソロ活動をしていた時期であったと振り返り、心を通わせて同じ方向を向いて音楽ができる仲間をずっと探していたものの、孤独な日々が続いていたため斜に構えながらNEMOPHILAへの加入を決めたこと、メンバーの人柄に心が洗われていったことを述懐し、「わたしの探し求めていた仲間やバンドがNEMOPHILAでした」と涙ながらに語った。そして「ハラちゃんとmayuちゃん、iKAちゃん、葉月ちゃんの輝く姿、そしてわたし自身も輝けるように頑張る姿をこれからも応援してくれるとうれしいです」と呼びかけた。

ハラグチサン(Ba)

 「それぞれのこれからの道がいいものになりますように。次やる曲はそういうことをポジティブに歌った曲です」とmayuが言うと、「RISE」でライブを折り返す。前半にあった殺気だったムードは鳴りを潜め、彼女たちの持ち味である“地獄のゆるふわ”と予測不能な遊び心に満ちたポジティブ系バキバキサウンドが戻ってきた。説得力に満ちたグルーヴには様々な物事を乗り越えた7年の歳月が滲み、それを発揮する土台が整ったと言わんばかりの抜けのいい演奏で魅了する。

むらたたむ(Dr)

葉月(Gt)

その後も「Just Do It!」「VS EGO:」と己の気持ちを素直にあらわにしながらも音を通して心を通わせ、5人で積み上げてきたもの、4人で切り開いてきたものをすべてぶつけるようなきっぷのいい演奏でフロアを揺らす。そして「鬼灯」「雷霆 -RAITEI-」とさらにその熱を高め、本編を1stシングル曲「OIRAN」で締めくくった。ハラグチサンのベースソロから葉月のギターソロへとしなやかにつなぐ展開、葉月とiKAのツインギターなど、5人編成ならではの豪華絢爛なライブ運びは大輪の花火のように輝かしかった。

アンコールでmayuが「最後の最後、一発かまします。でも天フェスなので、明るく終わります。明るいけど暴れられますよ」と言うと、客電で晴れやかに照らされるなか1stフルアルバムの表題曲「REVIVE」を届ける。天フェスに出演した3バンド、ここまで支えてくれた人々への感謝が漲る、非常にすがすがしいラストだった。

記念撮影のシャッターの合図の言葉は、葉月の提案で「大好き!」に決まる。大きく響き渡る「大好き」の声で再度幸福感に包まれると、mayuは現体制で制作した5曲入りEP『道唐草』を12月9日にリリースすることを発表した。そして再度3バンドと葉月、むらたたむに感謝を告げ、葉月も「これからもNEMOPHILAをよろしくお願いします」とその思いに応えた。天フェスは天極であり天国。この日はNEMOPHILAが新たに生まれ変わる潮目になったとも言えるかもしれない。彼女たちが果敢に挑戦し続けた7年間と、それぞれの未来へ思いを馳せた。

SET LIST ※出演順

NEK!
01. MAZE
02. Fool
03. Scrap Book
04. MUTE
05. ENDLESSGAME
06. GiMMiCK
07. Get Over
08. MAGiC VoX
09. Dreams!!!!

TRiDENT
01. KICKASS
02. メイヒテンセイ
03. Haha!
04. Candle
05. NEO FUTURE
06. NEW ERA
07. CRY OUT
08. be with you

East Of Eden
01. Telepathic
02. Shooting Star
03. Ghost Sequence
04. Chasing The Moon
05. IKIZAMA
06. Evolve (Rising Tour ver.)

NEMOPHILA
01. アナタダレ (Intro long Ver.)
02. OSKR
03. 開花宣言
04. ZEN
05. BRAINWASH
06. -業-
07. RISE
08. Just Do It!
09. VS EGO:
10. 鬼灯
11. 雷霆-RAITEI-
12. OIRAN
ENCORE
EN. REVIVE

公演情報

DISK GARAGE公演

NEMOPHILA

NEW EP『道唐草』&Blu-ray『アナタダレ FINAL CUT』

2026年12月9日(水)Release!
≫詳細はこちら

East Of Eden

East Of Eden Special Live 2026 〜 ALL IN 〜
2026年12月5日(土)KAAT 神奈川芸術劇場

East Of Eden Premier Live 2027 〜 a starry night 〜
2027年1月30日(土)昭和女子大学人見記念講堂

NEK!

NEK! LIVE TOUR 2027
2027年1月10日(日)大阪・ESAKA MUSE
2027年1月17日(日)神奈川・F.A.D YOKOHAMA
2027年1月23日(土)福島・郡山Hip Shot Japan
2027年1月24日(日)宮城・仙台MACANA
2027年1月31日(日)千葉・LOOK
2027年2月10日(水)東京・Spotify O-nest
2027年2月13日(土)愛知・豊橋 club KNOT
2027年2月14日(日)愛知・名古屋 CLUB UPSET
2027年2月27日(土)福岡・DRUM Be-1
2027年2月28日(日)長崎・ホンダ楽器 アストロスペース
2027年3月13日(土)北海道・BESSIE HALL
2027年3月22日(月・祝)東京・LIQUIDROOM

TRiDENT

TRiDENT Yeeet! TOUR 2027
2027年1月9日(土)愛知・NAGOYA JAMMIN’
2027年1月16日(土)大阪・OSAKA MUSE
2027年2月13日(土)東京・LIQUIDROOM

  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

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  • 撮影

    佐藤広理(NEMOPHILA,East Of Eden,NEK!)

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  • Kota Aoki(TRiDENT)

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