
リーブル 1st LIVE 2025 ”お初にお目にかかります” with cross-dominance
2025年12月17日(水)渋谷PLEASURE PLEASURE
暗転し、まずはリーブルの音楽制作にも関わるプロデューサー・Ryo'LEFTY'Miyata率いるcross-dominanceが登場。そこに木下陽介(以下、陽介)が加わって音を重ね、最後にみゆうが笑顔で姿を現す。一瞬の静寂のあと、陽介の鍵盤とみゆうの歌から始まる「彩る」でライブをスタートさせた。
みゆうののびやかかつ透き通った歌声と、コーラスで寄り添う陽介のハーモニーが、タイトルどおり会場を彩っていく。最初は少し緊張感が漂っていたものの、アップテンポなサウンドにオーディエンスも手拍子で応え、すぐに会場は温かな雰囲気に。「愛は止まらない」「花とあなた」とリーブル印のポップスを届けながら、ふたりの顔も綻んでいった。
「やっとリーブルの曲を生でお届けできることを嬉しく思います。今日はどうぞよろしくお願いします!」――陽介
挨拶を挟んで、「逃避行」の最初のボーカルを担うのは陽介。みゆうはポエトリーリーディングのような歌唱法も駆使して言葉を畳みかける。それぞれが表現力豊かなボーカルである点は、リーブルの大きな武器だ。続く「Sunday」ではヘヴィなギターアプローチを取り入れるなど、音楽性もどんどん多彩になっていく。のちのMCで陽介が「初めてだから、みなさんリーブルのライブどんな感じかなって模索してると思いますけど……(笑)」と話していたが、それも陽介が作詞作曲を手掛ける楽曲の幅広さゆえだろう。みゆうが「私が誘導させていただきます(笑)」と冗談めかしつつ、「次は身体を揺らして踊る曲だから!」と告げて「問いボックス」へ。
cross-dominanceが生み出すグルーヴに乗りながら、ふたりともハンドマイクスタイルで歌唱。リズミカルな掛け合いのツインボーカルで会場を巻き込んでいく。木下が華麗なキーボードソロを披露したあと、今度はみゆうの前にスタンドマイクが用意され、ミドルテンポの「水縹」に繋いだ。
みゆうが繊細に表現するのは、失った恋心とそれでも続いてく日常。陽介が綴るなにげない描写が心の琴線をくすぐり、優しい音とともに染み渡った。続く「ワンルーム」では、かけあいで恋人同士の会話を表現しながら、終わりゆく恋模様を切なく歌い上げた。
そこから、みゆうがアカペラで歌い始めたのは、新曲「ロスタイム」。当日0時の配信を前に、ライブで初お披露目となった。透明感溢れるハイトーンから力強くエモーショナルな歌声まで、緩急をつけたドラマチックな展開に惹き込まれる。ストリングスを取り入れた緻密なアレンジも印象的で、リーブルの音楽の幅をさらに拡げる1曲となるだろう。
「リーブルはじめましての人が多いと思うので、ノリ方がわからなかったり、曲がわからなかったりするかもしれないけど、自分らしく楽しんでもらえたらうれしいです」――みゆう
「♪僕らは独りよがりだ」と赤裸々な想いを込めた「言って」を経て、cross-dominanceのメンバーがステージを降り、陽介とみゆうだけのアコースティックパートへ。
専門学校で誕生したリーブルにとって、このスタイルが原点だ。陽介曰く「負けず嫌いなふたり」がどんなふうに出会って結成したかをトークで振り返り、他のユニットに負けたくないがゆえに作りまくったという当時のオリジナル曲から、「宇宙飛行士」が演奏された。ピュアな初期衝動が息づくラブソングが、初のワンマンライブで歌われることになるとは、ふたりにとっても感慨深いに違いない。さらに、ストリートライブで歌っていたという尾崎豊「I love you」のカバーを添えて、アコースティックパートは終了。陽介の優しい鍵盤の音色と、みゆうの息づかいをしっかり味わえるアコースティックスタイルは、きっとこれからもリーブルの核であり続けるはずだ。
cross-dominanceのスリリングなインプロビゼーションを挟み、ライブは後半戦に突入。「みんな、踊るぞー!」とステージに飛びだしてきたみゆうが「私のルーツ、マイケル・ジャクソンをカバーしました!」と紹介したのは、「Love never felt so good」だ。カッティングギターが牽引するファンキーなビートに乗り、のびのびと歌うみゆう。バンドアンサンブルがどんどん熱を帯びる中、陽介も負けじと「ラストスパートでございます! 自分の気持ちいいノリ方でノッてください!」と前のめりな姿勢で煽っていく。そんな彼のキーボードソロとラップが炸裂する「Sing」、観客がタオルを振って盛り上がった「kiyo」と畳みかけ、会場の一体感はピークを迎えた。
「みなさんも辛くて負けそうな時あると思います。僕もそうです。頑張って乗り越えた者同士、またリーブルのライブで会えたら幸せです!」――陽介
「今日は本当に来てくれてありがとうございます! 仕事を早く切り上げてくれたり、遠くから来てくれたり、それが当たり前じゃないってことは私たちもわかってます。必ず生きてまた会いましょう!」――みゆう
熱い感謝の想いを「空中ブランコ」のポジティブなサウンドに乗せて届けたふたり。きらきらと輝くようなメロディが降り注ぎ、フェイク部分でみゆうが客席にマイクを向けると温かな大合唱が湧いた。そのままラストナンバー「1 UP」に入り、「みんな一緒に歌ってくれるかな?」というみゆうに応えて、オーディエンスがさらに大きな声を返していく。その光景を笑顔で見渡しながら高らかに歌い上げた。
「♪僕たちが毎日を そう変えていけばいいのさ/どんなことがあっても この先も 君の味方だ」
今この瞬間を共有している喜びをお互いに噛み締め、ステージにも客席にも笑顔が溢れるフィナーレとなった。
写真撮影を終えて会場が明るくなってもなお、アンコールの手拍子が鳴り止まない。その声に応えて、「アンコール、用意してないよ~」とはにかみながら再登場。ふたりで相談した結果、1曲目の「彩る」をアコースティックバージョンで贈った。緊張感をともなった1曲目の「彩る」とはまったく違う力強い響きに、この日のライブを通してリーブルが大きく進化を遂げたことが伝わってくる。みゆうが高く手をさしのべて「♪その先に行こう」というフレーズで締め括り、ライブは本当のエンディングを迎えた。
去り際に「始まったばっかりだからね、よろしく頼むね!」とみゆうが言っていたとおり、今夜は始まりの一夜にして、リーブルにとってはひとつの通過点に過ぎない。ここから先へ進んでいくふたりの物語に、ますます期待が高まる。


















