RENAISSANCE CLASSICS『麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025』
2025年6月28日(土)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
今年10周年を迎える人気声優ユニット“TrySail”としても活躍中の麻倉ももが、2024年、世界遺産である奈良・薬師寺で行なった<麻倉もも SYMPHONIC CONCERT in薬師寺>公演からさらにパワーアップ!4月から自身初となるフルオーケストラとコラボした豪華コンサートツアー<麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025>に挑んでいる。普段のライブでは味わえない貴重な公演として、ファン大絶賛の本ツアーのなかから、ここでは麻倉の誕生日をオーケストラとファンでお祝いする盛大なサプライズがあった6月28日(土)埼玉・大宮ソニックシティ大ホール公演のレポートをお届けする。こちらのツアーは7月26日(土)、東京・東京文化会館大ホールにおいてグランドファイナルを迎える。
*曲名等のネタバレもあるのでご注意下さい
いつもは「もも組音楽隊」や「もも組ダンサーズ」を引き連れて歌って踊り、オーディエンスも飛び跳ね、コール&レスポンスを入れてみんなで創り上げるアクティブなライブを行う麻倉もも。本ツアーでは、その真逆にあるような施行のコンサートに挑戦しているという。フルオーケストラを従えてのツアーは麻倉自身、今回が人生初となる。今後もなかなか見ることができないプレミアムなコンサートということで、会場には海外からも含め、日本各地から多くのファンが集結。最初から最後まで、いままで見たことがない麻倉ももの新たな一面がたっぷり堪能できる濃厚で、味わいのある公演となっていた。
オーケストラとのコンサートということで、開演前のいつものBGMはなし。クラシックの公演のように、客電がついたなか、まずは今回演奏をつとめる国内外の名手たちが集結したRENAISSANCE CLASSICS ORCHESTRAの面々がステージに登壇。演奏前にそれぞれが“ラ”を鳴らして音をチューニングしていく。そのあと、欧州で活躍中の本ツアーのマエストロ・栁澤寿男氏が現れると大拍手が巻き起こる。そうして、オーヴァーチュアとして聞こえてきたのは、なんと「さよなら観覧車」だった。弦楽器、木管、金管、打楽器、ピアノにハープなどフルオーケストラならではの楽器を使った迫力あるサウンドと、繊細で奥深い音色で届けられる「さよなら観覧車」はせつなさが倍増。オーケストラアレンジで、既存曲の新たな魅力に出会えるのも本ツアーの見どころだ。演奏が終わると、下手から麻倉ももが普段は着ないようなグリーンのドレス姿で優雅に登場!いつもとは違う衣装、いつもとは違う静かな雰囲気をまとったたたずまいに、観客は驚きながらも、周囲からは大きな拍手が沸き起こる。続いて「ユメシンデレラ」の歌唱がスタートすると、オーディエンスはオーケストラということで自分の席にキチンと着席したまま観覧を続ける。この曲でおなじみの「なあに?」、「どうぞ」のコールはメロディックなフレーズとして楽器が演奏する。オーケストラというとどうしても格式ばった印象を抱きがちだが、このようにファンの気持ちを心得た華やかなポップスアレンジでサウンドを楽しませてくれるのも今回のツアーの特徴といえる。対して、「Agapanthus」などは、この公演で初めてオーケストラを聴くという人も「これぞフルオーケストラ」という重厚なサウンドを浴びて、心底感銘を受けるはず。
そんなコンサートのなかで、いつもと変わらないものもある。それは麻倉のMCだ。この日もトークは絶好調。ここではまず衣装の話題に触れた。前回の兵庫公演は、オーケストラコンサートということでフォーマルなスーツを着ているファンが多かったと告げ、Tシャツなどラフな服装が多かったこの日の客席を眺めながら「スーツ少なっ!」といいつつも「リラックスできるもんね」とフォロー。また、自身の緑色のドレスについて「なんで緑か分かる?」と投げかけ「夏だから」など客席の声を次々と拾っていきながら、いつもの軽妙なトークを展開。マエストロを始め、正装でビシッときめたオーケストラの演奏者たちが、麻倉とファンのトークに耳を傾けながら、思わず笑っている光景を見るのも楽しかった。ちなみに、ドレスを緑色にした理由は「さいたまだから」(映画『翔んで埼玉』のセリフと生産日本一のねぎから)だそうだ。
そうして、コンサートは様々な音楽用語を歌詞にフィーチャーした「恋のプレリュード」から、1つのラブストーリーを味わうようなラブソングブロックへと突入していく。オープニングのオーヴァーチュアで演奏した「さよなら観覧車」、続けて、いままでバンドでは披露していなかった「今すぐに」を歌ったときは、この瞬間のためにあのMVを撮ったんじゃないかと思うほどドラマチックで、麻倉のせつない歌声も相まってファン感涙の場面となっていた。
今回のツアーはクラシックコンサートのように、途中に休憩タイムがある。そのあと、ライブは後半戦へと突入。ここでは、ハイトーンやファルセットを使ったピュアな歌声で、隠れた名曲(といって曲紹介をしていたら、ファンに「隠れてない」と怒られたそう)も披露される。
MCでは、先日誕生日を迎えて31歳になったことを告げた麻倉。誕生日当日に行なっていた生配信にファンから届いたコメントに対して「モノ申したい」と意気込むと「31歳なのに綺麗とか、31歳なのにかわいいとか。“なのに”いる?」とファンをぴしゃり(笑)。「次のシングル(7月30日にリリースの15thシングル「めいきゅーらぶみー」のこと)も31歳ではあまりしない可愛いに振りきった格好してますけど、ファンタジーですから」と伝えると、会場は笑いに包まれていった。そのあとはそのテンションのままコンサートが再開。ウキウキするようなアレンジに合わせて、客席からはクラップも上がり、ステージと客席が一体となって本編は楽しい雰囲気のまま終わりを告げた。
アンコールでは「せっかく呼んでいただいたので、もう1曲お届けします」といって麻倉が曲のイントロを待っていると、ハープの音色からいきなりバースデーソングの演奏が始まり、客席は自然とそのオーケストラの演奏に合わせて大合唱を繰り広げていく。そうして、下手からはスタッフがカートにのせて大きなケーキを運び込んできて、麻倉の誕生日をみんなでお祝いした。こちらの演出は、本人には完全シークレットのサプライズだったらしく、麻倉は「えー!」とびっくりしたような表情を浮かべながら大喜び。「予定にないハープの音が聞こえてきて焦りました」といったあとは感謝の気持ちを告げ、ケーキとともにみんなで記念撮影を行なった。そうして、最後はとびきりスペシャルなアレンジを施し、このツアーでしか聴けないバージョンに新しく進化を遂げた「花に赤い糸」を、この曲にぴったりすぎる印象的な照明とともに届けてアンコールは終了。歌い終えた麻倉は下手や上手まで移動して最後の挨拶を届け、笑顔で舞台を後にした。麻倉が姿を消した後も、マエストロ、オーケストラに向けてファンから盛大な拍手が送られこの日のコンサートは閉幕した。
そうして、残念ながらこのツアーも残すところ1公演のみとなってしまった。7月26日(土)に迎えるグランドファイナル公演の舞台は、毎年数多くの世界的オペラやバレエ公演が行なわれている東京文化会館 大ホールとなる。こちらの公演も、埼玉公演と同様にマエストロ・栁澤寿男率いるRENAISSANCE CLASSICS ORCHESTRAとの共演となる。
麻倉ももの貴重なこのコンサートが見られるチャンスはこれがラスト。ぜひとも、東京文化会館の扉を開けてみて欲しい。その扉の奥で、想像を越えるような麻倉ももの新しい世界がみんなを待っている。
#麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025
埼玉公演にお越しいただいた皆さま、ありがとうございました🩷
本人もビックリのバースデーサプライズ、皆さまと一緒にお祝いできてとびきり素敵な時間となりました🎂次回は東京公演にてお会いしましょう👗https://t.co/pqk9EigKHd#MomoAsakura pic.twitter.com/oi9VA1Coeg
— 麻倉もも Momo Asakura official (@Asakura_Staff) June 28, 2025