-真天地開闢集団-ジグザグ、ツアーファイナル禊は初の横浜アリーナで開催!会場中が幸せな一体感に包まれる

ライブレポート | 2025.01.16 19:00

ホールツアー2024「全国開闢禊 -天ト地-」
2024年12月24日(水) 横浜アリーナ

-真天地開闢集団-ジグザグが12月24日(水)のクリスマス・イヴに横浜アリーナにて『-真天地開闢集団-ジグザグ ホールツアー2024「全国開闢禊 -天ト地-」』のファイナル禊を開催した。11月20日(水)の神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホールを皮切りに全国12箇所を廻ったホールツアーの千秋楽で参拝者は想像を超える禊を体感することになった。最新EP『Gran ∞ Grace』の楽曲たちはパワーと説得力を増し、イヴにピッタリのスペシャルナンバーも披露。会場いっぱいの慈愚挫愚ノ光 <全国開闢禊 -天ト地-> (ペンライト)が波のように揺れ、まさかのトロッコに乗って場内を1周する楽曲も──。文字通り、幸せな一体感に包まれた。

開演直前に慈愚挫愚ノ光の使用方法などを説明したメンバーによる場内アナウンスが流れ、拍手と大歓声の中、禊は壮大なナンバー「天(ama)」で幕を開けた。影丸(Dr)、龍矢(Ba)、サポートの菅野尋(Gt)に続いてステージ上部に配された鳥居から命(Vo&Gt)が登場し、揺れる幾つもの炎。ダイナミックな演奏、現世への憂いや祈りが込められたボーカルはその声量も含めて圧巻としか言いようがない。続いて、命がセンターの花道に移動し、くるくる舞うような動きで歌ったダンスナンバー「Dazzling Secret」へと。命が「横アリ! 拳上げろ!」と煽った「Cry Out -victims-」ではスモークが派手に噴射され、ラウドかつ美メロのハイブリッドな楽曲が参拝者の熱を上げていく。楽曲によって色を変えていくペンライトの光の海のような景色、席が遠くても楽しめる演出も含めて横浜アリーナという空間を見事に活かしていたのがこの日の禊でもあった。影丸のタイトで力強いドラミングで始まるシャッフルナンバー「あいのかたち」では龍矢のベースのフレーズを合図にデスメタルに移行する展開にヘドバン続出。

「横浜アリーナにようこそ! 本日は最終公演と同時に、クリスマス・イヴでございます! こんな大事な日にこんなところに来ちゃって(笑)。クリスマス・イヴ・デート、イチャイチャしようぜ! 雪やらの交通事情で来られなかった人もいるかもしれませんけど、今ここにいる人たちで来られなかった人の分までしっかり盛り上がっていただきたいと思います」
初参拝者のために「頭!」と叫んだらヘドバン、「たため!」と言ったら前屈など禊の決まり事を伝授。注意事項にも触れ、場内を沸かせる命。

「そうは言いましたが、私、ガンガンに煽りますので、やるかやらないかはあなた次第。ジェットコースターに乗るか乗らないかはお任せします」と早速、「頭!」、「たため!」と叫ぶ最新EPで最もヘヴィな「Schmerz」を投下し、参加型ナンバーを連投。命の合図で座って再び立ち上がるのがお約束の「燦然世界」はレーザーが飛び交う演出の中、命は花道先端で盛り上がる参拝者を見て「最高だね」と笑顔を見せた。そのままギターをかまえ、ライブ定番曲「夢に出てきた島田」では「島田!」「in my bed」のコール&レスポンスが繰り広げられ、メインステージに戻ってギターソロを弾きまくり、龍矢と菅野は背中合わせのパフォーマンス。

会場を見渡して「やー、でかいね! 来てくれてありがとうございます。よかった! すっからかんじゃなくて」と命が笑い、命がおまじないをかけると喋れるようになるという設定(?)の影丸は「ヒュー! ヒュー! 横浜アリーナ!」といつもどおりのハイトーンボイス&ハイテンション。初禊の人がどれくらいいるのか会場に問いかけ、手を挙げた参拝者たちに「嬉しい!」と叫び、2回以上参拝した人たちの挙手の多さに「こんなにおるの?」と驚く。命は後ろを振り向いて、「この素晴らしいセット見てください」と参拝者たちがたくさん訪れてくれるからこそ完成したと感謝。「こんなビッカビカに光る鳥居見たことないでしょ?」と自慢気だった。

「今、私、とても幸せな気分なんですけど、4〜5年前は(コロナ禍で)いろいろあって絶望に打ちひしがれていて、そんな時に“いつか、こんな未来が来たらいいな”って書いた曲があるんです」と前置きして披露されたのは光射す未来を春の訪れに例えた「さくら さくら」。和のテイストが絶妙に盛り込まれたポップチューンが響き、アリーナ一面に揺れるピンクの光がまるで桜の花のよう。命が奏でるイントロのギターのフレーズにキュンとする「兎 girl」は跳ねるビートと甘酸っぱいメロディのブレンドが絶妙で場内に参拝者の歌声が響きわたった。ジャンルは言うまでもなく洋楽と邦楽の境界線をも消失させるジグザグ世界はまさに命の言う通り、ジェットコースターのように刺激的で愛に満ちている。

中盤のトークでは影丸が「もう感極まってます」と感謝の言葉を伝えると龍矢も「こんなに素敵なクリスマス・イヴはないですよ。自分の人生でこんな場所でクリスマスを過ごす日が来るなんて」と感無量。3人それぞれがプロデュースしたグッズ紹介も挟み、アリーナは再び熱い空間に。“何度だって蘇れ この地獄の片隅に” と歌うアッパーチューン「Drip」を投下し、「横アリ、最高ですか?」と最低な日々の出来事を笑い飛ばす「最高だZ」では命が上手からトロッコに乗り、客席を1周しながら歌うサプライズで熱狂の渦に──。おなじみのZポーズをキメ、花道先端では龍矢がベースソロで盛り上げる。その演出には驚くと同時に、命がトロッコに乗っても例え空中を飛んでも違和感がないのがジグザグの禊だとも思った。

龍矢

そしてアドレナリン噴出の参拝者をさらに加速させたのは、命が片手にネギを持ってダンスで煽る本ツアーおなじみのオールドスタイルのロックンロール「バリネギ -sexy green onion-」だった。緑一色に染まる客席を見て「すごいネギ畑やな。ネギ振れるか?」と叫び、ペンライトを振りまくる参拝者たちに「まだまだ」とダメ出し。「もっと立派なネギ振り師になって欲しいんだよ!」と謎のリクエストを出し、花道の先端で煽るロッケンロールは終わらない。参拝者一同、2024年のストレスを全力で発散する勢いでペンライトを振ることに。半ば燃え尽きた後に贈られたのが、クリスマス・イヴにふさわしいロマンティックなバラード「E.v.e」だった。白い雪が舞い落ちる演出も嬉しい反則技(?)に参拝者からは「おおおお!」という歓声と感動の拍手が降り注いだ

しかし、ジグザグからのスペシャルな贈り物はまだまだ終わらない。恒例となりつつある弾き語りコーナーではアコースティックギターをかき鳴らしながらシンガーソングライターに扮した命が登場。花道を歩き、「-真天地開闢集団-ジグザグの禊のお時間を拝借しまして、私、歌ってもよろしいでしょうか」と千秋楽はクリスマス・スペシャル。ハンドクラップの中、「赤鼻のトナカイ」から「きよしこの夜」(一部、歌詞を変えて沸かせる)へと。が、このコーナーは王道クリスマスソングだけでは終わらなかった。命曰く、前世の記憶では中2ぐらいの時に作ったというオリジナル・クリスマス曲が本邦初公開されたのだ。そのメロディは若き日に作ったとは思えないほどポップで完成度が高く、命の衣装がいつしかサンタの衣装に見えてくるほど。「あの日のあの少年に“オマエ、この曲、横浜アリーナでやるぞ”って言ってやりたいですね。ファンタジーやな。ありがとう」と締め括った。

命が捌けると影丸のドラムソロ。左右のスクリーンで大映しになると、その華麗なスティック捌き、テクニカルなプレイが聴覚のみならず視覚でも伝わってくる。参拝者もその凄腕に歓声と拍手を送っていた。

影丸

禊もいよいよ後半戦に突入だ。遅かれ早かれ、どうせ散るんだから夢を見ようというメッセージソング「あっぱれ珍道中」から鳥居もペンライトもレインボーカラーとなったエレクトロダンスチューン「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」は“老いも若きもおどらにゃそんそん”の精神。そして暗転すると3人が猫耳をつけてのキラーチューン「拙者忍者、猫忍者。~木天蓼三毛蔵と町娘おりん~」ではサポートの菅野を含む4人が2つのトロッコに分かれて盛り上げる。これまた横アリならではの演出で楽しませた。そして参拝者が笑顔満開になった後は名バラード「傷と嘘」を届け、心溶かす歌と演奏に感涙のまたもや不意打ちの展開。会場に溢れる参拝者の歌声。幾多の感情を溢れ出させるジグザグの禊はこれだからやめられない。命がこの曲についての想いを語り、終盤戦はジグザグの禊の基盤を作ったとも言えるナンバーを続けて披露。花道から戻ってきた命にテンションが上がったのか、影丸がドラム台を離れて前に飛び出す一幕もあった代表曲のひとつ「きちゅねのよめいり」で思いきりはっちゃけ、「かわいい横アリもいいけど、そろそろカッコいい横アリ見せてもらっていいですか!?」と「復讐は正義」では火柱が上がり、ヘヴィな演奏の中、タッピング奏法も飛び出し、デスボイスで爆発。再び、場面は転換。約束の曲「Promise」はシンガロングとなった。

撮影タイムを挟んで禊の終焉を惜しむ参拝者に命がメッセージを届けた。
「いつも言いますけれど、別にさよならじゃないんでね。この後、もちろん、我々、みなさんの夢に出ますしね。いや保証はしませんけど。でも、出なかったとしてもいつだって我々の曲を聴いてもらえれば、あなたの心の中に登場しますから、寂しくないだろ? いつだって我々は一緒。そうだろ!?涙はなしで最高の笑顔でハッピーにお別れしましょう」。
ラストは“ハッピーエンドは君のおかげ”と歌う「Nighty night!」。後半では銀テープが場内に舞い、命は「ありがとう!」と何度も絶叫。会場にも「ありがとう!」という感謝の声が飛び交った。

やがて暗転し、ほの暗いステージの鳥居に3人が集合。命の「愚かな者に救いの手を!」という叫びが響きわたるエンディング。興奮冷めやらないまま、明るくなった会場のスクリーンには“メリークリスマス”のメッセージと共に描いたイラストが映し出され、会場を出た後も、横浜アリーナのハイヴィジョンにはジグザグが踊りながらクリスマスを祝う動画が参拝者を見送った。激しい曲も切ない曲もかわいい曲も全力。今を生きる参拝者たちにエネルギーを送り、浄化させるジグザグの禊。これからも参拝者が増え続けるに違いない。

SET LIST

01. 天(ama)
02. Dazzling Secret
03. Cry Out -victims-
04. あいのかたち
05. Schmerz
06. 燦然世界
07. 夢に出てきた島田
08. さくら さくら
09. 兎girl
10. Drip
11. 最高だZ
12. バリネギ -sexy green onion-
13. E.v.e
命 -mikoto- 弾き語り
影丸 -kagemaru- Drums Solo
14. あっぱれ珍道中
15. JAPPARAPAN ~Japanese Party~
16. 拙者忍者、猫忍者。~木天蓼三毛蔵と町娘おりん~
17. 傷と嘘
18. きちゅねのよめいり
19. 復讐は正義
20. Promise
21. Nighty night!

ホールツアー2024『全国開闢禊 -天ト地-』セットリスト
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