SATOKO、CD付き絵本出版&ソロライブ開催。多彩な才能を発揮する凄腕ドラマーの創作への想いに迫る

インタビュー | 2018.10.04 17:00

アナログで原始的、それが今の私のテーマ

──ところで、11月には愛着があるんでしょうか?
えっと、最初はそれほどでもなかったんですけど、それがいつしか、これほどまでに守ることになってしまいました(笑)。いろいろな文化が入ってくることで、日本の風流なものが失われていくような気がするんですよ。明らかに間違っていることやよくないこと、戦争がなくなるとかだったらよいと思うんですけど、“ただそうだっただけのこと”までもがなくなってしまっているような気がするんです。例えば、音楽は、今はMP3の音源をスマホで聴くのが主流になっていますよね。私はカセットテープに好きな音楽を録音して聴いていた世代で、好きな音楽を聴くために必死になって録音したりしていたんですけど、今はYouTubeで検索すれば造作もなく見つけられて聴くことができる。それは便利でよいですけど、でも、聴きたい音楽を必死になって探して聴くってことがなくなるのはどうかなって。便利になることで消えていくものもあって、その中には“風流なもの”もあると思うんですよね。
──確かに便利ならばよいというわけでもないですよね。
そうですよね。この『11月を守る本』にしても、そんな便利で楽ちんなものではなくて、アナログなものが作りたいなと思ったんです。CDはプレイヤーに入れないと聴けないし、本はちょっとかさばったりもするし、ページを自らめくらないと読めない。CDも本も売れなくなったと言われる時代に、完全に時代錯誤かもしれないですけど、でも、ページをめくるドキドキ感を感じてもらえたらいいなと思っています。人間、いつ死んでしまうかわからないわけで、これが遺作になるかもしれない。私が死ぬ瞬間に“これが作れたから後悔はない”って思えるかなと考えたら、やっぱりこういうモノを作りたいなと。なんて言いつつ、次の作品はめちゃくちゃデジタルなものかも知れないですけど(笑)。
──10月に東京、11月に京都で開催される個展は、どんな内容になるのでしょうか?
5回目の個展になるんですけど、絵本の原画を展示販売します。絵は1点モノなので……リトグラフなら、複数枚作れますけど、それでも数は限られていますよね。だから、この絵が欲しかったのに、先に買われてしまったっていうことがあるんですよ。でも、絵は持っていないと見ることができない。CDや本はたくさん作ることができるので、多くの人が持つことができますけど、絵はそうじゃない。私も、売れてしまったらもう見ることができません。そういう意味で、すごく縁を感じるものだと思うんですよね。アナログなものが作りたいって言いましたけど、絵は究極にアナログな世界かもしれないですね。原始的だと思います。アナログで原始的、それが今の私のテーマなのかも。
──ちなみにいつ頃から絵を描いているんですか?
子供の頃から。意外と美術の成績は良かったので、向いているんだと思います。母と美術展に行って“アンタの絵も行けるんちゃう?”なんて言われて、“そうかなあ”なんて、その気になったり(笑)。それで、何年か前に、吉田美和さんのバースデイパーティーがあって、プレゼントに困ってしまって。美和さんはもう何でも持っていると思うんですよ。好きな服も持っているだろうし、私が選ぶのもおこがましいし。じゃあなぜプレゼントをするんだろうと考えたら“愛している、いつもありがとう”という気持ちを伝えるためだなと思って。気持ちが伝われば、あとはポイっと捨ててしまってもいいものがよいなと。それで小さい紙に絵を描いてプレゼントしたんです。そうしたら、美和さん、涙ぐんで喜んでくれて。ベッドルームに飾ってくれているみたいで、捨ててもらっても構わないって思っていたくらいなので、すごく嬉しくて。そのうち、今年も絵がいいなってリクエストされるようになりました(笑)。それで美和さんに、私はあなたの絵が素敵だと思うから、個展とかやったらいいと思うよって言われて、それがきっかけなんですよ。

──そして11月3日には、初のワンマンライブ<11月を守るライブ>も予定されています。どんな内容になりそうですか?
まだどんな内容になるかは未定で、『11月を守る本』が世に出て、みなさんの反響を見てから内容は詰めていきたいなと。まあ、その時の心のままにやりたいなと思っています。CDに収録されている曲は全曲やるつもりです。というか、私、これしかないので(笑)。この12曲をやらないで何をやるんだってことですよね。
──ドラム・ソロはやらないんですか?
ドラム・ソロって好きじゃないんですよ。
──本当に!?でも得意ですよね?
得意なのかなあ。本当に気持ちが乗ったらやりますけど、あらかじめここでソロをやろうっていう風に決めてやったことはないです。考えてみると、私はいつも何も決めていないですね。朝起きて漠然と今日を迎えているというか。でも、後悔はしたくないので、これでいいんだと思えるように過ごしているつもりです。えっと、そういう感じなので、何も決めてはいないんですけど、全力で、命がけでやることだけは確かなので、それだけは約束します!

SATOKOが表紙を描き下したDI:GA10月号配布中!
オリジナルイラストのチケット封筒も♪

2018年11月4日(日)までの期間限定ダウンロード配布!

公演情報

DISK GARAGE公演

SATOKO「11月を守るライブ」

2018年11月3日(土・祝) 品川プリンスホテル クラブeX

チケット一般発売日:2018年9月10日(月)

※未就学児童のご入場は出来ません。

RELEASE

「11月を守る本」

絵本

「11月を守る本」

2018年10月11日(木) 発売
(DCT entertainment, Inc.)
※【絵本+音楽CD】¥4,500(税別)
⇒詳細はこちら

絵本内容:「11月を守る僕」、「うんこの話」、「泡と雲の話」、イラスト、詩入り

CD参加ゲスト:
稲村太佑(アルカラ)、岩崎太整、浦嶋りんこ、Eliana、大黒摩季、大島こうすけ、
KenKen(LIFE IS GROOVE, RIZE, Dragon Ash)、坂本竜太、JUON(FUZZY CONTROL)、
JOE(FUZZY CONTROL)、DAITA、TAKUYA∞(UVERworld)、
DURAN、光永泰一朗、湯本淳希(FIRE HORNS)、ROLLY 他 (五十音順)

INFORMATION

■個展情報

【東京】
SATOKO’s exhibition 2018 in Tokyo
<DORAMU TO AATO ~ドラムとアートの個展3~>

2018年10月11日(木)~10月17日(水) 原宿 ART・IN・GALLERY
月~金 12:00-21:00
土~日 11:00-21:00
*10月11日(初日) 12:00 OPEN
*10月17日(最終日) 16:00 CLOSED

 

【京都】
SATOKO’s exhibition 2018 in Kyoto
<DORAMU TO AATO ~ドラムとアートの個展3 at京都~>

2018年11月16日(金)~11月19日(月) 京都・GOKAN Musicbar
11月16日 19:30~
11月17日 15:00-22:00
11月18、19日 17:00-22:00
*ご入場時には、お一人様ドリンク代(¥500/1杯)を必ずご注文いただきます。

 


 

■トークショー&サイン会情報

<SATOKO“絵本 & CD”「11月を守る本」トークショー&サイン会>
【東京】

2018年10月14日(日) HMV&BOOKS SHIBUYA6Fイベントスペース
12:00~
⇒詳細はこちら

 

【大阪】
2018年11月18日(日) HMV&BOOKS SHINSAIBASHIイベントスペース
12:00~
⇒詳細はこちら

  • 取材・文

    竹内伸一

SHARE

関連リンク

最新記事

もっと見る