インタビュー/牧野りえ
幅広い音楽性と共に、高い演奏力・歌唱力に裏打ちされたライブパフォーマンスに定評があり、ライブではもはや名物(!?)とも言える軽快なMCも好評のKra。『宇宙トラベラー』RELEASE LIVE TOUR 2016【あー テンション プリーズ】の終了後も企画モノやイベント等、精力的にライブ活動を続ける中、9月11日にTSUTAYA O-EASTにて「Kra 16th anniversary LIVE【9.11 反抗期】」を開催し、9月24日新横浜NEW SIDE BEACH!!より「Kra LIVE TOUR 2017【ケラる】」をスタート!!そこで“ライブ”にスポットを当ててインタビュー!
──2017年は「Kra『宇宙トラベラー』RELEASE LIVE TOUR 2016【あー テンション プリーズ】」の振替公演から始まり、8月上旬現在すでにたくさんのライブをやってきてますね?
特に7月、8月はヤバくない?対バンも結構やってるので。
ちょっと調べてみましょうか?……(スマホを見ながら)僕のデータでは45本ですね、1日に2回公演も入れて。
──スゴイ!結成16年目にしてなお精力的ですね。
東京のライブの数はそんなに変わってないんですけど、去年くらいから関西でのライブが増えてるんですよね。
あと今年はさらに各々の活動も増えてて。たとえばタイゾだったら
Soanプロジェクトだったり、
元BORNのKのサポートだったり。あとノッティ(靖乃)だったらALL_CALL(NAOKI、靖乃、RENO、Kで結成)だったり。そういう個人の動きも入れたらかなりの数ですね。
──ここにきて各々の活動を行っているのには何か意図が?
たまたまオファーをいただいたのが今年に集中してるっていう。
SoanさんにしろKちゃんにしろ、本当に音楽が好きで本気でやってる人たちだから。そういう人の頼みだから俺もやってるっていうか。よくわからないセッションとかだったらたぶん断ってると思う。スケジュール的に結構キツイときもありましたけど、Kraに何かしら還元できそうだなって思うからこそやってるのもありますね。
──これだけたくさんのライブをやり続いている中で、“ライブ”というものに対する位置づけってそれぞれ変わってきてますか?
俺個人的には昔よりライフワークに近づいてるかもしれないですね。当たり前にあるものになってるっていうか。昔よりもライブの空気感に慣れ親しんでいる自分がいてるんですよね。素の自分でステージに立つっていうことではなくて、平常心で挑めるようになってるなっていうのを去年ぐらいから何となく感じてて。
──平常心で挑めてると周りも冷静に観られそうですね。
当然ライブのときは緊張感があって、それを楽しんでやれてるところもあるんですけど、なんか邪念が減った感じっていうんですかね?そんな気が俺はしてます。それはバンドとしてもそうなのかなって。基本的にKraって、セットリストが決まったらそのとおりに通してやるリハを毎回やってたんですけど。去年の春のツアーから移動も入れたらなかなかのタイトなスケジュールで、リハなしでライブをやることもちょこちょこあって。
──それでも当たり前のような空気感でできてると。
そうですね。当日のリハや移動中に“この曲こういう展開で”とか“この曲のきっかけはこうしよう”って話す中で形にしていく流れが何となくあったんですよね。それは今年に入っても継承されてて。そういうところで自分自身もそうですけど、メンバー各々含めバンドがライブをやるっていうことが当たり前のことになってるなと感じてるのでライフワークなんだろうなって。
僕はライブに対して思うことはあんまり昔から変わらなくて。ただ、ライブやFCのイベントのスケジュールをコンスタントに出せてることが多くなったのがいいなと思ってて。っていうのも、基本的にライブが好きなお客さんが多いから、途切れさせないスケジュールをこまめに出していくべきだなと思うんですよね。
ライブの本数は多いんですけど、ちょうど今やってる【サタデーナイトフィーバー】だったらコスプレライブの企画モノだったり、カラーがちゃんと分かれてるんで。単にライブの本数が多いっていうよりは、お客さんもイベント事が多いなと捉えて楽しんでくれてるのかなっていう。ただ、やってる側としてはあくまで同じライブなので。もちろんライブ前は毎回緊張があるんですけど、なるべく慣れてしまわないように、最近では個人的に自分のカメラでライブ映像を撮ってるんですよ。それを家に帰ってから観るんですけど、そこで自分の動きとかを観て“これいいな”って発見したりっていうことをしてます。
──最近なんですか?
そうですね、2ヶ月くらい前にカメラを買いました。客観的に自分の動きを観ておきたいなっていうのがあって。自分だけじゃなくて、“ここ全体みんないいな”っていう瞬間もありますし。なんか面白いですね。そこで“ここはもっとこうしよう”とか、次のライブにも繋げられるし。
──なるほど。景夕さんは最近、ライブに対してどんなことを感じてますか?
やっぱボーカルとしては声が出なかったら話にならないので、ちゃんと出さなきゃ、出さなきゃっていうのでストレスが溜まるところではあるんですけど。それと同時に、自分の中で“どうや!”っていういい表現ができたときは逆に最高のストレス発散の場所なんですよね。制作だけやってたら病んじゃうような気がするし。ライブはバンドを続けていくうえで必要なものなんだなって最近特に思いますね。
──自身が満足できるライブって、本番前から“今日は良いライブになりそうだな”っていう予感があるものなんですか?
いや、実際にやってみないとわからないですね。リハのときに調子が良くて、その後の本番までのわずかな時間で待ち疲れしてダメになることもたまにあったりするんですよ。
なんかライブってさ、時間に余裕があったり、リハがものすごいスムーズにいって準備万端!っていうときに限っていろいろアクシデントが起こることが多いよね(笑)
──そうですか。また、お客さんの反応によっても変わってくるでしょうし。
お客さんもその日、その日で感情がありますからね。でもちょっとした仕草ひとつで空気が変わったり響いたりするときもありますし。そういうところも楽しみのひとつにはなってますね。