4人全員でいろんな経験を積ませてもらったことで、ライブを楽しむための自分たちのレベルが上がった(延本)
──いま話していただいたようなGOOD BYE APRILの音楽に捧げる情熱は、ライブにも出ているんですよね。『HEARTDUST』のCDのみに収録されている「missing summer」のライブバージョンは、どうやら2024年8月のワンマンツアーのテイクだそうですが、グルーヴの粘り気や弾力がとんでもなくて。
倉品 それ、僕もすごく思うんです。GOOD BYE APRILのライブの音って、もちもちしてるんですよね。もともと延本とつのけんのリズム隊が作るグルーヴにもっちりした要素があって……あんまり他の人からは賛同を得られないんですけど(笑)。年月を経てふたりのもっちりした要素がより絡むようになって、卓史はグルーヴに対して正確にアジャストするタイプなので、リズム隊のもっちりしたグルーヴがそのまま増幅されるんです。
吉田 おまけに倉品の歌もねばねばしてるから、よりもっちりしていくんやろうね。
──ただもちもちしているだけでなく、いかつさもあるんですよね。跳ね返すような張りがあるというか。
倉品 グルーヴに人格や肉体感がありますよね。それは年月を経たから生まれるものでもあり、「曲に尽くす」という意識や気持ちの部分から出てくるものもあるかもしれないです。4人のうちの誰かを支柱にしてみんなが集まるというよりは、真ん中にある曲というものを全員がどうやって自分の持ち味を出したうえで最善の状態でサポートするかを考えているから、そういう要素もグルーヴに出ているのかもしれない。音楽性はパンクではないけれど、精神面にはそういうものはあるのかもね。
延本 4人全員でいろんな経験を積ませてもらったことも大きい気がする。いろんな大御所アーティストさんと一緒に演奏をさせてもらって、9月に稲垣潤一さんと安部恭弘さんのバックで演奏させてもらったときも途轍もなく緊張して(笑)。そういう経験を4人で迎えられたから、4人で一緒に強くなれたんですよね。去年弾いたEPOさんの曲をこの前みんなで合わせてみたら「あれ?うまくなったな……!?」と思ったんですよ。またライブを楽しむための自分たちのレベルが上がった気がしていますね。
延本文音(Ba)
──ほんとGOOD BYE APRILのエピソードやメンタリティは少年漫画みたいですよね。
延本 あははは!4人一丸となって無理難題をなんとか乗り越えても、次々と高いハードルが立ちはだかるんです(笑)。だからどんどん叩き上げられてる気がしますね。
倉品 そういうメンタリティが伝わるのは、やっぱりライブなんですよね。音源のみで愉しんでくださっている方々が「missing summer」のライブテイクからバンドの肉体的な、精神的なものを感じてくださったら、他の曲の聴こえ方がちょっと変わる気がしています。
4人以外の人の音や歌が入ると、4人とも毎回感動するんです。あの喜びは新鮮だし、楽しい(つのけん)
──1月25日から始まる東名阪ワンマンツアー「GOOD BYE APRIL ONEMAN TOUR 2025 "HEART PORTRAIT"」はそれがダイレクトに感じられると思います。名古屋はキーボードとの5人編成、大阪はサックスとの5人編成、東京はキーボードとホーンを加えた8人編成と、それぞれで演奏編成が異なるというかなりチャレンジングな内容です。
延本 これはシンプルにサポートアーティストの皆さんのスケジュールの都合もありました (笑)。でもそれを逆手に取って全公演違う編成にしたら面白いなと思ったんですよね。編成が変わればアレンジも変わるので自分たちをいい意味で苦しめているけれど、こんなレコ発ツアーなかなかないし、全箇所参加してくださる方も楽しんでもらえるし、3方向からアルバムを祭り上げられるから、結果わくわくしています。毎回新鮮な気持ちで臨めるので、毎回初日のような初々しさもあると思う。もともとGOOD BYE APRILは初日にいいライブをすることが多くて。
吉田 確かにレコーディングも1テイク目を使うこと多いし。
延本 ツアーで何度もライブを積み重ねて円熟した演奏を見せるのもいいけれど、初日のギリギリ感やフレッシュな感じは今の自分たちにすごく合っている気がします。何が起きるかわからないないヒリヒリした空気感も観に来ていただきたいですね。
吉田 でもこれまでいろんなものを乗り越えてきているので、今回のツアーも楽しくできそうやなと思ってます。どの公演でも違う編成でできるのがシンプルに楽しみですね。
つのけん 僕もツアーに関しては心配してないですね。4人以外の人の音や歌が入ると、4人とも毎回感動するんです。あの喜びはいつになっても新鮮だし、楽しいんですよね。だから大変さよりもうれしさのほうが勝っちゃうんです。
つのけん(Dr)
──つのけんさんは以前のインタビューでもそうおっしゃっていましたよね。
つのけん だから今回もわくわくしかないですね。まだこの取材の段階ではツアーのセットリストやアレンジは決まっていないんですけど、セットリストを考えるのも、アレンジを練り直すのも、全部楽しんでやれるだろうなと思います。
倉品 14年やってきて今も合奏が楽しいことが、すごくうれしいですね。長く続けていくとどうしても小慣れてきたり、業務っぽくなる可能性も全然あるのに、GOOD BYE APRILにはそれが全然ないんです。
吉田 ほんとライブやリハーサルもそうだし、こういうインタビューも仕事って意識があんまりない(笑)。それくらい活動の一つひとつが楽しくて。せっかくバンドをやっているなら、仕事然としてきちゃうのはもったいないなと思うんですよね。
──「仕事という意識がない」と「真剣に向き合っていない」はノットイコールですものね。
倉品 やっぱり「楽しい」って気持ちは、どんな物事にも表れますよね。
──そんなGOOD BYE APRILは、12月19日に渋谷DIVEで開催される「DISK GARAGE presents 共鳴レンサ vol.53 Supported by DOBEATU」への出演が決定しています。共演はhockrockbとエルスウェア紀行。3組で素敵な一夜が作れそうですね。
倉品 対バンライブの機会は昔より減っているので、だからこそ1本1本の意味を大事にしたいんですよね。エルスウェア紀行とは何回かご一緒しているけれど、hockrockbは初めましてなので、この3組でライブをする意味を感じたうえでステージに立ちたいです。共鳴レンサの企画をしている方は僕らがインディーズの頃からずっとライブを手伝ってくださっているので、それもすごく僕らにとっては意味があるし、イベント作りの専門家にセッティングしてもらったのなら新しい発見があると思っているんです。
延本 アルバムの曲順やセットリストによって曲の聴こえ方が変わるように、対バンによっても曲の響き方やお客さんの感じ方が変わると思うんです。わたしたちも対バンの際はお相手に合わせたセットリストを組むので、当日は3組でおっきいプレイリストを作るようなイメージでいますね。単独にはない幕の内弁当感が対バンの面白さだなって。
──メジャー1stフルアルバムをリリースした後、一息つくどころではないですね。まだまだお楽しみがいっぱいで。
延本 メジャー1stフルアルバムをリリースしてひと区切りつくかと思いきや、気が緩まない状況が続いていて良かったです。ひとまず来年の春までは気張っていけそう(笑)。
倉品 純粋に新鮮な気持ちでバンドを楽しめているんですよね。「Dusty Light」のライブ初披露は共鳴レンサにしようと決めていて。コーラスにもスケールがある曲なので、ライブでどう響くのかはすごく楽しみなんです。共鳴レンサでの経験を踏まえて、年明けの東名阪ワンマンツアーにつなげられたらと思っています。
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