GOOD BYE APRIL ONE-MAN TOUR 2026 『OUR BIOGRAPHY』 ~15th Anniversary~
2026年4月4日(土)大手町三井ホール
桜を見送るように柔らかい雨の降る4月の夜、大手町三井ホールでGOOD BYE APRILのワンマンツアー『OUR BIOGRAPHY』ファイナルを観た。ニューアルバム『HOW UNIQUE!』のリリース、結成15周年、メジャーデビュー3年を祝う、バンド史上最大キャパシティは熱心なファン(幅広い!)でしっかり埋まった。大器晩成型のプライドと音楽的進化の自信を賭けて臨む、外は雨模様だが心は晴れ舞台だ。
「GOOD BYE APRILです。大手町へようこそ!」(倉品)
BGMはエモーションズ「Love Vibes」、客席は総立ち手拍子、1曲目はニューアルバムから林哲司プロデュース曲「SYMPATHY」。サックスと鍵盤を加えた6人編成のサウンドはスムースかつアクティヴ、自慢のコーラスワークも心地よく、アッパーな「ユニーク」からソフト&メロウな「Highway Coconuts」へ、緩急つけたドライヴィングで観客を引き込む手腕は鮮やか。吉田卓史(Gt)のギターは品よくセンスよく、見た目は派手だがプレーはいぶし銀の延本文音(Ba)と、つのけん(Dr)の堅実リズム隊が歌を支える。倉品翔(Vo&Gt&Key)のボーカルはマイク乗りがいいと言うか、ソフトなのにぐっと前に出て聴こえる。ハートにまっすぐ響く音が鳴っている。
「ずっと楽しみにして今日を迎えましたが、想像していたはるか上を行く素敵な景色です。来てくれてありがとうございます」(倉品)
ここで倉品のギタートラブルが起きるが、すかさず延本がツアー中のピロリ菌除菌完了と10代の頃のライブの失敗談で時間をつなぐ、危機回避能力の高さはさすが15年バンド。ファンク&ダンス色の濃い「CITY ROMANCE」「ポートレイト・ラヴソング」、美しいハーモニーが連なる「feel my hush」、エレクトロポップ風味の「whiteout」を経てメロウ&スムースな「spring kiss」へ。吉田がピックスクラッチやワウギターでスキルを見せたり、倉品がミニシンセを弾いたり、つのけんのストイックなドラムがダンサブルなトラックとシンクロしたり、延本のコシの強いベースがぶんぶんうなったり。各自のプレーに注目すれば4倍おいしい、ライブバンドとしての成長は明白だ。
メランコリックなピアノのイントロを添えた「ハーフムーンが見えたらさよならを」は、常田真太郎(スキマスイッチ)プロデュースによる素晴らしいバラード。繊細なボーカルの表現力とあいまって、ライブで聴くとメロディの美しさと歌詞の切なさが倍増する。しっとりバラードとロック的な高揚感を併せ持つ「夜明けの列車に飛び乗って」と2曲合わせて、ネオニューミュージックを掲げるバンドの真骨頂を聴かせる楽曲が続く。もう一つの声のように吹きまくるサックスの存在感も抜群だ。
「15年経って上手(かみて)と下手(しもて)がやっとわかった」という延本のカミングアウトに吉田がツッコむ“延本吉田のすべらないMC”で満場の笑いを誘い、一息ついたら後半戦スタート。個人的に大好きでライブで聴きたかった「息切れの恋」の切ない歌詞(心理描写が秀逸!)を噛み締め、林哲司が書き下ろした「Tokyo Weekend Magic」の妖艶な世界観に酔い、強靭なディスコソウル「悪役」のリズムと真摯なメッセージ性(譲れないものがあるなら嫌われてもいいんじゃない?)にひとりうなずく。アルバム『HOW UNIQUE!』収録曲は、従来のネオシティポップ的な完成度とは別に、生身の演奏力と音楽的発想の幅広さで魅了する曲が多いからライブ映えする。倉品の「ダンス!クラップ!」という呼びかけも、ミラーボールやバックライトを効果的に使う照明も、楽曲の躍動感を後押しする。大手町には大人のポップスがよく似合う。
フィナーレが近づく最終セクションは、ブレッド&バターのカバーソング「ピンク・シャドウ」のしなやかなグルーヴから。間奏にメンバー紹介を兼ねたソロパートをはさみ、キーボード・はらかなこ、サックス・藤田淳之介(TRI4TH)にもしっかりスポットを当てて結束をアピール。間髪入れずに「missing summer」で夏を先取り、心地よく弾むリズムとファルセットを交えた色気あるボーカルでフロアを揺らすと、残すは1曲。
「今回のツアーでみなさんからいただいたエネルギーを持って、次のシーズンに向かっていきたいと思います。これからもみなさんの日常がキラッとするような、心が豊かになるような音楽であり続けます」(倉品)
よくぞ僕たちのことを見つけてくれたと、あらためて思いますーー。そう語りかける倉品には、ファンの存在はGOOD BYE APRILの音楽が大好きな同志に見えているのかもしれない。ラストナンバー「BIOGRAPHY」の、美しい季節のうつろいと人との出会い別れを綴る歌詞が胸に沁みる。約束するよ、君のそばにいる。GOOD BYE APRILからのメッセージはシンプルでとても心強い。
アンコールでは嬉しいお知らせ、7~9月に3か所を巡る「GOOD BYE APRIL 2026 Summer Tour“My Favorite Avenue”」の発表をあたたかい拍手が包み込む。8月23日の下北沢ADRIFTでの東京公演は特別仕様で、日中は入場フリーのマルシェやトークライブ、夜はワンマンライブという形態で楽しませてくれるらしい。アンコールナンバー「リ・メイク」「Love Letter」を歌いきっておよそ2時間18曲、まだまだ聴き足りないと思ったなら続きはサマーツアーで。シティポップリバイバルもネオニューミュージックも超えて不易流行のポップスへ向かう、結成15周年のGOOD BYE APRILはここからが面白い。
#goodbyeapril ONE-MAN TOUR2026『OUR BIOGRAPHY』〜15th Anniversary〜
ありがとうございました!
📷 by @shun_arigatoM『HOW UNIQUE!』のレコ発であり、バンド結成15周年でもあるこのツアー。
全五ヶ所、セトリは1曲だけ日替わりでしたが、6人編成の東名阪は今のGOOD BYE… pic.twitter.com/wGwqQ1WkXi— 延本文音 GOOD BYE APRIL (@eayane62) April 5, 2026
SET LIST
01. SYMPATHY
02. ユニーク
03. Highway Coconuts
04. CITY ROMANCE
05. ポートレイト・ラヴソング
06. feel my hush
07. whiteout
08. spring kiss
09. ハーフムーンが見えたらさよならを
10. 夜明けの列車に飛び乗って
11. 息切れの恋
12. Tokyo Weekend Magic
13. 悪役
14. ピンク・シャドウ
15. missing summer
16. BIOGRAPHY
ENCORE
01. リ・メイク
02. Love Letter

















