世界の音楽聖地を歩く 第10回:ウッドストック・ミュージック・フェスティバル 「ザ・サイト・オブ・1969」

コラム | 2016.06.24 19:00

 

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ザ・バンドのドラマー、リヴォン・ヘルムは1998年に喉頭癌と診断され、2014年4月に亡くなるまでの長い歳月を癌と戦ってきた。最初の治療で声を失ったものの、その後は健康と歌声を徐々に取り戻し、2007年にリリースした『ダート・ファーマー』でグラミー賞を受賞するなど、晩年の活躍は嬉しい驚きだった。この時代のリヴォンの活動の拠点となったのが、ウッドストックにある自宅兼スタジオ「リヴォン・ヘルム・スタジオ」(写真上)、通称”ザ・バーン(納屋)”である。レコーディング・スタジオとしての機能だけではなく、ここで開催される「ミッドナイト・ランブル・セッション」と銘打ったライブ活動は、レヴォンの晩年のライフワークとなり、多くのファンがここを訪れた。現在も一般開放され、スタジオ、そしてライブ・ヴェニューとしての営業が続けられている。

Levon Helm Studios:160 Plochmann Ln, Woodstock, NY 12498
TEL:+1 845-679-2744 www.levonhelm.com

 

音楽遺産

リヴォン・ヘルムとともにザ・バンドのリズムを支えてきたベーシスト、リック・ダンコ。麻薬事件で日本で逮捕され強制送還になるなど、晩年の活動は不遇続きだったが、彼も1999年12月に、ウッドストックの南にあるマーブルタウンで亡くなった。二人ともウッドストックの町の中心にある同じセメタリーに埋葬され、今でもファンの献花が絶えることなく続いている。

 

ウッドストック:インサイド・ルック

リターン・トゥ・ビッグ・ピンク

ザ・ミッドナイト・ランブル ①

ザ・ミッドナイト・ランブル ②

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桑田英彦(Hidehiko Kuwata)

音楽雑誌の編集者を経て渡米。1980 年代をアメリカで過ごす。帰国後は雑誌、エアライン機内誌やカード会員誌などの海外取材を中心にライター・カメラマンとして活動。ミュージシャンや俳優など著名人のインタビューも多数。アメリカ、カナダ、ニュージーランド、イタリア、ハンガリー、ウクライナなど、海外のワイナリーを数多く取材。著書に『ワインで旅する カリフォルニア』『ワインで旅するイタリア』『英国ロックを歩く』『ミシシッピ・ブルース・トレイル』(スペースシャワー・ブックス)、『ハワイアン・ミュージックの歩き方』(ダイヤモンド社)、『アメリカン・ミュージック・トレイル』(シンコーミュージック)等。