めっちゃカッコええでウルフルズ 「ウルフルズ ツアー2017 人生~デビュー25周年やな!せやせや!~」

コラム | 2017.05.18 18:00

このコラムを僕は今大阪で書いている。
このコラム連載でウルフルズの事を書く事になった時に、仕事でちょうど大阪に行く機会があったので、じゃあウルフルズが生まれた大阪でそれを書こう、となんとなく思ったのだ。

ウルフルズほど「大阪」を感じさせるロックバンドはいない。
歌詞にも大阪弁がガンガン出てくるし、スタンダードナンバーの「大阪ストラット」のミナミの街を使ったジャケ写やミュージックビデオは今でもウルフルズのイメージに一番ピッタリくるし、ウルフルズ自体も大阪への愛着を語る事が多い。

それで、道頓堀の道行く人が眺められるカフェでウルフルズを聴きながら書き始めた。
そしたらウルフルズも大阪を「他に比べりゃ外国同然」と歌ってるが、東京では見かけないタイプの派手で個性的でいわゆるコテコテの“濃い人達”が次から次へと目の前を大声やら大きな身ぶり手ぶりやらで通り過ぎていくので、それを眺めながらウルフルズを聴いていたら、それがあまりにハマり過ぎていて、そっちが楽しくなってきてしまい、途中から僕はそのカフェを出て、ウルフルズを聴きながらミナミの街を散策し始めてしまった。

それでウルフルズを聴きながら大阪の街を歩いてみたのだが、そしたらあるバカみたいな事に気付いた。とにかく元気になってくるのだ。

トータス松本の書く歌詞は昔から一貫して徹底的に前向きだ。
「ガッツだぜ!!」「それが答えだ!」「まかせなさい」などの曲のタイトルからもわかるように、ほとんどの曲が馬鹿がつくほど前のめりで、根拠もないのにあっけらかんと自信に満ち溢れている。
聴いてると自分が落ち込んでたりしている事自体がバカバカしくなってくる。

そして同時にトータスの歌詞は聴いている全ての人の生き方を全部肯定してくれる。
「ずっと死ぬまでハッピー」、「最後に笑えれば」、「何もなくてもええねん」と、もしそれを聴いた時に何かに悩んでいても、その人の生き方をその場ですべて肯定し、やさしく受け入れてくれる。

そしてその聴いている全ての人に伝わるもう一つ理由に、トータスは難しい言葉や表現を一切使わないというのがある。
自身の「夢は大きく インテリジェンスは低く」という歌詞に象徴されるように、トータスは老若男女、誰が聴いてもわかる単純な言葉とシンプルな表現のみで、無限の想像力と奥深さのある音楽のマジックを生み出してしまう希代のアーティストなのだ。

今から54年も前の高度成長期日本の人生応援ソング「明日があるさ」をウルフルズがカバーしトータスが唄っても、まるでウルフルズのオリジナル曲のように全く違和感がなく、誰もが口ずさみ、国民的大ヒットとなった理由もきっとそういう事なのだろう。
それを聴いたすべての人達に夢と希望を与え元気にさせる。そんなロックバンドの一番大事な仕事を、ウルフルズは今もブレる事なく実直に、そして軽やかに、果たし続けているだけなのだ。

 

14th Album『人生』 2017年5月24日(水)発売

ウルフルズは今年デビュー25周年を迎える。その25周年を記念した14枚目のアルバムが今月まもなく発売になる。タイトルもずばり『人生』だ。

先行してYouTubeに新曲「バカヤロー」のミュージックビデオが公開されたが、これが素晴らしい。
モノクロの中、勇ましい一匹の狼がただ歩き続ける映像と、メンバー達もただ歩き続ける映像が交差する中に、シンプルな歌詞が文字で現れるだけの作品だが、観てるとなぜだか不思議と胸を打つ。
メロディも歌詞も映像も全てがシンプルな分、途中から誰もが無意識の内に自分の人生とこの映像と曲がシンクロし始めてしまうだろう。
そんな素敵な「余白」がこの作品にはあるのだ。ウルフルズは25年目にしてまたも名曲とその名曲にピッタリなミュージックビデオを生み出した。

ニューアルバム『人生』はウルフルズらしい、ロックンロールあり、ソウルあり、バラードあり、そしていつものユーモアが随所にありと、自分達の25年の歴史と実力を見せつけながらも、新しいアプローチにも満ち溢れていて、聴いてて楽しく、そして元気になれる。

6月から始まる25周年全国ツアーも一部発売が開始され続々とSOLD OUTしていて相変わらずの凄い人気だ。
そんなツアーのタイトルは「デビュー25周年やな!せやせや!」だ。おもろいなあ。

まったく、どこまでも軽やかで、カッコええでウルフルズ。

ウルフルズ ツアー2017 人生 ~デビュー25周年やな!せやせや!~

6月24日(土)埼玉・戸田市文化会館 SOLD OUT
6月27日(火)大阪・フェスティバルホール SOLD OUT
7月2日(日)新潟県民会館
7月8日(土)仙台・東京エレクトロンホール宮城
7月15日(土)広島・JMSアステールプラザ 大ホール SOLD OUT
7月16日(日)香川・サンポートホール高松 大ホール
7月19日(水)京都・ロームシアター京都 SOLD OUT
7月30日(日)名古屋・愛知県芸術劇場 大ホール
8月3日(木)東京・中野サンプラザ
8月6日(日)北海道・札幌 わくわくホリデーホール
8月11日(金・祝)鹿児島市民文化ホール 第2ホール
8月13日(日)福岡サンパレスホール

チケット詳細はこちら→
ウルフルズ ツアー2017 人生~デビュー25周年やな!せやせや!~ 特設ページ

ウルフルズ フリーだぜ!! 野音で25祭

5月20日(土)日比谷野外大音楽堂
入場無料
詳細はウルフルズ オフィシャルサイトにて

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横山シンスケ

渋谷「東京カルチャーカルチャー」店長・プロデューサー。その前10年間くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサーや店長。
東京カルチャーカルチャー:http://tcc.nifty.com/
横山シンスケ ツイッター:https://twitter.com/shinsuke4586