カー活 = ゴミを漁ったファッションでカートを目指す
90年代グランジの代名詞として登場したNIRVANA(ニルヴァーナ)。そのフロントマンであり、今でもミュージシャンに影響を与え続けているUS西海岸のロックスター「カート・コバーン」。
そんなカートをリスペクトし、勝手にマインドを継承している男が日本にいた。
自身が考案したファッション活動「カー活」(カート・コバーン活動の略です)を実践し、10年代においてもグランジシーンを体現するKING BROTHERSのギタースクリーム「マーヤ」である。
連載、第三回目になりました。
「そろそろカー活が、どういった活動かは説明できたかな」と思ってます。
まあ、ぶっちゃけ、語り尽した感はあるので「後は久しぶりに行ってみるしかないっすよね?」と計画をしてたり、してなかったり、、、
今行ったら全然前までと選ぶもの違うかもしれないすねぇ、、たのしそうですねぇ、、、
という事で、今回は番外編として「若かりし日々の俺が、カー活を行い、グランジファッションの追求を経て、どの様にして現在のファッションに到達したのか?」というマインドの変化を、解りやすく、ロックンロールな画像や動画と共に、盛り沢山で検証してみましょう!
当時は「いつまでもカートの真似ばかりせずに、そこから脱却せねば。」という時期でもありました。まさに“KILL YOUR IDOLS!”ですね。
カートが「自分たちはパンクだ」と言いまくっていたので、パンクのファッションを研究してみようと思い、ピストルズ、クラッシュ、ダムドなどの写真を見まくりました。
なんか細くてやたら露出度高い!なんかビリビリに服が破けてる!なんか血が出てる!という所に熱い魅力を感じました。
グランジファッションはダボッとした感じがあったので「タイトな方が俺好きかも?もっとタイトなズボンを履いてみよう!」となったんすね。やっぱラモーンズすよ!
アルバムのジャケットに写っているラモーンズにヤバさを感じ「もうこれだ!」と思いました。
髪の毛は長かったんでイメージしやすかったのですが「革ジャンも重要かもしれない」と思い、革ジャンを着てみたけど、なんか違う。俺にはハードすぎる。どちらかというとスーツだろう。「ビートルズのようにモッズ達のように着こなせたりするものだろうか?」と思いました。
しかし普段着だとスーツは綺麗すぎる。ボロボロのTシャツやトレーナーの上にサイズ小さめで形と色がカッコイイ、ボロボロのスーツを着なきゃいけません。手探りではありますが「タイトでボロボロ。かつスタイリッシュ!」という方向に向かっていきます。
同時期に髪型に疑問を持ち始めます。「カートの長い髪は似合ってるけど、俺はあまり似合ってないんじゃないか。。」という自己評価を下し「俺の好きなアーティストは顔面が髪に隠れてない奴のほうが多い。俺は短い髪型なんじゃないか?」と思いました。タイトでボロボロのファッションを着こなすには、短い髪型のほうがヤバイ気がする。
一時期はソニック・ユースのサーストン・ムーアのような髪型も試してみました。前髪で目が隠れてる感じのクールな髪型だ。これはこれでカッコイイ!しかしまだ中途半端だ。
女優のジーン・セバーグ、The Jam時代のポール・ウェラー辺りまでいかないとヤバさが出ない!「この感じは人に切ってもらって出るものじゃない」と勝手に思い込み、自分で鏡も見ずに適当に髪をバッサリいきました。
ロックンローラーの感じで切り進めて鏡を見たら、かなりひどい状態だったので、適当に微調整しました。間違いなくジーン・セバーグ、ポール・ウェラーのヤバさはある!だが想像していた感じとちょっと違いました。俺が髪を短くするとポール・ウェラーではなくブルース・リーの様になるということが判明しました。
俺の髪型はこの頃から特に変わってない。前髪がパッツリ気味で、適当に後ろとサイドをバッサリ切る髪型に定着しました。難易度が高いので、あれから誰にも髪を切らせたことはない!
2000年から2010年代、俺のパブリックイメージを決定づける髪型とファッションの安定期は、人知れず己と向き合い試行錯誤した日々の結果である。
因みに近年、久しぶりに衝撃が走った事がある!ジョン・リー・フッカーやハウンド・ドッグ・テイラーなど、ブルースのおじさん達のスラックスやズボンの丈に危ない魅力を感じました。ルーズだがスタイリッシュなのだ。モッズのくるぶし丈とは訳が違う!椅子に座った時、丈が短くて脛が見えてしまう感じが最高にクールなんじゃないか。と感じる様になりました。だが、まだ手は出していない!
そして2012年頃からプリントなどが無い、無地の衣類を好むようになっていきます。シャツなどにプリントされてるデザインはアートであり主張である。だからこそ何かデザインが乗った物を着るなら、かなり気に入った物でないと着れない。バンドTなどは好きなバンドのデザインだから問題なく着れて好きです。
しかし、どんどん無地が心地良くなっていきました。気分に合ったカラーを選び、(青や紺を着ることが多いですが)朽ち果てるまで、ひたすら毎日着続けます。
目に見えてダメージが増えていく。汚れたり、破れたり、色が褪せていく。
着続けた結果の自然なダメージはとてもスタイリッシュだ!着ることが困難な状態になったら次の服に移る。これを繰り返すのがロックンロールだ!と気づきました。
無地の衣類をよく着ていることもあり「ユ○クロですか?」と聞かれますが、無地で気に入ったカラーであればどんなメーカー、ブランドでも構いません。サイズ感もザックリでOKになってきました。
近年、とにかく青い色を好んで着用してはいますが「出来るだけ気にされない服装、出来るだけ同じ服装を心がけて気配を消す」今の興味はそこにあります。これからまたどのように歪に変化していくかわかりませんが、自分なりの拘りでファッションセンスを磨くことに興味は尽きないですね!皆様も自分の拘りは大事にしてください。
振り返ってみて、カートコバーン活動で始まったグランジファッションの追求というのは俺のファッションセンスの芯になりましたが、これからはグランジマナーに則ったブツを手に入れる事だけが全てじゃなく、ユ○クロでも新品でも自力でグランジファッションへ落とし込む気合を持ち、その過程も楽しんで、大好きな服と共に人生を歩み、ダメージを重ねていきたいですね。
さてさて、結局、俺のファッションは何処に辿り着いたかというと、、
去年の誕生日に友人のW君が、1980年から1988年代にかけてUKインディーロックシーンを撮影していたカメラマンSAM KNEEさんが出した『A SCENE IN BETWEEN』という写真集をくれたんすよ。
「マーヤみたいな服装や雰囲気してる奴等が沢山写ってるよ」と言われたので「ほんまかいな?」とページを捲りました。本当に普段の俺みたいな(つーか俺の周りはこんな奴等ばっかりだ!)服装をした奴等ばっかり写っていて、かなりの衝撃を受けました。グランジファッションから辿り着いた先は1980年代、あの頃のUKインディーロックシーンでした!なんか色々繋がった。
参考までに、ちょっと前の俺の服装とほぼ同じ服装で写っていたのが、ジーザス&メリーチェインに在籍時のボビー・ギレスビー(現 Primal Scream)でした。
では、ごきげんよう!
引き続き感想はTwitterのハッシュタグ #カー活 でこっそり呟いてください。
たくさんの感想サンキュー。コメントバッチリ見てるぜ!ロックンローラー達!!!
(第4回に続く。。次回は5月中旬予定)
KING BROTHERS / Kill your idol
KING BROTHERS
Keizo Matsuo (Vocals & Guitar)、Masafumi Marya Koyama(Guitar & Scream)、Zony(Drums)1998年から兵庫県西宮を拠点に独自の活動を続ける史上最強のハードコアブルースバンド。99年には早くも1stフルアルバムをアメリカのインディーレーベルからリリースし、若干二十歳で怒濤の全米ツアーを敢行。その後もメジャーやインディーのボーダーを越え数々の作品をリリース、ジョンスペンサーのプロデュースは海外でも話題になった。また、ホワイトストライプス、ストロークス、ブルースエクスプロージョン等の来日公演のサポートなども多数経験し、幾度の海外ツアーや巨大フェスなどにも参戦。
2007年からは3ピースのベースレススタイルを一時捨て、ベースをいれた4人編成へ変化するも、再始動となった2014年1月11日、西宮市長も参加した復活ライブでは、再びベースレススタイルを披露し、公演もソールドアウト、泣く子も黙る破壊的で圧倒的なライブが健在であることを見せつけた。そして、2014年3月、復活第1弾としてニュージーランドからThe DHDFD'sを迎えたスプリット盤をリリースし、JAPANツアーも同時開催、再び世界を震わせる。