兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第205回[2026年3月前半・あら恋、エレ片、シロップ×2、ゼンニチの5本を観ました]編

コラム | 2026.04.22 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライターである兵庫慎司が、基本は音楽の(時々それ以外の)自分が生で観たすべてのライブ(たまに配信も)のレポを書いてアップする、月二回連載の205回目=2026年3月前半編です。

半月で5本、というのは、最近の中では少ない方ですが、そんな今回でも全日本プロレスにはちゃんと行っているのは、単におもしろいから、好きだから、という理由です。が、プロレス関係で言うと、たとえば同じ後楽園ホールで新日本プロレスを観ようと思うと、いちばん安い席が8,500円(立ち見はもっと安いけど)なのに対し、全日本プロレスは4,000円、という価格の差も大きいです。新日、ちょっと前までは、もっと安かったんだけどなあ。

3月1日(日)18:00 あらかじめ決められた恋人たちへ@ Shibuya WWW

だいたい年に一回くらいのペースで行われる、あらかじめ決められた恋人たちへ(以下あら恋)の東京でのワンマンライブ。

国内でも海外でも活動する佐渡の和太鼓集団=鼓童のメンバーである木村佑太(和笛。2025年9月リリースの「火の子」と「寂光」であら恋と共演)、2021年1月に「日々」でコラボしたアフロ、これまでもあら恋のライブにボーカルで参加してきた山内真紀(2024年9月の「Nokuoto」でコラボ)の3人が、ゲストで出演した。和笛とラッパーとシンガーがゲストで並列になること自体、何か、「ああ、あら恋だなあ」と思う。

木村佑太も、アフロも、山内真紀も、ゲストが入らない曲も、それぞれとてもすばらしかった。が、山内真紀との2曲のうちの1曲が、あら恋の新曲「逆光」だったのに驚いた。

この曲、2週間くらい前に「新曲を作りました」と、池永正二が自分で歌っているリハスタでの映像を、インスタにアップしていたのだ。それを山内真紀に歌ってもらったのか、そうか、なるほど、そういう方法もあるよね、気が付かなかった……と、何か、ハッとしました。

3月13日(金)14:00 エレ片『帰ってきたコントの人』@ 銀座・博品館劇場

TBSラジオ土曜深夜のエレキコミックと片桐仁=エレ片の番組が、1年前からポッドキャストになり、この3月いっぱいでそれも終了、20年の歴史に幕。よって、その番組と連動して行われてきたエレ片のコントライブも、今回のこの銀座博品館劇場・3日間・5公演で最後。ということで「卒業公演」というタイトルが付いている。

6本のコント+幕間映像の最後は、「エレ片学園卒業証書授与式」。今立、やつい、片桐の順に、これまでの功績とやらかしたことが綴られた卒業証書が読み上げられていく、というネタで、「大爆笑」と「しみじみ」の両方が渦巻く、なんとも言えない空気になった、博品館劇場が。

年に一回のエレキコミックのライブは、今後も続いていくんだろうし、エレ片の番組もコントも20年も続いたんだから、すごい、とは思うが、でもまあ、寂しくないと言うと、嘘になるよねえ……。

などと思いながら帰宅したが、最終日の3月15日の公演後に、4月からは同じTBSポッドキャストで、新番組『エレキコミックのおーいエレマル』が始まることが発表になった。よかったー。

3月13日(金)19:00 syrup16g @ NHKホール/Sheeta Live Stream

結成30周年記念公演のNHKホール2デイズ・配信あり。で、1日目が“Closer”、2日目が“Further”というタイトル。「近さと遠さ、諦めと発展、破壊と創造──相反するイメージを内包しながら、2日間それぞれ異なるセットリストでお届けします」と、公式サイトで発表されたが、その「2日間それぞれ異なるセットリスト」、本当に徹底して、そうだった。

1日目は本編19曲アンコール2曲の21曲、2日目は本編18曲アンコール3曲の21曲で、1曲もかぶっていない、曲目も曲順もまったく違うセットリスト。

しかも、両日とも11・12・13曲目が音源未発表の新曲だったのだが、その新曲3曲も全部違うのだ。つまり、現時点で、客前で演奏できる新曲が6曲ある、ということだ。そのまま録れば、もう、ミニアルバムできちゃうじゃないですか。

翌日に続く。

3月14日(土)17:30 syrup16g @ NHKホール/Sheeta Live Stream

前日の続き。その1日目と2日目でまったく違うセットリストは、バンドの公式サイトに載っているし、各ストリーミング・サービスにプレイリストもアップされているので、詳しくは、そちらをご参照ください。

個人的には、1日目は、「無効の日」「I・N・M」「Drawn the light」「生きているよりマシさ」あたりが、特にうれしかった。1曲目が「Reborn」だったことにも、アンコールのラストが「翌日」だったことにも驚かされた2日目は、その2曲の他は、「明かりを灯せ」「生活」「変態」「希望」「She was beautiful」あたりが、特にうれしかったです。

そして。新作が楽しみ。その6曲を録るのか、もっと曲があるのか、そもそも作るのかどうかも知らないんだけど。

3月15日(日)11:30 全日本プロレス @ 後楽園ホール

『ドリームパワーシリーズ2026』の1本目。「ゼンニチJr.タッグフェスティバル」の準決勝が2試合あり(田村男児&佐藤光留 vs 井上凌&望月ジュニアと、青柳亮生&ライジングHAYATO vs 吉岡世起&進祐哉)。メインイベントは、世界タッグ選手権試合で、王者組=綾部蓮&タロースに斉藤ジュン&斉藤レイが挑み、王者組が勝利した。

という3試合が目玉の日だったが、それ以外にもトピックがあった。本編の全6試合の前=開始時間の前の11時15分から、第0試合が急遽追加発表になった。開始時間の前に第0試合を入れる、というのは、プロレスの場合よくあることだが、この日のそれは、鈴木秀樹と青柳優馬の15分1本勝負だったのだ。

全日のエースのひとりである青柳優馬は、2025年11月23日の沼津大会の帰りに、自動車事故を起こし、しかも免許が期限切れで失効していた、ということで、3ヵ月の謹慎になった。で、この日の第0試合で復帰した、ということである。相手の鈴木秀樹は、スネークピットジャパン出身で、この試合はキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(以下C.A.C.C.)で行われた。

って、プロレスファンしかわからないことを書いてますね。C.A.C.C.というのは、プロレスの元になったレスリングの一種で、いわゆるサブミッション(関節を取る・絞め技を極める)とフォールで勝負が決まる、投げ技はOKだけどパンチとキックは禁止、というルールの、ざっくり言うとガチの格闘技です。スネークピットジャパンは、高円寺にあるC.A.C.C.のジムです。

謹慎明けの最初の試合なので、そうしたのだと思う。というわけで、C.A.C.C.で15分ガチガチに闘って、結果は時間切れで引き分けでした。ちゃんとその時間に集まった観客みんな、リングのふたりに拍手を贈った。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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