この曲を今必要としている人がいるような気がして、出来立てのまま弾き語りで歌いました。(ハルカ)
何故、今なのか? 突然発表された訳は?
今年は6月に傑作サードアルバム『溜息の断面図』、11月に映画主題歌『手紙』と立て続けにリリースを行い、3年連続で日比谷野音ライブを成功。現在ツアー中で、年明けからはいよいよ後半のバンド編成による東名阪+横浜のツアーを控えるハルカトミユキ。
彼女たちが何故、このタイミングで新曲を発表する理由があるのか?
それも、タイトルは「どうせ価値無き命なら(demo)」。歌詞はタイトルから察せられる通り非常にシリアスな内容である。
この曲の発表に伴い、Gt/Voのハルカからの声明は
「1月からのツアーの為に新曲を作っていたのですが、この曲を今必要としている人がいるような気がして、出来立てのまま弾き語りで歌いました。」
という非常に簡素なものだが、どう考えてもこの時期にdemo音源を発表するということに緊急性を感じざるを得ない。
新曲に込められた真意は?
歌詞の世界観を単純に紐解けば、明らかに悩んで自殺しかけている若者に向けて「生きてやろうよ」(=死んじゃダメだ)と問いかけているこの曲。
「狂えない」「勝てないお前が悪い」「もっと危なくなれよ」・・・。
今まで数々の言葉のナイフで音楽ファンを中心に大きな支持と評価を受けてきた彼女たちの曲と比べても、今作の「生きてやろうよ」というメッセージは明らかにベクトルが違う。
サビでは「明日には枯れる花も可能性と名付けよう / どうせ価値無き命なら何に怯えるんだろう / 当たり前のように風は冷たいさ / 生きてやろうよ」
と、自分を好きになれない悩める者に向けて、ただ単に優しくするのではなく、厳しい現実の中でも力強く「生きてやろうよ」ストレートに伝わってくる内容になっている。
■『どうせ価値無き命なら(demo)』【期間限定公開】
現時点ではリリースの予定は無し。年明けのツアーで披露されるのか?
この発表が緊急性を伴っていると思われるもう一つの原因は、この楽曲についてはリリースの予定が一切無いところ。
先日のツアー告知の際に「年明けのツアーでは新曲をやります」という発表はあったが、この曲がそれに向けたものなのかも現時点では不明。
ただ、そうだとしたらせっかくライブに足を運んでくれる人よりも先に一般公開されるのはおかしいし、demo音源を発表するのは不自然だ。
恐らく、この曲を一刻でも早く発表して聴いて欲しい人がいるとしか思えないのである。
ただ、このようにアーティストが主導して突如新曲を発表する時には必ず大きな動機が存在する。
その様な観点からもこの曲は見逃せないのではないだろうか。
1月12日(金)~、ツアーの後半戦がスタート
今年から続くツアーの後半戦が年明け1月12日(金)の大阪からスタート。
ツアータイトル『溜息の断面図ツアー2017-2018 種を蒔く ~花~』の通り、今年出した傑作AL『溜息の断面図』を中心に数々のハルカトミユキCLASSICSがいよいよバンドで再現される。
今、勢いに乗る彼女たちの貴重なライブをお見逃しなく。