ベリーグッドマンが初めて立ったステージは?
Text:岡本明
編集部:みなさんが初めて立ったステージを教えてください。
18歳の大学1年生の時です。友人に「学祭のバンドのボーカルを探してるから出てくれへん?」って言われて、学校のホールで500人ぐらいの前で歌いました。
──曲は何を歌ったんですか?
レッチリの「キャント・ストップ」、RIZEさんの「heiwa」です。ライブが初めてなので、一回も歌わず心の中で歌詞を覚えていたんです。でも、いざ始まったら怖すぎて低い声しか出なかったのを覚えています。そのライブはダダ滑りでした(笑)。RIZEさんの「heiwa」の時にはお客さんが帰っていって。いい曲なんですけど、学祭の楽しい雰囲気で平和について歌ってしまった…。メンバーは気持ちよくなってましたけど。それでもう音楽はやめようと思いました。一年ぐらい辞めてたんですけど、翌年も学祭に誘われたんですよ。去年が散々だったので、本腰入れて曲も作りだして。でもステージはダダ滑りです(笑)。友達を30人ぐらいかき集めて、オリジナル4曲で。初めて聴く人のために4曲分の歌詞カードを印刷して配って…。よくわからないライブでした。
小学校5年生の時に音楽会が体育館であって。大太鼓とか木琴、鉄琴、リコーダーとかで合奏する音楽会です。そこで「コンドルは飛んでいく」のピアノを弾きました。ピアノを習っている女の子がいたにもかかわらず、僕はその曲だけめっちゃ練習したんです。それで僕が急に選ばれて、その子は悔しくて泣いていました。でも一躍有名になって。あいつピアノ弾ける、みたいな。
──人前で歌ったのはいつですか?
歌ったのは中学2年の時に産休の先生を送り出す会があって。中1からギターを弾いていたので、キャリア1年でイルカさんの「なごり雪」を弾き語りで歌ました。なんで「なごり雪」やねんって今思いますけど、ギター弾ける先生にその曲を教えてもらっていたので。反応は…、たぶん聴いているほうは地獄の時間ですよね(笑)、中2の弾き語りですから(笑)。練習してたから達成感はあったんですけど、それなりに歌えてたと思います。
──本格的に歌うようになったのは?
先輩とツインギターでカフェで弾き語りで歌ったのが初めてのステージですね。HiDEXがそのカフェで、自分のイベントをやってたんですよ。それに初めて出してもらったのが20歳の時ですね。
僕が初めて歌ったのは、今の話に出てきたカフェですね。18歳までずっとドラムをやってたんですけど、そこでRoverと再会して歌うことになって、そのカフェでピアノやギターの弾き語りを始めたんです。ただ、それ以前にバンドでステージに立ったことがあって。ドラムをやりたくて中学の吹奏楽部に入ったんですけど、真面目な奴にしかドラムのパートをくれない先生で、部活に行ったり行かなかったりしていたんです。もともとバンドをやりたかったのでドラムを始めたんですけど、中3の時にやっと一つ上の先輩とバンドを組んで、地元のライブハウスに出られるようになったんですよ。地下にあるスターダイナーという名前の店で。それまでライブハウスは一切行ったことがなかったんですけど、初めて行ったら怖い人たちがいて、中学生は僕一人だし。ただ、そこでライブしたらウワーっと盛り上がって、ドラムすげえっていう声が聞こえて来て、気持ちよかったですね。そこからライブをすることが好きになったと思います。
──曲は何を?
カバーバンドでしたね。ハイスタ、SNAIL RAMP、GOING STEADY。僕の青春はハイスタとSNAIL RAMPでできていて。そこから高校では洋楽しか聴かないように凝り固まってしまうんですけど、18歳の時に手首の手術でドラムが叩けなくなったんです。1日練習をサボると3日間練習が必要と言われるぐらいだったので、ドラムでメシを食うのは諦めようと思って。その時に付き合っていた彼女がミスチルの「しるし」を流していて、“メッチャいい曲じゃない、誰の曲?”って。こんな曲を作りたいって思ってRoverに教えてもらいながら曲作りを始めたんです。MTRで音を重ねてデモを作るようになって、19歳の終わり頃にトラック作りを始めて、本格的に音楽でメシを食っていきたいなと思いました。
──ドラムを叩くのと人前で歌うのは違いますよね。
全く違いますね。歌は主役だし、ドラムはみんなの背中を見ているので。けれど、立ち位置で言うと、今もそんな感じかなと思います。ハモリをずっとやっていて、ドラムもずっとそこにいる。動かずに支える感じというか。ベリーグッドマンでも、サビを2人がメインで歌って、僕がハモリを歌う時、同じ気持ちを感じますね。
編集部:三者三様の意外な音楽活動のルーツが明らかに! HiDEXさんの「立ち位置的には、ドラムのときも歌うときも同じ」というお話は、ライブを一度観たらすごく納得してしまうはず。 ベリーグッドマンのみなさん、ありがとうございました!
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