YATSUI FESTIVAL! 2026
2026年6月20日(土)
Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest 5F / Spotify O-nest 6F / Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / clubasia / LOFT9 shibuya / WOMBLIVE / shibuya 7thFLOOR
O-EASTのオープニングは、毎年DJやついいちろう。15年目で初めて完全にソールドアウト、ということをXにポストするようオーディエンスに促しつつ、自身の曲である「トロピカル源氏」をかけて、「盛り上がりが足りない」と参加者の皆にダメ出しして何度もやり直す。というのは毎回の恒例だが、今年は、「今日はレキシも出るよ? トリだよ?」という言葉が付いた。11年ぶりにやついフェスに出演するレキシが作詞作曲し、やついとレキシのユニット「エレキシ」としてリリースした曲なのである。なお、11年前の曲なのに、今になってようやくMVがレーベル(ビクター)の公式YouTubeチャンネルにアップされたことも、やついは報告した。
そのやついのDJを経ての開会宣言は、ピコ太郎。「第二十一回三沢空港ブルーインパルス・フェスティバルを開催します」「NPO法人大人と子供の助け合いフェスを開催します」などとボケまくり、時間が押すのを気にするやついをいらつかせてから、「やついフェスティバル、スターティン!」と、りんごちゃんのセリフで開会を宣言。そして今年は「PPAP」から10周年ということで、毎週1曲、新曲を自身のYouTubeチャンネルにアップしていることを伝え、そこにアップされている曲も、されていない曲も含めて、「ネオ・サングラス」「鳴いたのはネコだった」「SAKE-TOBACCO」「岩手県(IWATE-KEN)」「大阪府」「埼玉県(SAITAMA-KEN)」「三重県(MIE-KEN)」(やついの出身地)などの持ち曲を次々と歌い、最後は「PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen)」と「Shin-Pen-Pineapple-Apple-Pen」の2曲で締めた。9月27日に池袋harevutaiで、10年ぶりのワンマンライブを行う、これからそのチケットを手売りします、という告知もあり。
この日のLOFT9で、12時15分からと17時20分からの二回組まれている催しは、『やついフェス怪異祭2026』。17時20分の方は、いわゆる怪談で、松嶋初音・夜馬裕・吉田猛々・ハニトラ梅木が怖い話をしたが、12時15分からの方の出演者は、丸山ゴンザレスと村田らむで、心霊ではない怖い話。つまり、かつて裏モノ雑誌のライターだったふたりが、誌面でどんな企画を請け負ってきたか、という話や、現在も国内外の裏社会を取材し続けるゴンザレスが体験した話を聴く会である。村田らむが手がけた刺激的な潜入ルポの裏話や、ゴンザレスがコロンビアに取材に行った時、軍のスタッフの女の子に、ゲリラに拉致された時の体験をきいた──という話などなど。とにかく、まさに息を呑む仰天エピソードの連発だった。
初日に6ブロック、2日目に5ブロック組み込まれている、O-EASTの「お笑いコーナー」(WOMBでも1日3ブロックずつあり)の、トップになったのは、13:05からのエレキコミック・友田オレ・ゆってぃの3組。エレキコミックはストリート・ミュージシャンの「女子高生おじいちゃん」(やつい)が、次々ととんでもない歌を歌うネタで、友田オレは「おめでとう!」と「辛い食べ物節」の2曲で爆笑をさらう。という段階で、O-EASTのタイムテーブルが押しており、次のゆってぃは、出て来るなり、自分はいつも三番目、なんでなのかわかった、自分で時間を調整できるからだ、去年はエレ片の次で、舞台から「ゆってぃ、頼む、巻いて」と言われた──と告白して大ウケ。さらに、おなじみの自虐ネタでも大ウケを取った。さすが「僕、15年間休みなく出てます」と申告した男。
エレキコミックPhoto by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
友田オレ Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
ゆってぃ Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
次のO-EASTのアクト、神聖かまってちゃんは、サウンドチェックの段階から、パンパンのフロアの温度がとても高い状態で、1曲目の「僕の戦争」が始まるや否や、爆発状態になる。6曲目まで終えたところで、の子、「えらい盛り上がってるな、みなさん。フェスだと思えない、ワンマンみたい」。そして「俺たち、人気出たよな。神聖かまってちゃん、18年目にして大ブームが来てます! おまえらついてこいよ! 武道館行っちゃうぞ! 武道館、東京ドーム!」と叫んで「Os-宇宙人」に突入する。次の「ロックンロールは鳴り止まないっ」では大シンガロング、ラストの「23才の夏休み」では、さらに天井知らずにフロアがヒート。の子が「大ブームが来てます!」と言いたくなるのもわかる熱さだった。
挫・人間、Wiennersに続いてduo MUSIC EXCHANGEのステージに上がったのは、PEDRO。共に爆音の田渕ひさ子のギターとゆーまおのドラム、ベースをガシガシ弾きながら歌うアユニ・D、フロアから飛ぶ怒号のようなかけ声、でも曲間ではシーンとなり、次の曲が始まるとまた怒号──という、ステージの上も下も、豪快でストイックな、きっとほかのバンドには作り出せない時間だった。
やついいちろうの、この日三回目の出番は、O-nestの6Fで14:50から、ライトガールズ。やついとSundayカミデのユニットで、DJはワンダフルボーイズのアツムワンダフルである。「(ステージが)狭い! このあとゲスト出るのに大丈夫?」などと言いながら、そして1曲目でやついがミスって曲を止めてやり直したりしながら、フロアを沸かせる。ゲストは、最初がゲッターズ飯田で、次が奇妙礼太郎。ラストは、このフェスのジングルになっているテーマソング「FESTA!!!」で盛り上げる。カルモニカfrom Calmeraのつーじー(辻本美博)も、ステージに上がった。
O-EASTの三番手、Galileo Galileiも超満員。中盤〜後半は、尾崎雄貴の「ここからどんどん巻きでやっていきます!」という宣言どおり、「CHILD LOCK」「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」「青い栞」と、続けざまに演奏&歌唱、参加者たちをヒートさせていく。「SPIN!」では、歌詞に合わせて、彼らのグッズのペンライトが、フロアのあちこちでグルグルと回された。
Galileo Galilei Photo by ニッタ ダイキ
16時15分からの7thFLOORは、「Victor Entertainmentオーディション優勝枠」を勝ち抜いた札幌のバンド、酩酊小町。それぞれが俯いたり横を向いたりしながら、ものすごくいかつい音を放ちまくる4人である。サウンドの凶暴さで身体がしびれるくらい。「オーディションで選ばれてこういう場に立って、すごく光栄に思っています」と、ボーカル&ギターの櫻田優作は、丁寧に挨拶した。
その酩酊小町と同じ時間のO-nestの6階は、「今立進の出張BAR(ART910)」となっている。ART910というのは、彼が店長を務める中野富士見町のバーなので、カウンターの中でお酒でも作るんだろうか。と思ってのぞいてみたら、カウンターの前で、お客さんたちと話したり、ART910のフライヤーを配ったり、記念撮影を求められると応じたりする、という、「今立進の出張BAR」というより、「今立進のいるBAR」みたいな空間になっていた。
16時35分からO-EASTのステージに立ったPUFFYは、やついフェスへの出演は二度目。当然ながら超満員。「やついフェス、出てる人めっちゃ多い、どうやって管理するんだろう?」と心配したり、「みんな稲穂を持ってるね。もし仮に、それがゴボウだったら買う?」と、オーディエンスに話しかけたりする、今日も自由な亜美と由美である。「ジェット警察」「これが私の生きる道」「海へと」「誰かが」「MOTHER」で皆を狂喜させてから、「ここからはなるべくみなさんが盛り上がれるような曲を揃えたんで、歌える方は歌っていただけると、自分たちがラクできるかなと」。いや、ここまでも充分そうだったんですけど、と、思った人は多かったのではないか。でも、そこからの「日曜日よりの使者」「愛のしるし」「渚にまつわるエトセトラ」、そしてラストの「アジアの純真」の、オーディエンスのシンガロングとかけ声の大きさ、確かにすさまじいものだった。
つかみのネタのお客さんの反応がよかったので、「売れてきたねえ。営業っぽいのやめて、シモネタからいこうかな」と、品性下劣なネタをくり出したサツマカワRPG。「そっくりな人」というタイトルの、それはもう岩崎う大らしいコントで、「笑う」と「震える」のダブルバインド状態にお客を陥れた、かもめんたる。「山手線の30駅を歌って覚える」を、しつこくくり返して笑いを巻き起こした三拍子。
以上3組のお笑いコーナーの次の、O-EASTのアクトは、毎年両日恒例の『やついフェススペシャル歌合戦』。今年の1日目は、やついいちろうと堂島孝平がMC、審査委員は岸本加世子としまおまほ。毎年何かしらの仮装を己に課しているしまおまほは、カツラとドーラン、赤ジャージと赤画用紙と黒ガムテで、『スリラー』時のマイケル・ジャクソンになって登場した。バックを務めるカルモニカ from Calmeraは、Calmeraが活動再開するということで、リーダーの西崎ゴウシ伝説曰く「今年は8割以上Calmeraのメンバーです」。
最初のチャレンジャーは、久々の出演のIMALU。15年前にやついいちろうとのユニット=SUSHI PIZZAでリリースした「マイティDISCO」をふたりで歌うが、なぜかチャンス大城が加わって、二胡(中国の楽器)の音や手品などで花を添え、最後は自らの口腔内に巨大クラッカーを撃って倒れる。
やついいちろう&IMALU&チャンス大城 Photo by ニッタ ダイキ
ふたり目は、一昨年にMVPを受賞している柏木ひなた。毎年この歌合戦のために来ていたが、今年は自身のライブの時間もあり(15:45〜、duo)。マカロニえんぴつの「愛のレンタル」を選曲し、すばらしすぎる歌唱力で、オーディエンスも、MC毎年や審査員たちも、絶句させた。
「やついフェスのMVPを私のプロフィールに書きたい。レコード大賞新人賞の次に(※1982年に受賞)」と言う松本伊代は、2016年、2021年に続き、3回目の出場。客席最前左方には、筋金入りの親衛隊がふたり。彼女が出る時は、毎回来ているそうです。曲はもちろん「センチメンタル・ジャーニー」。やつい、「すごい! 歌声がまったく変わってないじゃないですか!」と、絶賛する。「親衛隊の方との景色がすごい美しくて、涙が出そうになりました」としまおまほ。岸本加世子は、「生歌を聴けたことで、私、今日来た甲斐がありました、優勝候補です」。
岸本加世子としまおまほの審査タイムの間を埋める「エキシビション」として紹介されたのは、スピードワゴン小沢一敬。この「歌合戦」への登場は3年ぶりで、オーディエンスの大歓声を受けての第一声は「えーっ、泣いちゃう」だった。「840連休してきました」「2年前まで中卒だったんですけど、時間があったんで勉強して大学生になりました」(※慶應大の通信教育課程に入学)などと言いつつ、例のかすれて途切れてきこえない声で「赤いスイートピー」(松田聖子)を歌い、やつい&堂島に盛大につっこまれる。「いや、俺の声はモスキート音なのよ。若い子はきこえる!」。そして「歌がうまい人を連れて来たんだ」と宮迫博之をステージにひっぱり出し、ぶっつけ本番で「赤いスイートピー」を歌わせる、というサプライズも。なお、岸本&しまおが選んだMVPは、松本伊代。最後はSundayカミデが加わっての「FESTA!!!」で終了。ステージ上の皆が、歌ったり手拍子したり演奏したりする中、ムーンウォークなどのMJアクションをくり出すしまおまほだった。
次の「お笑いコーナー」の超新塾をはさんで、O-EASTのステージに立ったのは、初出演、純烈の3人。白川裕二郎が来年3月いっぱいでグループを離れるので、現在後任をオーディション中、とのことで、酒井一圭が「ここで合格者を発表します」と呼び込んだのは、チャンス大城。「甲子園のサイレンの真似をする麻生太郎」「ブランコの音」「手品」の3ネタを次々と披露するチャンスに、酒井、「老人ホームでバカウケすると思うわ」。「星降る街角」と「失恋ピエロ」での、純烈名物「ラウンド」(全員が客席に下りてお客さんと握手して回る)に、チャンスも参加。「年末の紅白が大目標、ヒット曲なしで8年連続出ております、今年最大のライバルは、明日ここに出るモナキです」という酒井の言葉からのラスト曲は、今年2月リリースの最新曲「ありがとう」だった。
続く「お笑いコーナー」は、真空ジェシカ、三四郎、ラブレターズ。真空ジェシカは2024年のM-1グランプリ決勝でも披露した「ピアノがでかすぎるアンジェラ・アキ」(川北、客席へ乱入)、三四郎は「横綱になりたい」、ラブレターズは「リアルフェイクラッパー」で、それぞれ爆笑を起こす。
真空ジェシカ Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
三四郎 Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
ラブレターズ Photo by カタダ ショウヘイ(シブヤテレビジョン)
そしてトリは、11年ぶりのレキシ、4人編成のアコースティック・セットでのライブ。延々としゃべったり、PUFFY方面や久保田利伸方面に脱線したり、フロアに投げ込むイルカに喜ぶオーディエンスに苦言を呈したりしながら……つまり、たっぷりと時間をかけながら、「きらきら武士」「ギガアイシテル」「KMTR645」の3曲をパフォーマンス。次の「年貢 for you」を一緒に歌うために登場し、「なんで1曲歌う前にあんなにしゃべんだよ! 歌わねえなあと思ってたよ!」と怒るやついに、「もうおまえのDJの時間はない」と返す池ちゃん。イントロが終わって歌に入るタイミングをスルー、イントロがもう一周、またスルー──という技に、やつい、「何しに来たんだよ! 歌えよ! 決められたことをやってほしい!」と、さらにキレる。でも池ちゃん、実は今日の衣装は「トロピカル源氏」のMVだったそうで、「狩りから稲作へ」と「トロピカル源氏」で、最高潮にフロアを熱くして、持ち時間を終わらせた。
レキシ & やついいちろう Photo by ニッタ ダイキ
「信じられないくらい押してます!」と、自身のDJの時間を、フィナーレのためにスタッフが舞台を転換する時間と、会場の各所から出演者が集まって来るための時間に設定したやつい、3曲目の後半で、集まった出演者たちを呼び込む。そして、曽我部恵一のボーカルとギターが先導する形で、このフェスのテーマ曲「月が今夜笑ってるから、ぼくらそっと東京の空を見上げる」を全員で歌い、1日目を締めくくった。
2日目に続く。


























