
2022年の初開催から大好評を得ている究極の大人のパーティ「EBISU JAM」。4度目となる今回は、10月10日(金)から13日(月・祝)までの4日間、恵比寿ザ・ガーデンホールで開催される。
昨年は、Godiego (ゴダイゴ)、寺尾 聰、世良公則、大野雄二プロデュースLupintic Six & Fujikochansが出演し、大盛況のうちに幕を閉じた。今年は、[DAY 1] 10月10日(金)に安田成美、[DAY 2] 10月11日(土)に高岡早紀、[DAY 3] 10月12日(日)&[DAY 4] 10月13日(月・祝)には伊藤 蘭が出演し、豪華女性アーティスト3組が秋の恵比寿を華やかに彩る。3人とも女優であり、同時にシンガーとしてのキャリアもある。
10月10日(金)の初日を飾る安田成美は、1984年に「風の谷のナウシカ」で歌手デビュー、2024年にはデビュー40周年を記念して、同曲を細野晴臣のプロデュースでリメイク版を配信リリースしたことでも話題となった。今回は約40年ぶりのワンマンライブとなる彼女に、本公演への思い、意気込みなどをリハーサル後に訊いた。
昨年は、Godiego (ゴダイゴ)、寺尾 聰、世良公則、大野雄二プロデュースLupintic Six & Fujikochansが出演し、大盛況のうちに幕を閉じた。今年は、[DAY 1] 10月10日(金)に安田成美、[DAY 2] 10月11日(土)に高岡早紀、[DAY 3] 10月12日(日)&[DAY 4] 10月13日(月・祝)には伊藤 蘭が出演し、豪華女性アーティスト3組が秋の恵比寿を華やかに彩る。3人とも女優であり、同時にシンガーとしてのキャリアもある。
10月10日(金)の初日を飾る安田成美は、1984年に「風の谷のナウシカ」で歌手デビュー、2024年にはデビュー40周年を記念して、同曲を細野晴臣のプロデュースでリメイク版を配信リリースしたことでも話題となった。今回は約40年ぶりのワンマンライブとなる彼女に、本公演への思い、意気込みなどをリハーサル後に訊いた。
──安田さんが今回、改めてこういった形で、お客様の前でワンマンライブを行うことを決めた理由はなんだったのでしょうか。
一番の理由は、娘が歌うことを勧めてくれたことなんです。「とにかく失敗してもいいから、絶対にコンサートをやった方がいいよ」「それは自分のためだよ!」って、まるで親のような物言いをされて(笑)。確かにここのところ、自分自身に刺激がなかったな、という思いもあり、それならやってみようかな…と背中を押されたところもありますね。

──ソロでのライヴは実に約40年ぶりになるそうですが、その40年前のソロ・コンサートはどういったものだったのでしょうか。
今はもうなくなってしまいましたが、九段会館というところでコンサートをやったんです。その時は、初めてのアルバム(『安田成美』)を出した後で、シングルになった曲と合わせても、歌うレパートリーが少なかったんです。何を歌ったかは正確に覚えていませんが、今回のライヴのセットリストと似ているかもしれません。
──安田さんのデビュー曲「風の谷のナウシカ」は、松本隆さんと細野晴臣さんのコンビによる、今も人気の高い楽曲ですが、この曲を最初に渡された時のことは覚えていますか?
あの曲は、細野さんと松本さんが、締切の期限ギリギリに作られたんです。夜遅い時間に、急にスタジオに呼ばれて、とにかくその日にレコーディングしなければ発売に間に合わない、ということで、レッスンも何もしないまま、ほぼほぼその場で曲を渡された状態でした。でも細野さんと松本さんのお2人がそばにいて、「こういう風に歌ってみたら?」と、歌い方を教えてくださったんです。お2人の言う通りにやってみて、レコーディングが終わった時は、夜中の1時とか2時ぐらいになりました。外に出たときに、流れ星を見たことを今でも覚えています。
──それは何かいいことがある、という予感のようですね。細野さんの作るメロディーはかなり難しい曲に思えましたが、ご自身では当時、どのように思われていましたか?
歌う時は常にドキドキで、あの前奏が流れてくるだけで震えが走るというか、「ああ、またちゃんと歌えるかなあ」と、トラウマになったこともあります。発売した後は「ナウシカ」の映画のキャンペーンで、映画に出てくる大きな王蟲と一緒に、ずっと地方を回っていたんです。それこそデパートの屋上とか、商店街の真ん中で、台を置かれてその上に立たされて歌ったりしました。
──歌番組にも出演されていましたね。
確か『ザ・トップテン』の話題曲コーナーに出たことがあって、そういう時に限ってレコード会社の人がいっぱい観に来て、私も舞い上がっちゃって(笑)。でもとにかく毎回、一生懸命で、ヒットしたとかそういう実感はあまりないままでしたね。
──松本隆さんの詞の世界については。
松本さんには何曲も詞を書いていただきましたが、特に「風の谷のナウシカ」に関しては、映画の内容を凝縮して、あれだけの文字数で、3分間ぐらいの曲にしてしまったのがすごいなあと思います。でも、この曲がきっかけになったのか、その後、私に書いてくださる松本さんの詞は、どれもちょっと幻想的というか、宇宙人の出現みたいな(笑)。ファンタジーの世界が多いですよね。
──細野さんの曲も浮遊感があって、そのファンタジックな世界観が安田さんの楽曲の魅力だと思います。
そうですね。でも、私はその時は全然わかっていなくて…。子供たちが大きくなってからのことですが、3人の子供たちが、みんなそれぞれ別々のタイミングで「細野晴臣って知ってる?」って私に言うんですよ。特にロンドンに留学していた次男は、現地のお友達から聞いたらしく、「細野晴臣って知ってる?すごいんだよ」って私に言うので、「いや、『風の谷のナウシカ』を書いてくれたのは細野さんだよ」って答えたら「えーっ、ママ、すごいね!」って、もういきなり尊敬されちゃったぐらいの勢いでした。私の家は、家族ぐるみで細野さんファンなんですよ。

──「風の谷のナウシカ」は昨年、「銀色のハーモニカ」と併せて、2024ver.として新たにリリースされましたがこれも細野さんのアレンジでしたね。
それも、細野さんに私がラブレターを書いて、それでラジオに呼んでくださったんです。その時に「何かやりたいんです」とお願いしたら、「ナウシカ」をリメイクしようか、という話になって。細野さんも言った手前やらざるを得なくなり(笑)。そうして完成した作品です。次男が絵をやっているので、アートワークは次男にやってもらいました。
──新しいバージョンを歌ってみて、オリジナルとはまた違った良さがありますか。
「ナウシカ」の世界観は変わらないけれど、空気感が変わって大人になった印象がありますね。それはびっくりしました。細野さんが仰っていたんですが、2024年バージョンをヘッドフォンで聴くと、皆さん、泣いてしまうんですって。なぜだろうね、って話になったんですが、それも細野さんマジックなのかな。
リハーサルを終えて──本当に1曲1曲が宝物ですね。(安田)

──本日、ライブのリハーサルを拝見しましたが、安田さんご自身の楽曲の他に、細野さんのアルバムの曲をカヴァーされるようですね。
そうなんです! 細野さんのアルバムの中から、私の好きな曲で、女性が歌ってもいいかな、という曲を選びました。
──リハーサルで歌われている安田さんの声は変わらないですが、どの曲も、解釈が大人の女性の心情に聴こえてきました。
本当ですか? 私は今回、ライブで歌う曲を決めるために、久しぶりにアルバムを開いて「こんな素敵な曲をいただいていたんだ」と思いました。当時はその自覚がなくて、私、なんで感謝してこなかったんだろう…と反省もしました。それに、私が持っている曲でライブができる、その中でも今の私でも歌えるかな、という曲が多かったことも実感しました。本当に1曲1曲が宝物ですね。


──ファースト・アルバム『安田成美』には、細野さんの他にも高橋幸宏さんなど、当時第一線の作家たちが楽曲を書かれています。幸宏さんの「蝶をちぎった少女」も印象深いナンバーでした。
幸宏さんの書かれた曲は、かなり幻想的で、ドキッとする内容なんです。そこがカッコいいですよね。
──大村雅朗さんと松本さんのコンビで書かれた「トロピカル・ミステリー」は、安田さんの主演映画『青春共和国 トロピカル・ミステリー』の主題歌でした。
この曲もキャンペーンで、あちこちで何度も歌ったんです。詞も可愛らしいけれど、改めて読んだら、今の私が歌ってもOKな内容かなと思いました。
──デビューされた85年はリリースも多かったですが、それから3年後の88年に、セカンドアルバム『ジィンジャー』が発売されています。歌手活動が3年空いて、突然2枚目のアルバムが出た事情は何かあったのですか。
多分レコード会社との色々な兼ね合いがあって、「またアルバムを作りましょう」という話になったんです。その際に「誰に書いてもらいたい?」と聞かれて、私は以前から大貫妙子さんの大ファンだったので、大貫さんにお願いできたら…と言ったら、レコード会社の方が頑張ってくださって、プロデュースしてくださることになりました。これが初プロデュース作品だったそうです。大貫さんからはいただいた楽曲と共にお手紙も添えられていて、そこに「本人が喜んでくれると嬉しい」と書かれていて、感激しました。
──それにしても神秘的なナンバー、ロマンティックな楽曲、しっとりしたバラードからロックンロール調のものまで、色々なタイプの曲をお持ちですね。
そう思っていただけると嬉しいです。ライブでは私の歌でお客さんが退屈しないですかね?
──そんなことはないと思いますが…。
(木梨)憲武さんだけかもしれないけれど、若い頃の私のアルバムを聴いても、1曲で必ず寝ちゃうんですよ。アルバム一枚聴き終えたことがない(笑)。どうも私の歌には人を寝かせる力があるんじゃないかと思っていて、お客さんがみんな寝ちゃったらどうしよう…と。
──それも、気持ち良く聴けることの裏返しかもしれませんし、曲のバリエーションが豊富で飽きないと思います。でも実際、ライブは緊張されますか?
すごく緊張します。でも、9月に東京オペラシティで行った憲武さんのコンサート「木梨クラシック」で「風の谷のナウシカ」を歌って、その後、松本隆さんの55周年イベント「風街ぽえてぃっく」でも歌って、今度のソロコンサートと、1ヶ月半の間に立て続けに人前で歌うことになりますが、今日リハをやって、だいぶ気持ちが落ち着いてきたことを実感しました。これなら大丈夫、緊張しないで済むかもしれないな…というぐらいギリギリのところでやっています。
──10年前の「風街レジェンド」、4年前の武道館での「風街オデッセイ」、そして先日の「風街ぽえてぃっく」も拝見しましたが、安田さんが歌われると必ず間奏で拍手が湧くんです。
そうなんです。先日の憲武さんの「木梨クラシック」でも、オーケストラをバックに歌ったんですが、その時も間奏で拍手をいただきました。みなさん、心配してくれているんだと思いますが…。
──応援というか、励ましの拍手だと思います。
最初の「ナウシカ」が難しい曲だったこともあって、私はずっと「歌わされている感」があったんです。でも、最近になって、自分はすごく素敵な曲をいっぱい持っていることに気づいて、これだけいい歌があるのにもったいない、それなら歌いたいなと思うようになりました。
──役者としても活躍を続けている安田さんですが、歌と演技の違いはどこにあると思われますか。
例えば芝居で表現する際は、たった2、3分のシーンを1日かけて作り、1時間のドラマや2時間の映画にするのに、1〜2ヶ月かかりますよね。それが歌は3分間の中に凝縮して、インパクトのある言葉と曲で、人の感動を呼べる。だから歌っていいなあと思っていました。今回はそんなつもりで、その気になって歌いたいです。
──今回のワンマンライブは、どういったところに注目して欲しいですか?
来てくださるお客様が、どういう方達なのか、私の中では想像もつかないのですが、バンドの皆さんも含め、お客様も「来てよかった」「この時間を一緒に過ごせて良かった」と思える、そんな時間になるよう目指したいです。歌ってやはり1曲ごとに伝えるものがあり、聴く人も何かを感じてくださるはずですから、そこを濃縮してお届けするので、色々なドラマを楽しんでくださると嬉しいです。そこは芝居の仕事と似ていますが、今回の私のライブで、何かを感じ取ってくださったらいいな、と思っています。
──それでは、来場される皆さんにメッセージをいただけますか。
なるべく寝ないでくださいね(笑)。楽しんで聴いてください。私も頑張って歌います!










