G-FREAK FACTORY主宰「山人音楽祭 2024」、赤城・妙義・榛名の3ステージ、マエパ、MCバトルも復活し、5年ぶりの完全開催!熱狂の初日をレポ

ライブレポート | 2024.10.17 19:00

山人音楽祭 2024
2024年9月21日(土)日本トーターグリーンドーム前橋

G-FREAK FACTORY主宰による、群馬が誇るロックフェス『山人音楽祭 2024』が、聖地・日本トーターグリーンドーム前橋にて開催された。コロナ禍の開催中止や規模縮小といった苦難も経験しながら、その火を決して絶やすことなく、昨年、4年ぶりに聖地での開催を実現した『山人音楽祭』。今年は2019年以来となる野外の妙義ステージや、入場自由の野外飲食エリアとなるMAEBASHI PARK PARTY(愛称マエパ)も増設され、ついに完全復活!

ここでは長い歴史と群馬愛、出演者と観客を結ぶ厚い信頼関係と音楽への情熱に溢れた『山人音楽祭』を筆者目線でレポート。……というか、個性豊かで贅沢なラインナップに、『山人音楽祭』を満喫してやろう!ひとつでも多くのライブを観てやろう!と、意地汚く3ステージを駆けずり回った筆者の2日間の全記録です!

9月21日、初日。開演30分ほど前に、会場である日本トーターグリーンドームに到着。ここから始まる最高の一日に期待しながら入場口に向かうと、会場入口に飾られた巨大高崎だるまが人気フォトスポットになっていて、たくさんの人がだるまナメで、会場をバックに記念撮影していたりと、朝から楽しい雰囲気で実に良い。会場に入ると、まずはメインとなる赤城ステージが見える4階に移動して、巨大ステージにフロア、スタンドと会場の全景を眺める。「今年も『山人音楽祭』に来たんだなぁ」と思うと喜びがこみ上げ、テンションがグッと上がる。

開演時刻の午前11時になると、赤城ステージにNAIKA MCが登場。『山人音楽祭』の歴史を見届けて来た男が注意事項や業務連絡に続いて、野外の妙義ステージが復活したことを告げると、「ようやくリセット、元の位置に戻れました!」と嬉しそうに叫び、オーディエンスからも喜びの拍手が起きる。さぁ、いよいよ『山人音楽祭 2024』が開幕!赤城ステージのトッパーは、フェス百戦錬磨の打首獄門同好会だ。

打首獄門同好会

♪うまい棒を回せ!うまい棒を回せ!とオーディエンスにうまい棒を配布し、フロア中がうまい棒を振るというバカバカしく平和的なOPナンバー「デリシャスティック」で始まった、打首獄門同好会のライブ。曲に合わせてスクワットする「筋肉マイフレンド」と全員強制参加の曲が続いて一体感を生むと、もはや広い会場はすべて打首の手中。オーディエンスの水分補給まで気遣う新曲「BUNBUN SUIBUN」を披露すると、「みんなご苦労だったな。平日の苦労を乗り越えて、今日から3連休だぞ!」と大澤敦史(Vo&Gt)が告げ、「はたらきたくない」で頑張ってるみんなの労をねぎらう。今年も全国のフェスに多数出演し、ヘヴィさとユーモアにより磨きがかかった感のある打首。ライブ終盤は「きのこたけのこ戦争」、「島国DNA」と、楽しくて美味しい曲を連投してフロアをブチアゲて、ラストは「日本の米は世界一」で堂々フィニッシュ! 『山人音楽祭』の特攻隊長としての役目をしっかり務め上げた。

そして、打首のライブ後は、会場内の位置関係を把握しておこうと、全エリアを巡回。まずは1階まで下りながら、ドーム内にある飲食店を物色。立ち食いそばにラーメンに群馬名物のもつ煮と、グルメな競輪ファンの腹を満たすフードカウンターはどれも魅力的だが。グリーンドームといえば、やっぱり「カレーショップスワン」のヒレカツカレー!ちょうど昼飯どきだし、打首聴いて腹減ったし、売り切れたらイヤだし。列に並ぼうかとも思うが、「MAEBASHI PARK PARTY」の出店もチェックしたいと欲張りな気持ちが生まれて、一回スルーして、榛名ステージまで降りる(この判断のせいで全アクトが終演するまで、なにも食べれないことになるのだが……)。

榛名ステージではENTHがライブの真っ最中。3人の鳴らす爆音にオーディエンスが拳を上げて応え、フロアには強烈な熱気が上がってる。スゲェ!グリーンドームの地下に位置し、薄暗い雰囲気の中で観客が密集するこのステージは、ライブハウスさながら。続いて屋外に出て、まだライブアクトの行われていない妙義ステージを見学。こちらは野外ならではの開放感があって、曇り空ながらほどよい気候がとっても心地よい。広いステージでのアクトをフロアで暴れるも良し、スタンド席で優雅に眺めるも良しと、自由に楽しむことが出来る赤城ステージと、ライブハウスの雰囲気をガッツリ楽しめる榛名ステージ。そして、綺麗な山々を眺めながらライブが楽しめる妙義ステージと、全く異なる魅力を持つ3つのステージが揃っているのは、『山人音楽祭』の大きな魅力。

おとぼけビ~バ~

会場をひと回りしたところで榛名ステージに移動して、おとぼけビ~バ~を観戦。海外のアーティストから高く評価され、今年イギリスの『グラストンベリー・フェスティバル』の大舞台にも出演している彼女ら。もちろん音源は聴いてるし、お噂はかねがねといった感じだが、ライブを観るのは初めて。よよしえ(Gt)が「Are You Ready!?」と叫び、「ヤキトリ」で始まった、彼女らのライブ。キュートにポップに激しくノイジーに、チャカポコしたビートがドガドガと激しいブラストビートに急変したり、直情的な爆音と痛烈なシャウトで圧倒したりと、矢継ぎ早に披露される楽曲たちは、変幻自在に姿かたちを変えながらむき出しの感情でオーディエンスの心をぶっ刺す。強烈なエネルギーを放つ、あっこりんりん(Vo)のボーカルとパフォーマンスも衝撃的だった彼女らのステージ。30分という短い時間ながら、やりもやったり全15曲!ラスト「あなたわたし抱いたあとよめのめし」で駆け抜けた後、その余韻や残響にオーディエンスが呆然としてたのが印象的だった。

The BONES

赤城ステージに移動すると、The BONESが始まったばかり。これまでなかなかタイミングが合わず、今年が『山人音楽祭』初出演となったThe BONES。「やっと出れたぞ!」とJESSE(Vo&Gt)が感慨深げに叫んで気合い十分で挑んだライブは、感情がこぼれ落ちるほど前のめりかつ攻撃的で、オーディエンスも大熱狂!「We are The BONEZ」では、「まだまだ足りねぇ」とばかりにフロアに!会場の熱をさらに上げた。完全に火の着いたオーディエンスを「New Original」でぶっ掻き回すと、嬉しそうな表情で「最高!」と声を上げる。最新曲「Straight Up feat.Kj」では、盟友・Kjをステージに呼び込んで激しく美しくドラマチックなパフォーマンスで魅せ、オーディエンスは大興奮。ラストは会場に響く大合唱が起きた「Thread & Needle」から、「来年も会おうな!」と約束して始まった「SUNTOWN」を全身全霊で届け、ステージ上でそのままぶっ倒れたJESSE。この日、命の儚さや尊さを繰り返し語っていたJESSEだったが、全身全霊のパフォーマンスからは、「だからこそ、いまだけはみんなと燃えていたい」という想いがビシバシと伝わってきた。観る者の心を強く揺さぶる、本当に素晴らしいステージだった。

サンボマスター

続いて赤城ステージに登場したのは、サンボマスター。スタンド席までしっかり埋めつくす観客を集め、始まった1曲目は朝の情報番組でも知られる「ヒューマニティ!」。続いて、18年前にサンボマスターの名前を世に知らしめた「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」と続き、今夏リリースしたばかりの新曲「自分自身」へ。新旧織り交ぜたライブを見て感じたのは、彼らはロックバンドとしての芯の部分は全くブレないままに、お茶の間にも響くロックンロールを鳴らしながら、ライブスキルや演奏力も高め続けていて。これだけ大勢の観客を沸かせる存在として、いまも日本のロックの第一線に居続けるという凄まじい事実。ライブの前半を見終えたところで、後ろ髪を引かれながら、妙義ステージへ移動。もっと見たかったけど、続きは日本武道館で観ることにする。

佐藤タイジ

妙義ステージに到着すると、「佐藤タイジです。今年、THEATRE BROOK30周年なんですよ!」というあまりに軽妙な挨拶に、「知ってますよ!」と思わずツッコミたくなるほど近しい距離感で始まった、佐藤タイジのライブ。奥さまとの会話から生まれたという、THEATRE BROOKの新曲「私をアムスに連れていって」でスタートすると、色気ある圧倒的な歌声と巧みなアコギの演奏でオーディエンスの心をガッツリ掴み、「名作やろ?メロディ忘れないやろ!?」と自画自賛。この緊張と緩和もたまらない!続いて巧みな話術から、THEATRE BROOKの「白クマとボノボ」を披露。……正直に告白すると、このタイミングで我慢出来なくなってビールを購入していた俺。穏やかな気候の下、ビール片手に最高の音楽を浴びる至福の時間に笑顔が止まらない。ここで自身が主催する『中津川 THE SOLAR BUDOKAN』の話題に触れ、「これからの子どもたちのためにも、俺の人生は日本の再生エネルギーを100%にすることにかける。それを音楽で果たす」と、自身に託した使命を熱く語った佐藤。「ありったけの愛」を気持ちいっぱいに歌って世界に愛を届ける佐藤に、その言葉の本気さとミュージシャンの矜持を感じた。

公演情報

DISK GARAGE公演

山人音楽祭 2024

2023年9月21日(土)22日(日祝)日本トーターグリーンドーム前橋

■出演者 ※50音順
・9月21日(土)
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV

・9月22日(日祝)
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY

■山人MCバトル×戦極MC BATTLE 出場者 ※開催は9月21日(土)
アイカワヒトミ / Amateras / armadillo / MC☆ニガリaka赤い稲妻 / 小池潔宗 / Shamis / DOTAMA / ピラフ星人 / Bendy / 歩歩 / MAKA / ミメイ
DJ:R da Masta / 司会:NAIKA MC

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    赤城ステージ撮影

    HayachiN

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  • Kazuya Kohsaka

    榛名ステージ撮影

    Kazuya Kohsaka

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    妙義ステージ撮影

    タマイシンゴ

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