ニューロティカ、満月の日比谷野音で宣誓!「来年もその先も、激しく、楽しく、明るく行こうぜ!」

ライブレポート | 2023.11.08 17:15

野音deロティカ ~THANK YOU ロックバカ~
2023年10月29日(日)日比谷野外大音楽堂

「来年、ニューロティカ結成40周年! 井上篤、還暦まで付いてこい!!」
 
アンコールの「チョイスで会おうぜ!」の曲中。野音に集まったロティカアミーゴに向けて、2024年に控えた結成40 周年、そしてあっちゃんの還暦への熱い意気込みをアツシ(Vo)が叫ぶ! 今年、結成39年を迎えたニューロティカが、昨年7月に行った31年ぶりの野音ワンマンに続く、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ『野音deロティカ ~THANK YOU ロックバカ~』を開催した。
 
2023年は、5月より39周年記念ワンマンで東名阪クアトロライブを行い、6月に通算20枚目となる最新アルバム『ピエロイズム』をリリース。新宿ロフトでは1月より10ヶ月に渡ってマンスリーで開催していた対バンシリーズイベント『ビッグ・ウェンズデー』を敢行と、精力的な活動を見せてきたニューロティカ。そんな39周年の集大成であり、お客さんへの感謝の気持ち(39=THANK YOU)を込めた野音ライブは、「去年もやったし、集客ヤベェんじゃねぇの?」なんて不安も吹っ飛ばして。超満員とはいかないながら、全国の熱いロティカアミーゴたちが集結! 猛暑でダラダラと汗をかいてた昨年とは異なり、涼しい秋風がそよぐ会場に、ワイワイと賑やかなお祭りムードが漂う中、いよいよライブが幕を開ける。

アツシ(Vo)

 照明が落ち、「炎のファイター」のオーケストラver.が厳かな雰囲気を演出すると、ペンライトの光で真っ赤に染まった野音の客席。いつものSEに切り替わり、大きな手拍子と歓声に包まれて勢いよくステージに飛び出してきたのは、白いツナギの衣装で揃えたRYO(Gt)、ナボ(Dr)、カタル(Ba)。カタルの「Yes,ニューロティカ!」の叫びから、ジャカジャ~ンのかき回しを合図にステージ後方のたれ幕が上がり、あっちゃんが登場! 「俺たちがニューロティカだ!」と力強く宣言して、勢いよく始まった曲は『ピエロイズム』のオープニングナンバーである「全力男」。『ピエロイズム』のロゴをあしらった真っ赤な敷物がプロレスのリングを想像させる、闘魂みなぎる野音のステージで、ど頭から全力の歌と演奏、全力のパフォーマンスで魅せる4人。観る側の心構えもあると思うが、31年ぶりの去年の野音と比べた時にステージの4人が良い意味で肩の力が抜けてる感があり、大舞台ながらライブハウスと同じ勢いや印象を感じたのは僕だけじゃないはず。

ナボ(Dr)

「お前らの声、聞こえるぜ!」と嬉しそうな表情を見せたあっちゃんがいつもより派手なアクションを見せた「アクションパンクロッカー」、野球の場内アナウンスで始まり、メンバーもベースボールシャツを着て披露した「背中のナンバー7」と、『ピエロイズム』の新曲が続くと、曲紹介にワッと歓声が上がり、ナボのパワフルなドラムで始まった曲は、初期の名曲「東京DYNAMITE 」。お祭り騒ぎを勢いづけると同時に、生きるか死ぬかの瀬戸際に打ち勝った友人、東京ダイナマイトのハチミツ二郎へのエールにも聴こえるこの曲にグッときてると、「二郎ちゃんはまだまだ俺とやることがいっぱいあるんで、はりきって行きましょう!」と、あっちゃんがメッセージを贈る。仲間想いで男気ある、こういった面があっちゃんのカッコいいところであり、人を惹きつける魅力だが。照れ隠しなのか、オチのない野球寸劇を挟んで、わざわざ観客の失笑を生むカッコつけきれないところも魅力と言えば魅力(笑)。

軽快なビートに観客が体を揺らした「藤屋ミュージアム」から、<ヤラしい恋がしたい>と<アンアアン>の声を強制的に上げさせた「夏・心・39才」と明るく楽しい新曲が続き、「ライブハウスモンスター」のエネルギッシュな歌と演奏でライブバンドの凄みを見せた4人。去年の野音のテーマ曲である「涙腺グルグル」に、会場中がペンライトをグルグル回して一体感が生まれると、「同じ時代に同じロックを聴いてくれて、最高にありがとう!」と、あっちゃんがファンに感謝の気持ちを伝える。ロマンチックで夕焼け感ある「空っ風」をたっぷり気持ちを込めて熱唱して会場の空気を変えると、夜空に満月の光が美しく光る秋の夜にぴったりなその歌声と演奏に浸っていた観客から大きな拍手と歓声が起きる。

と、ここまで、『ピエロイズム』の新曲を中心としたセットリストだったが。すでにライブで鍛え上げてきた楽曲ばかりなので、当然ながら危うさは全く無いし。ロティカらしいライブ映えする楽曲ばかりなので、物足りなさも全く無かったが。「次のブロック……おっと、次の曲たちなんですけど、“昭和の男”をイメージした曲を集めてみました」というMCから、「男! 男! 男!」と始まった「男達の心(うた)」、カタルの攻撃的なベースで始まった「L・O・E」と男臭い初期楽曲が続くと男性ファンから熱い拳が上がり、過去曲を求めていたファンも大満足させる。

カタル(Ba)

熱い闘魂を燃やした新曲「俺たちは◯◯◯◯◯◯◯◯の子」でステージ前方のスパークラーが噴射して、野音ならではの演出で会場を沸かすと、哀愁溢れるRYOの渾身のギターソロで始まった「飾らないままに」で自分の意志を貫く男の強さを熱く歌い、聴く者の胸をギュッと締めつける。飾らないまま、変わらないまま、自分の意志を心のままに貫き続けているからこそ、最新曲も過去楽曲も変わらず心震わせるし、変わらずカッコいいんだということをこのブロック、おっとこの楽曲たちでは証明していた。

RYO(Gt)

新宿ロフトの思い出話から、「新宿ロフトを卒業出来ない男たちの歌です」と披露した「西新宿の月」、賛美歌×パンクという斬新すぎる組み合わせがどこか神々しい雰囲気を醸した「賛美歌パンク」と再び新曲が続き、コロナ禍を支えた「翼なきもの達」を気持ちいっぱいの歌と演奏で届けると、ライブは終盤戦へ。ミラーボールとペンライトの光が優しく包んだ「東京花火」を切なく美しく野音の夜空に響かせると、「武道館の時、コロナでタオルが回せないって言われて。パンクバンドでペンライトって嫌だったけど、すっごい綺麗ですね」とステージから見える美しい光景に感動していたあっちゃん。

「「賛美歌パンク」の時、教祖に見えたよ?」と言うナボに、「明日、藤屋でツボでも売ろうかな?」と調子に乗ったあっちゃんが、「これからもみんなと一緒にバカやっていきたいと思います。そんな『ピエロイズム』の原点です。この想い、天まで届け!」と叫び、始まった曲は「ア・イ・キ・タ」。観客から熱い拳と掛け声が上がり、客席に再び熱気が上がる。続く、「永遠ピエロ」を熱くエモーショナルに届けると、ステージを明るく彩るダンスチーム“あっちゃん好き好き隊”と一緒に歌い踊った「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」に会場中が振り付けやニューロティカコールを合わせて、明るく楽しいクライマックスを生む。本編ラストは「つべこべ言わずに!?」「やっちゃえ!」のコール&レスポンスで始まった、「やっちゃえ!」。<やっちゃえ!>の叫びにキャノン砲で銀テープが放たれる派手やかなラストは、39周年の集大成にふさわしい光景だった。

『ピエロイズム』から生まれた新キャラクター“ニンニクマン”で登場したあっちゃんがキュートなニンニクダンスで会場中を笑顔にすると、楽器隊3人がインスト曲「chaser」でクールにカッコ良く決めて始まったアンコール。野音名物、人、2人分はある巨大あっちゃんマンが登場して、「気持ちいっぱいビンビンビン!!」のタオル回しで会場に一体感を生むと、舞台袖からずっと見守っていた3mはある巨大あっちゃんバルーンも楽しそうに手を回す。続く、「チョイスで会おうぜ」ではイヤモニをして客席に降りたあっちゃんが、会場の中央にセットされた360°ステージでパフォーマンス。会場中が♪チョイス! チョイス!とジャンプを合わせ、慣れないイヤモニに音を合わせられず、苦笑いして歌うあっちゃんをフォローする観客の大合唱が生まれたこの曲が、“みんなで野音のライブを作る”という思わぬ演出を生むと、楽しかった野音ワンマンもいよいよエンディング。

「来年もまた楽しいことをたくさん考えております。また、みなさんと一緒にバカやれれば、これ幸いかと思います。そのためにも来年もその先も、激しく、楽しく、明るく行こうぜ!」
 
あっちゃんが会場にいる一人ひとりに力強く告げ、RYOのギターとあっちゃんの真摯な歌声で始まったアンコールラストの曲は、「ロティカ 3つの誓い」。<激しいまま 楽しいまま 明るく行けよ>と誓い、<俺たちの生き方 間違いじゃないのさ>と力強く告げるこの曲に、40周年へ向けての希望の光が明るく眩く照らす中、野音ワンマンは大成功で幕を閉じた。
 
終演後、「二〇二四年は一年中お祭り騒ぎ!!」とキャッチが付いた、2024年のスケジュールを発表したニューロティカ。10月5日(土)『ニューロティカ 40th ~あっちゃん還暦祝賀超大祭~』J:COMホール八王子、そして10月20日(日)『ニューロティカ40th ~あっちゃん還暦披露宴パーティー~』浅草花劇場という大舞台に向けて、ニューロティカ40周年やあっちゃんの還暦を祝うライブやツアーがこれでもかと目白押し! 糖尿病もなんのその、老体にムチ打って激しく楽しく明るいパンクロックを全国に届ける、還暦ピエロの活躍に刮目せよ!! ライブの詳細はニューロティカの公式ホームページをチェックして欲しい。

SET LIST

01. 全力男 ※
02.アクションパンクロッカー ※
03.背中のナンバー7 ※
04.東京DYNAMITE
05.藤屋ミュージアム ※
06.夏・心・39才 ※
07.ライブハウスモンスター
08.涙腺グルグル ※
09.空っ風 ※
10.男達の心(うた)
11.L・O・E
12.俺達は◯◯◯◯◯◯◯◯の子 ※
13.飾らないままに
14.西新宿の月 ※
15.賛美歌パンク ※
16.翼なきもの達 ※
17.東京花火
18.ア・イ・キ・タ
19.永遠ピエロ
20.絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
21.やっちゃえ! ※
22.ニンニクマン ※
23.chaser
24.気持ちいっぱいビンビンビン!!
25.チョイスで会おうぜ
26.ロティカ 3つの誓い ※

※「ピエロイズム」収録曲

ニューロティカ「 野音deロティカ」Spotify Playlist

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公演情報

DISK GARAGE公演

「八王子魂 Festival & Carnival 2023」DAY2 に出演!

ニューロティカ LIVE INFO

札幌イズムdeロックバカ~ワンマン~
2023年11月18日(土)札幌PIGSTY

HELLsy & The Dynamites presents「CITY BOY NIGHT vol.29」
2023年11月19日(日)札幌PIGSTY

ATTACK FROM LIVEHOUSE 2
2023年11月24日(金)下北沢シェルター
w/チャラン・ポ・ランタン

HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-1 30th Anniversary“HAPPY SONG! WE LOVE ROCK MUSIC!”
2023年11月25日(土)HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-1
w/LACCO TOWER

サンキューイヤー総決算 ~ピエロゼミナール~
2023年12月10日(日)下北沢CLUB Que
2023年12月16日(土)大阪LIVE HOUSE Pangea
2023年12月17日(日)名古屋CLUB UPSET
チケット一般発売 11月12日(日)10:00

『新宿LOFT de 心燃会 2024』
2024年1月3日(水)新宿 LOFT
チケット一般発売 11月12日(日)10:00

ニューロティカ 40th ~あっちゃん還暦祝賀超大祭~
2024年10月5日(土)J:COMホール八王子

ニューロティカ40th ~あっちゃん還暦披露宴パーティー~
2024年10月20日(日)浅草花劇場

他にもライブ情報を続々更新中!
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    撮影

    たたみ

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