編集部:永積さんにとって、〇〇の秋を教えてください!
永積 崇食欲の秋かな(笑)……秋が一番好きなんですよ。というのは、遠くのことを近くに感じるからじゃないかな。どうしても「歌」に還元しちゃうんだけど、前々から、距離とか空間とか間とかにかなりこだわりがあって。そこを含めて歌うみたいなところがある。秋に歌いたくなるのは、自分の空間が広がって、ちょっと人と距離ができているような気がして切なくなったり、遠くのものを近くに寄びよせたくなったり、そういうことが好きなんだろうね。人との距離感もそうだけど、色が出てきたり、西日が差して影が鋭角に出てきたり、見慣れた建物も違う距離感が生まれたりする瞬間があって、呆然と道端に立ち尽くすみたいなさ。秋は、そういうエネルギーを持っているから好きなんですかね。匂いもね、今だったら金木犀とか。以前にリリースした『だれそかれそ』というカバーアルバムのタイトルの語源にもなった黄昏時(たそがれどき)って、自分の中ではこの時期のことで。夏にガーッと夢中になって、必死に生きて来たところが、急に秋になって、隙間ができる感じが……そういうときに「おーーーい!」って言いたくなる。「歌ってますー!」って(笑)。
編集部:永積さんのようにふとした日常に想いを寄せる瞬間も秋にはぴったりですね。
このお話を読んで秋に聴くハナレグミの音楽もまた、
いつもと違った気配になるかもしれません。
永積さん、ありがとうございました!
このお話を読んで秋に聴くハナレグミの音楽もまた、
いつもと違った気配になるかもしれません。
永積さん、ありがとうございました!