東京キネマ倶楽部で開催されたUNCHAIN「Get Acoustic Soul 2019」ツアーファイナルを観てきました!
わたしが高校生の時、下北沢のライブハウスに出演されていたのを友達と最前列で観たこともあり、これまで何度もライブは観させてもらっていたんですが、アコースティックは初めて。
スーツ姿でステージに上がり、Vo谷川さんの歌声からはじまりその時既に、このアコースティックライブが素晴らしいものになると確信しました。静寂に放たれた谷川さんの声は、いつもより優しく、森の中にいるようでした。これはこのスタイルならではの姿。素晴らしい歌声がより一層引き立つはじまりでした。
最初のMCで、「アコースティックというより錬金術」とおっしゃっていた通り、結成22年の4人の血肉になったグルーヴに痺れ続けました。そしてさっきは森の中にいたのに、ある曲では照明も相まって映画に出てくる海外のバーラウンジにいるような気分になったり。
わたしのラジオでも紹介した最新アルバムの「LIBYAN GLASS」からも「FLASH」「アイスクリーム」をアコースティックアレンジで届けてくれました。
そしてUNCHAINといえば「make it glow」、わたしも中学生の時にこの曲のMVを観たのがきっかけです。この曲をミディアムナンバーで披露してくれて、それがとっても素晴らしく、原曲は真昼間にドライブしたいイメージですが、夕暮れの海で聞きたいようなアレンジに様変わり。同じ曲なのにどの曲も全く違ったイメージを見せてくれます。
英詞のイメージが強いかもしれませんが、日本語詞でかかれた楽曲たちの歌詞もすごく好きで、なかでも「Rainy Dance Floor」が披露された時はその世界に深く入り込みました。
吉田さんがカホンで立ち位置を変えて演奏された時も、息の合い方に感動しました。巧みという言葉がぴったり。
そこまでアコースティックギターだった谷川さんがピアノの弾き語りを披露してくれたも新鮮で、特に「Quarter」ではそのシリアスなアレンジに惹きこまれ息を飲みました。
UNCHAINの魅力はもちろん演奏だけではありません。グッズ紹介ではGt.佐藤さんの美声が聴けます。こんなにユーモラスなグッズ紹介は初めて観ました。何より今回は佐藤さんは座りスタイルでギターを演奏されていたのですが、エレキもアコギも力まない大人の余裕が最高でした。
さらに今回感動したのがUAさんをカバーされた「情熱」!カバーをここまで自分たちのものに出来るバンド、なかなかいません。まだ知らない方はまずカバーアルバム「Love & Groove Delivery」を聴いてみてください。
このライブでも終始谷川さんの圧倒的歌唱力にやられるわけですが、何がすごいって、どこでブレス取ってるのかわからないんですよ。音としても姿としてもほぼわからない。ファンの方々が「いつまでも聴いていたい!」とおっしゃっているのもこういう部分の凄みがあるからだと思います。
技術面でも説得力が半端ではないです。今回アコースティックだからこそより気づけたことでもあります。
そして個人的に大好きな「departure」が聴けたことも、アンコールでは新曲「Distant Neighbor」、さらに最後は「get down」。最高でした。
ラスト、今回もサングラス姿でウッドベースも使いとても気持ちいいベースを鳴らしてくれた谷さんがサングラスを外し笑顔で「ありがとう!」と去っていかれたのが印象的でした。
全ての楽曲で、改めてずっと呼吸がぴったりで、例えば”回して締める”部分も恐ろしいくらい華麗に決まるのが本当に気持ちが良かったです。これは20年以上共に鳴らしてきた4人にしかできないことです。
素晴らしい演奏を見させていただいた後、キネマ倶楽部近くの公園に咲いた桜はとても綺麗でした。