憧れのふざけた大人の代表~赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学夏期講座

コラム | 2016.07.28 18:30

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最近の「おそ松さん」の何度目かのブレイクにより、その原作者として今の若者たちにも赤塚不二夫という名前はまた新たに広がった気がする。

今の「おそ松さん」大ブレイクはあるが、一般の人たちからすると赤塚不二夫と言えばやはり「天才バカボン」であり、えっそうなの!?という若い人も多いが、アニメや実写などで今もリメイクされ続けている少女漫画の「ひみつのアッコちゃん」も実は赤塚先生の作品である。

赤塚先生は49歳の僕の世代よりも更に上の世代のスター漫画家で、僕自身はその後の世代のギャグ漫画の「がきデカ」「マカロニほうれん荘」から「すすめ!!パイレーツ」そして「Dr.スランプ」が始まったくらいが一番漫画を読んでた時期なので、「天才バカボン」や「もーれつア太郎」とかは、親戚のお兄さんの部屋の本棚にあるのでたまに何となく読んでたくらい。どちらかというと、その頃テレビに出始めたタモリや色んな文化人とテレビに出て、ヘンな事ばかりやってる赤塚先生の方が思い出深い。

でも今回のように僕が大人になってからも何度か赤塚不二夫ブームはあり、その時に改めてバカボンなどを読み直してやっとその凄さに気付いたのだった。

今も伝説として語り継がれる、バカボンに急に劇画タッチや少女漫画のコマが入ったり、右手をケガしたからと左手で描いたり、漫画すら描かず文字だけになったり。

子供の時には読みながら幼心に「ヘンなの」「ふざけてるなあ、だいの大人が何やってるんだろう」と意味が分からず流し読みしていた。

そしてその後に色んな大好きなギャグ漫画を読んでいき、大人になってから改めて読むと、どのギャグ漫画を見ても「そうか、赤塚先生がすべて先にやってたんだ…」と気付かされ、今さら感動したのだった。

そんな風に大人になってから赤塚先生に何度か興味を持たされたのは他にも理由がある。

今僕が一緒に仕事をするクリエイターやアーティストの方々、そしてタモリに代表される好きな文化系タレントの方々からもことごとく赤塚先生の影響を感じさせるからだ。

ある知り合いの有名クリエイター男性は赤塚先生が好き過ぎて生まれた子供に「不二夫」と名前をつけようとした(奥さんに断られたらしい)。
赤塚ファンのミュージシャンたちによる赤塚不二夫トリビュートアルバムもある。
電気グルーヴやスチャダラパーが大ファンで、トリビュートライブやトークに出たのも話題になった。
そして赤塚先生の産んだタレントの代表といえばやはりタモリである。

「自分も赤塚作品のひとつ」というあの有名な弔辞を読んだタモリの、これまた有名な発言に「真剣にやれよ!仕事じゃねえんだぞ!」というのがある。

それを聞いた時に真っ先に赤塚先生を思い出した。
そうだ。今にして思うと子供の頃バカボンを読んだ時の最初の印象は「とにかくふざけてる」だった。

大人になってから、自分の好きなアーティストはみんな昔から一生懸命ふざけてるだけなんだ。真剣にふざけてる自分を表現してるだけなんだ。そう気付いた。

そして僕と同じく真剣にふざけた大人になろうとしている人たちのルーツには、いつも赤塚不二夫がいるんだという事に何度も気付かされたのだ。

いま「赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学夏期講座」というあきらかにふざけている講座イベントが開催されている。

赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学夏期講座 オフィシャルサイト

このそうそうたる出演者の、これまたそうそうたるふざけた紹介写真を見てほしい。
くだらない。本当にふざけてる。

空耳アワーや遅刻魔でおなじみ安齋肇さんにいたっては講座のタイトルが「ちこくでいいのだ」であった。いいわけないじゃないかそんなの。でもこのふざけた写真やこの講座タイトルを見て「ああ、やられた・・・」と悔しがっている自分がいる。

いい歳したおっさんたちから若いコたちまで、「憧れのふざけた大人」になりたい人たちがこの講座に沢山集まるのだろう。
そんなんでいいのか。
いいに決まってるじゃないか、これでいいのだ。

 

赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学夏期講座

<受講スケジュール>
■7月29日(金)斉木しげる
会場/虎ノ門講堂(ポニーキャニオン本社)開演/19:00(開場/18:30)
■8月19日(金)タナカカツキ
会場/虎ノ門講堂(ポニーキャニオン本社)開演/19:00(開場/18:30)
■8月22日(月)田原総一朗
会場/桑沢デザイン研究所 1階 開演/19:00(開場/18:30)
■8月24日(水)しりあがり寿
会場/虎ノ門講堂(ポニーキャニオン本社)開演/19:00(開場/18:30)
■9月9日(金) 細川徹
会場/虎ノ門講堂(ポニーキャニオン本社)開演/19:00(開場/18:30)
■9月13日(火)ETT(江口寿史、大地丙太郎、田村信)
会場/桑沢デザイン研究所 1階 開演/19:00(開場/18:30)

→赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学夏期講座 オフィシャルサイト

バカ田大学 ライブレポート

赤塚不二夫生誕80年企画「バカ田大学」

→赤塚不二夫生誕80年企画「バカ田大学」 2016年12月5日(土)「ちこくでいいのだ」安齋肇先生

横山シンスケ

49歳。お台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」店長・プロデューサー。その前10年くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサーや店長。子供の頃はバカ田大学は実在すると信じてたくらいバカだったのだ。東京カルチャーカルチャー:http://tcc.nifty.com/ 横山シンスケ ツイッター:https://twitter.com/shinsuke4586