FIVE NEW OLDが「初めて立ったステージ」は?

スペシャル | 2023.05.23 18:00

──みなさんが初めて立ったステージの思い出を教えてください。
WATARU(Gt/Key)僕は中学校の時に、同級生と、地元の伊丹市の多目的ホールみたいな施設で。「無料で出れます」みたいなやつで、バンドだけじゃなくて、いろんな人、出てたんですよ。で、むちゃくちゃ業界人みたいな、サングラスかけた女の人が……僕、マルチエフェクターを使ってたんですけど、「へえ、これ使ってるんだ?」みたいに言われたのを、むっちゃ憶えてて(笑)。
HIROSHI(Vo/Gt)その人誰?
WATARU誰かわかれへんねん。
──曲は何を演奏されたんですか?
WATARU何やったかなあ?……アジカンとか、やってたんじゃないかなあ。175Rとかも……あ、ブルーハーツもやったわ。
──楽しかったですか?
WATARU憶えてないです。気づいたら終わってた。めちゃ緊張したことぐらい、憶えてることって。
SHUN(Ba) 僕は高校2年生の時、同級生と組んだバンドで。メンバーのひとりが、もともと路上ライブとかやってる奴で、その界隈に、もう路上で人を集めてるような人とか、メジャーから声かかるような人がいたんですよ。そいつがその人たちを「一緒にやろうぜ」って誘って、自分たちで企画して、200〜300人ぐらい入って──。
HAYATO(Dr)初ライブで!?
HIROSHIすごいやん!
──どこでやったんですか?
SHUN僕、札幌なんですけど、メッセホールっていう──。
──えっ、行ったことありますよ。プロがやるハコじゃないですか。
SHUN当時は、路上でやってるアコースティック系のアーティストも出ていて、そのつながりで僕らもやったんですけど。その路上でやってたメンバーが、すごい賢い奴で、「こうしたら人が入るだろう」とか、計算しながら。
──緊張しました?
SHUN緊張もしてたと思うんですけど、めっちゃ興奮しまくってた、とにかく楽しくて。人前でそんなこと、したことなかったんで。
──曲は?
SHUN全部コピーなんですけど。エリック・クラプトンの「Change the world」のパンク・カバーをしている人のコピーとか、「俺らがパンク・アレンジしました」みたいな顔をして、(笑)。あ、1曲オリジナルもやった。
──でも、いきなりそんな人数の前でやれたら、それは味をしめますよね。
SHUNそうですね。だから、この先やっていくためには、人を入れなきゃいけない、っていうずる賢さを、そこで身につけて。その次にやったバンドも、そういう計算をしながら。最初に、moleっていうハコを埋めるまでは見えた上で、始めた。
HAYATOすげえなあ。
SHUN で、ちゃんと埋まりました。
──じゃあお客が5人とか10人っていうのは、経験したことがない?
SHUNそうですね。対バンとかでも、70〜80人は入ってました。
WATARUはあー……。
SHUNで、当時はまだ流行ってなかったですけど、ライブの動画を撮って、mixiとかに上げて、東京の事務所から声がかかったり。
HAYATO強っ、エピソードが(笑)。俺は、ライブより全然前に……小学6年生の時、和太鼓で、市民会館みたいなところで……和太鼓を横に並べて、「長良清流のぼり打ち」って曲があるんですけど、それをやった憶えがあります。だから、和太鼓デビューです。
WATARUはあー。タイコなんや?
HAYATOうん。学校で毎年その時期に、6年生の、やりたい人が立候補して。で、2ヵ月とか3ヵ月練習して、一回だけのステージに挑むという。それが初めて舞台に立った時。
──やってみていかがでした?
HAYATOすごい気持ちよかったです。お客さんも盛り上がって。叩きながらだんだん横に移動していくフォーメーションなんですけど……これ、言うの恥ずかしいんですけど、当時僕、謎にアクロバットが好きで。「長良清流のぼり打ち」をやっている間に、俺が前でバク宙する。
3人はははは!
HAYATOそれがいちばん緊張したのは憶えてます。バンドの方は、高校に入学して、先輩のバンドに誘われてライブハウスに行ったら、「次は歌って」って言われて。で、ツインボーカルで。初めてステージに立ったのは、ボーカルでした。ドラムを始める前です。
──なんの曲?
HAYATOSHACHIの「ヒマワリ」とか、SNAIL RAMPとか、SUM41とか、4〜5曲歌ったような気が。スタジオに二回入っただけで……その時に、楽器の生演奏の音圧が、すごいかっこいいな、と思って。でも、ステージっていう、人より高いところに立って歌うのは、すごく足が震えた憶えがありますね。だから、HIROSHI、すごいな、って思います(笑)。今でも、ライブでMCを振られた時とか、緊張して声震えるんですよ。
HIROSHI僕は、ステージって言われてパッと思い出すのが、お芝居で。幼稚園の時に、キリスト教の幼稚園に行ってたんですけど、受胎告知、マリア様がキリストを身ごもるシーンのお芝居をやったんですよ。マリア様が受胎告知を受けるところを見ている、パンを持った村人の役で。その隣にいる、騎士の役をしてる子が、すごいうらやましくて。剣を持って鎧を着てるから。出番になるまで、パンと剣でチャンバラをして、めっちゃ怒られて(笑)。あと、高校生の時は、お芝居を主役でやらせてもらって。演劇部でもなんでもないですけど、好きだったんですよね。ちっちゃい頃から、映画とか。『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスの格好、タンクトップに淡い色のデニムで──。
3人(笑)。
HIROSHIおもちゃの水鉄砲を持って、2階の自分の部屋まで、どうやって親に見つからずに潜入して、爆弾を止めるか、みたいな。そういう我流の演技論みたいなのを持っていたんで……今もライブで、FIVE NEW OLDのHIROSHIを演じるというか。自分なんですけど、いつもの自分とちょっと違う自分になるというか。あと、ライブは、高校生の時にWATARUと一緒にやったのが初めてで。神戸の六甲にあるメイデンヴォエッジっていうライブハウスで。高校生イベントなんで、出順もジャンケンで、勝ってもうて、「トリやります」って。その時、(Fear, and Loathing in) Las VegasのMinamiが観に来てくれたよな?
WATARUああ、観に来てくれた。
──あ、同級生なんですね。
HIROSHIそうなんです。で、Minamiがいちばん、ステージの前でダイブしてて。5人ぐらいしかいないんですけど(笑)。
──曲は?
HIROSHI自分で作った曲をやりました。で、ライブをやって、「他には替えられないこの感覚はなんだろう?」ってなって。それからやみつきになったんかな。終わったあと「お疲れさまでした」ってバーから一杯出してくれるんですよね。高校生だから「何飲もう?」って……ブラジリアンコークっていうのがあって。アイスコーヒーとコーラを割ったやつ。「うまぁ! こんなうまい飲み物あるんや」と思って、家で作ったら全然不味かった(笑)。

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