YATSUI FESTIVAL! 2025
2025年6月21日(土)22日(日)
Spotify O-EAST / Spotify O-WEST / Spotify O-nest 5F / Spotify O-nest 6F/ Spotify O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / club asia / LOFT9 Shibuya / WOMBLIVE
1回目は2012年で、今年で14回目。出演者は2日間で約246組。O-EAST、duo、WOMB、LOFT9の4会場が、ニコ生でリアルタイム中継された。
「去年は過去最大動員数を達成し2日間とも完売になりました!今年はそこからより進化したカタチでお客さんたちの声を反映させて、やついフェスならではのアットホームな雰囲気を大切にしながら、より多くの方に楽しんでいただける内容を目指します!」
開催発表にあたって、やついいちろうは、そのようなコメントを公式サイトにアップした。
以下、その1日目のレポをお届けする。
やついいちろう Photo by さいちょー
11:30に開場した、O-EASTのオープニングは、やついいちろうのDJ。今日はこの2つ後に出演する高城れにの誕生日であることや、夏至であること、去年はやついフェス史上最大数の動員だったが、今日はその日を上回る人数が集まることなどを、参加者たちに報告する。
そして、レキシの「きらきら武士」に続いて (池ちゃんを誘ったんだけど、ゴダイゴを観に行くから行けないと断られた、来年は15周年なのでぜひ呼びたい、とのこと)、レキシと共作した自身の「トロピカル源氏」をかける→「お客さんの盛り上がりが足りない」と曲を止め、ダメ出しして、お客さんに盛り上がる練習をさせて、やり直す→まだダメ出し──という、おなじみのくだりへ。
毎年このタイミングでステージに現れるが、去年の1日目に首が折れてしまい、2日目は登場がなかった巨大やつい人形も、今年は元どおりの元気な姿を見せた。
今年の開会宣言を担ったのは、初登場の新浜レオン。2024年の「NHK紅白歌合戦」で歌った「全てあげよう」を歌唱。「やついさんが紅白を観てくださったときいたので、紅白で歌ったその衣装で来ました」。「やついフェス2025、盛り上が!」と呼びかけ、お客が「レオン!」と応えるコール&レスポンス方式で、開会を宣言する。
そして、「全てあげよう」と同じく、作詞作曲:所ジョージ・プロデュース:木梨憲武の新曲「炎のkiss」。ダンサー2名を呼び込んで、オーディエンスに振付を指南してからの「捕まえて、今夜。」と「Fun! Fun! Fun!」。以上の4曲を、パフォーマンス。「これにて!おつか」「レオン!」のコール&レスポンスで締めた。
新浜レオン Photo by さいちょー
やついいちろう&新浜レオン Photo by さいちょー
そのO-EASTでの開会宣言と同時刻、duoでは時速36kmm、O-nest/5Fでは宇宙ネコ子が、トップを務める。
インディーズバンド音楽配信サイトのEggsで行われた、優勝すると出演できる、「Eggsオーディション」の枠(O-Crestのトップ)には、大阪の3 ピース・バンド、mukが選ばれた。少し遅れて12:25から始まったclub asiaのトップのアクトは、浪漫革命である。
宇宙ネコ子に続くO-nest/5Fの二番手は、名古屋から来たTrooper Salute。彼女たちのような、1年前に初めて音源をリリースしたばかりのバンドにもオファーを出す、だから今いちばん新しい音を楽しめる、というのも、やついフェスの大きな魅力になっている。次のsidenerdsも同様で、東京のバンドだが、結成は2年前、平均年齢20歳前後の4人組である。
muk Photo by 杉本健太
Trooper Salute Photo by 山下聡一朗
sidenerds Photo by ニッタ ダイキ
新浜レオンの次にO-EASTに登場したのは、サニーデイ・サービス。毎年トリ付近の時間帯に出演してきたので、早い時間にここで観るのは新鮮。「さよなら!街の恋人たち」「コンビニのコーヒー」「春の風」「青春狂走曲」「若者たち」「風船讃歌」「サマー・ソルジャー」という、1990年代の曲と2020年代の曲で組まれたセットリストで、参加者を魅了する。
ラストは2016年の「セツナ」。後半に3人で延々とインプロビゼーションを展開する、現在のサニーデイの必勝パターンで終了した。
続いての、O-EASTの最初のお笑いコーナーは、ウエストランド、がっぽり建設、ラブレターズという、M-1王者とキングオブコント王者の間に『ザ・ノンフィクション』に密着された人が出る、という3組。
ウエストランドとラブレターズは、やりにくいとぼやきつつも爆笑をとり、その間にがっぽり建設の、言わば「混沌の時間」がはさまる、という、おそらく他では味わえない並びだった。
なお、がっぽり建設のネタは、キングオブコントに挑むために、ビスケットブラザーズに作ってもらった、とのこと。
高城れに Photo by さいちょー
次は、さっきやついに「今日が誕生日」と紹介された高城れに、13:35からO-EASTに登場。フロアが紫の光で埋まり、大声量のコールが響く中、「ポジティブ・アテンション・プリーズ!」「一緒に」「走れ!」「spart!」の4曲をパフォーマンス。
「走れ!」ではチャンス大城が乱入した。曰く「高城れにちゃんとステージで踊れる日が来るなんて、人生、わからないですね」。
そしてO-EASTの14:00からは、2024年5月に、新メンバーで再始動した清 竜人25。歌もラップもバシバシキメながら、MCになるといなくなる清 竜人に手を焼いたりしつつ、4人の夫人は、さまざまな色のLEDライトが振られるフロアを盛り上げた。
清 竜人25 Photo by 浅香郁絵
club asia/14:40のKhakiは、昨年にひき続き出演。ギター×2とベースと鍵盤と(曲によって)トランペット、すべてがリード楽器のような玄妙なプレイで、オーディエンスを異世界へ連れて行く。
LOFT9でこの日三度行われた『やついフェス怪異祭2025』の二回目=15:05からの回には、やつい本人も出演。やつい、都市ボーイズの早瀬康広、怪談師の田中俊行、フジファブリックの加藤慎一、マンガ家の(あの『ウイングマン』『電影少女』の)桂正和、という、謎に豪華なメンツである。
早瀬康広の「動物の言葉がわかる警察官」や、加藤慎一の「パグ二匹を連れたセーラー服の女」の話など、やたらとリアルでとても怖い話を、それぞれがくり広げた。
Kahaki Photo by 青塚健児 (シブヤテレビジョン)
やついいちろう、早瀬康広、田中俊行、フジファブリック 加藤慎一、桂正和:やついフェス怪異祭2025 Photo by タマイシンゴ
duoに15:45から出演したkurayamisakaは、曲間にスタッフが「外で100人くらいお待ちです、みなさん詰めてください!」と叫ぶほどの超満員。
ギターの清水正太郎、「助かります、ありがとうございます」と、詰めてくれたみなさんにお礼を言う。あと、会場周辺の交通整理のスタッフにも「おかげで事故なく(機材を)運び込めました」とお礼を言った。そして「9月に初めてのアルバムを出します」と、その中から1曲プレイする。
16:20からO-WESTに出演のドミコは、いつもながら、とてもふたりとは思えないバンド・グルーヴでオーディエンスを圧倒。このドミコも、Khakiも、『やついフェス怪異祭』もそうだが、10分前に行けば入れるが、始まったら即座に入場規制がかかる、という状態が続いている。
16:40からO-nest/5Fに登場した雪国も同様で、曲間で「詰めてくださいー」とスタッフが声を張るが、その間にボーカル&ギターの京がいなくなった。しばらくして戻って来て、「初めてライブ中に弦を切りました」。美しくて繊細な音を出すバンドなので、見た感じではわからなかったが、実はテンションが上がっていたらしい。
kurayamisaka Photo by 木下マリ
ドミコ Photo by 江藤はんな(SHERPA+)
雪国 Photo by ニッタ ダイキ