りうらと悠佑のインタビュー動画が流れた後は、メンバーのソロステージへ。今年1月にリリースされたメジャー2ndフルアルバム『IRREGULAR BULLET』に収録されたソロ楽曲を届ける。りうらは「一等星」で感傷的でエモーショナルな歌声を響かせ、-hotoke-は「踊るスカイハート」でバレエのような優雅なダンスを取り入れ楽曲の切なさと疾走感を彩る。
初兎は「ReinE」をラップセクションと歌＆ダンスのセクションのコントラストで表現し、ないこは観客一人ひとりに歩み寄るような優しい歌で「レグルス」を届ける。Ifはパワフルなロックナンバー「Sky Blue」を澄み渡る青空のような圧倒的なボーカルで会場を揺らし、悠佑は歌詞の一言一句を噛み締めるようにロックバラード「夜想歌」を歌い上げた。
ないことIfのインタビュー動画が流れた後は、各メンバーがいれいす総選挙で1位を獲得した際に書き下ろしたセンターソングのセクションへ。どの楽曲もメンバーが作詞、もしくは作詞作曲に参加しており、それぞれが大事にしているものやキャラクターが楽曲からも感じ取れる。
-hotoke-センターの「恋星エトワール」、Ifセンターの「Blue Moon」、初兎センターの「It’s Showtime」、りうらセンターの「ONE」、悠佑センターの「逆境STORY」……とまったくばらばらの魅力を持つ楽曲とメインシンガーでつないでいく様子は、同じグループとは思えないほどカラフルだ。そんな6人が協力しながらひとつの夢を目指し、3年という短期間で約束を果たすのは、非常に奇跡的である。ないこセンターの「僕らが導く約束の物語」の間奏で、事務所の社長を務める彼に5人が「ここまで連れてきてくれてありがとう」と告げ、ないこが「ここまでついてきてくれてありがとう」と返したシーンは、グループの3年かけて固まった結束を象徴する一幕だった。
バンドメンバーによるインスト演奏を挟むと、「Stage!/Seventh!」でラストスパートに突入。「Celebration」「君のために生まれてきた」と結成周年記念楽曲を畳みかける。伝えても伝えきれないというほどに何度も曲中で感謝を告げ、愛情をあらわにすると、いれいす全員の思いが昇華された「星降るフェアリーテイル」で、幸福感にあふれた本編ラストを飾った。
「ENCORE!!」で爽やかかつパワフルにアンコールの幕を開けると、続いての「Never & Roll」では-hotoke-が涙ぐんで歌えなくなり、初兎に抱きつくシーンも。この3年間を噛み締めるようにじっくりと歌う6人の姿は武道館にいる約10,000人の観客の心をしっかりと掴んだ。
冒頭のMC以降、休みなく楽曲を披露してきた6人は、ここであらためて一人ひとりの思いを自分の言葉で観客に伝えた。最年少のりうらは「ただの子どもだった僕をみんなが支えてくれた」「この道が正解なのか揺れていた時期もあったけれど、後悔はありません。この道こそが僕だけの青春だと、今は自信を持って言えます」と、いれいすの道を選んだことを誇らしく語る。-hotoke-は「これを言うか本当に悩んだけど」と前置きをし、2021年6月17日に活動休止を発表した際、いれいすを脱退していたことを涙を流しながら告白。メンバーと話をしているうちに、この6人で一緒にいたい、いれいすを頑張りたいと思い再び戻ることを決めたという。「この6人じゃなかったら、絶対ここまで来れなかった」「僕は幸せです」と声を震わせ、感謝を告げた。
初兎は目を潤ませながら、武道館が近づくにつれて気持ちをコントロールできなかった時期が続いたこと、支えてくれる人々の存在があったからこそ挫けずに済んだことを話す。そして「みんなに“そのままでいいんだよ”と伝えたい。弱いことも含めて自分やと思うから、弱ったら頼ったらいいし、俺らが支えられるように頑張るから」とメッセージを送る。Ifはファンと自分たちがwin-winの関係であることが推し活であると説くと、「夢を叶えるのは僕たちだけじゃない。心の底からリスナーさん一人ひとりに幸せになってほしい」と熱い思いを伝えた。悠佑はいれいすがきっかけで友達ができた、不登校を脱したという話をたくさん聞くと話すと、「それに涙がぼろぼろ出てくる」と目を潤ませる。そして「歌ってて良かった。辞めないで良かった。(メンバーとファンが自分を)辞めさせてくれんでよかった」と喜びをあらわにした。
ないこは「俺たちいれいす、不可能な夢叶えたぞ！」とガッツポーズをして叫ぶと、この日は自分たちだけではなくファンを含め支えてくれた人々全員で叶えた夢であると告げる。「(いれいすを結成する前まで)マジでつまらない人生を歩んできました。いれいすに出会って世界が変わりました。こんな楽しいことも、こんなデカい夢を追いかけたこともなかった。僕と一緒に夢を叶えて、僕を救ってくれて本当にありがとうございます」と出会いに感謝すると、「武道館では終わりません。まだまだ先があります」「残りの人生も全部みんなに捧げるから。これからも僕らについてきてください」と力強く未来を語った。そしてアンコールのラストに、６人で心をひとつにして「僕らが描いた夢のその先に」をすがすがしく歌い上げた。
メンバーが去ると、モニターには今日のライブの模様のダイジェストが流れる。メンバー一人ひとりのメッセージが映し出されると、最後に「オリジナル曲 本日初公開」の文字が浮かび、再びステージに登場した6人がセルフタイトルソング「Irregular Dice」を歌唱。先ほどメンバーがMCで語った思いがそのまま歌詞になったような、日本武道館公演という夢をたどり着いたからこその楽曲だった。
武道館公演の翌日、彼らは活動休止を発表した。その理由は「あらためて自分たちの活動と向き合い、十分な時間をかけて今後の活動方針や目標を定めるため」とのことだった。日本武道館公演という夢を叶え、第1章に終止符を打ったいれいす。この日のWアンコールで披露された「Irregular Dice」は、第2章への次回予告といったところかもしれない。がむしゃらに駆け抜けながらも困難を乗り越えてきた彼らが、じっくりと腰を据えて未来に向き合ったとき、そこにはまた我々の予想だにしない景色が広がっているだろう。第2章の開幕を、健やかな気持ちで待ちたい。
SET LIST
01. 恋の約束
02. 推しが見つかる3分ちょい！ 2023ver.
03. 推せ推せ！いれいす応援団！
04. Irregular Quest
05. 言いたいことがあるんだよーーー！！
06. Brave
07. 恋の方程式
08. Place to be
09. Paparazzi
10. Clutch
11. Medley(Advace / RAID OF DICE / ジダンダーナイト / DOG BOY / Crazy Dice / DICE)
12. 一等星(りうらソロ)
13. 踊るスカイハート(-hotoke-ソロ)
14. ReinE(初兎ソロ)
15. レグルス(ないこソロ)
16. Sky Blue(Ifソロ)
17. 夜想歌(悠佑ソロ)
18. 恋星エトワール
19. Blue Moon
20. It’s Showtime
21. ONE
22. 逆境STORY
23. 僕らが導く約束の物語
24. Stage!/Seventh!
25. Celebration
26. 君のために生まれてきた
27. 星降るフェアリーテイル
ENCORE
01. ENOCORE!!
02. Never ＆ Roll
03. 僕らが描いた夢のその先に
W-ENCORE
01. Irregular Dice
