アンティック-珈琲店- またいつか、この幸せな空間で再会できる…幸せなプレゼントを残した20周年イヤー終幕

ライブレポート | 2024.01.15 18:00

LIVE CAFE 20th Anniversary Final NYAPPY FOREVERo(≧∀≦)o
Thank you all caffekko thank you all staff
2024年1月5日(金) 6日(土)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※レポートは6日で実施

 アンカフェことアンティック-珈琲店-の20周年イヤーが終幕。「LIVE CAFE 20th Anniversary Final NYAPPY FOREVERo(≧∀≦)o Thank you all caffekko thank you all staff」と銘打って1月5、6日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で2デイズライブが開催された。
 東京・Zepp Haneda(TOKYO)で行われた2デイズ「LIVE CAFE 20th Anniversary「令和で初NYAPPY o(≧∀≦)o」からちょうど1年。最後の挨拶で輝喜(Dr)はリハーサルスタジオに行くのが楽しみで仕方なかったと振り返り、カノン(Ba) も高校生に戻ったようだったとメンバーやファンと共に過ごした月日に触れたが、まさにその言葉通り。今もカラフルにキラキラ輝き続けるNYAPPY WORLDが目の前に広がった。
 締めくくりの最終日の1月6日、SEが響き、沙幕にメンバーのシルエットが浮かび上がり、大歓声の中、幕が落ちると全員、正装のスーツ姿。ひとりひとりにスポットライトが当たり、「メープルガンマン」でライブはスタート。上部にニャッピーくんのアイコン、左右にシャンデリアが配され、センターにレッドカーペットが敷かれたステージセットもいかにもアンカフェらしい。続く「逃避回路」ではみく(Vo)がシャウトし、カノンがベースを高く掲げ、赤く染まったステージの中、のっけから加速。客席には色とりどりのNYAPPY RINGが揺れている。

みく(Vo)

 MCは恒例の挨拶「NYAPPY o(≧∀≦) o」から。「集まってくださって本当にありがとうございます。2日目、最終日ということで今日が来るのがホントに怖くてーー。ポジティブに考えられないかなと思ったんです。20周年イヤーを緒に走り続けてきて、カップルとか1年続かないこと多いじゃん(笑)。そんな中で僕らはやってこられたので今日は記念日なんだなと思いました。なので、一緒に祝福しましょう!」
 いかにもみくらしい言い回しから、ゆうき(Key)のテクノ風味のキーボードのフレーズから始まる「生きるための3秒ルール」ではメリハリのあるプレイで巻き込み、おなじみの「千年DIVE!!!!!」ではマフラータオルを振って客席が盛り上がり、上手にみくとカノン、下手にtakuya (Gt)というアグレッシブなステージング。シンガロングが場内に響きわたった。続いてレーザーが飛び交う中、「テケスタ光線」から、雪が降る情景を浮かび上がらせる切ない冬ソング「スノーシーン」を披露。イルミネーションが渋谷を彩るこの季節にぴったりだ。

takuya (Gt)

 そしてみくがメンバーに話を振ると筋肉痛の話題に。輝喜が初日にかなり頭を振ったのに筋肉痛になっていないと話すとみくが「歳だね」と突っ込み、輝喜は1年前は痛かったと告白。ゆうきは新年の挨拶をし、身体のケアのためにストレッチをするのがいいと勧め、カノンは「NYAPPY o(≧∀≦) o」と挨拶。これまで、滅多にニャッピーと言わなかったと言うとすかさず、「なんか意志があってやってこなかったんですか?」とみくから言われ、カノンは新しい挨拶「こんにちノンノン」を自ら考案する展開に。最年少のtakuyaが「俺も筋肉痛きてますね」と言うと、「残念だよ。君だけが希望だと思ってたのに」とみく。5人の仲の良さが伝わるやりとりにほっこりムードが広がった。

 カノンのベースがフィーチャリングされたポップチューン「恋のディペンデンス」を挟み、話題はアンカフェのオリジナルメンバーだったギターの坊のことに。
今日、絶対に歌いたい曲があるとみくが話し始めた。
「活動していると坊くんのことを思い出すんだよね。輝喜ともたまに話すんだけど、“一緒のステージに立てたらきっと思い出になるよね”って。坊くんと出会ったから今のアンカフェがあって、実はtakuyaやゆうきも面識があって面白いんだよね。坊くんへの感謝を込めて歌いたいと思います」

カノン(Ba)

 贈られたのは3rdアルバム「極魂ROCK CAFE」に収録されている「オレンジドリーム」だった。風が吹き抜けていくようなサウンドと甘酸っぱい世界観、
アンカフェとして2003年の結成から共に月日を駆け抜けた坊とのストーリーを喚起させる歌詞も含めて染みてくる。温かい拍手の後の“頑張りすぎないで”と優しく包み込んでくれるミドルバラード「YOU」と2曲続けてのハートウォーミングゾーンでは、月日を重ねたからこそのみくの表現力も際立っていた。

ゆうき(Key)

 恒例のコーナーでは、筋肉がテーマの声だけトークになり、途中からtakuyaの提案で4人が前に出てきてボン・ジョヴィの曲×なかやまきんに君でおなじみのマッスル体操にチャレンジ。へなちょこ気味の3人にtakuyaが渡した今回のパワーアップアイテムはNYAPPY RING。動きがとたんに俊敏になるメンバーに笑わずにはいられない。

 みくが登場しての「NYAPPY in the world」からは、踊って暴れての弾ける後半セクション。takuyaのタッピング奏法から始まった結成5周年記念シングル「AROMA」から、「さあ!ここからは激しい曲が目白押しだ!」とみくが煽っての「モウソウモモウソロソロ」では再びマフラータオルが振られ、「ダックのマジカルアドベンチャー」に移行し、場内の熱気も上昇のカーヴを描いていく。昨年の8月の東京・Spotify O-EASTで初披露された新曲「Fly again」もハンドクラップの中、進化したヴァージョンで届けらた。開放感が満ちる中、新生アンカフェの第1弾シングル「覚醒ヒロイズム」からの本編ラストは「スマイル一番イイ♀」。ピンクのレーザー光線が飛び交う中、ライブは最高の笑顔で締めくくられた。

輝喜(Dr)

 カフェっ仔たちの盛大なコールの中、アンコールでグッズTシャツに着替えて出てきたメンバーは「楽屋まで声が届いていた」と嬉しそうだ。
 ゆうきの物販コーナーを挟んで届けられた「ラフソング」では20周年イヤーの再会を待っていたファンとアンカフェの揺るがない想いが感じられる感動のシンガロングが場内に響き、「BondS〜絆〜」では発射された赤のテープが1年のドラマを祝福しているようでもあった。最年長なのをいじられながらもパワフルで安定感抜群のドラマー・輝喜、押し引きのあるベースで輝喜と共にアンカフェサウンドを彩るカノン、バンドと楽曲に遊び心をプラスさせるキーボーディスト・ゆうき、ハードなナンバーからダンスロックまで多彩なギタープレイで魅了するtakuya、そして2日目とは思えない声量でアンティック-珈琲店-を引っ張っていくみく。数年前はメンバーも想像していなかったであろう20周年が実現したのも、ピースがピタリとハマる5人だったからなのかもしれない。

 ダブルアンコールではカフェっ仔への感謝の想いが込められたバラード「世界にたった一つの温もり」が届けられた。ゆうきのピアノをバックに歌い出したものの涙で歌えなくなり、エールが送られる中、また最初から歌うことになったのも、みくの中で抑えていた感情が溢れ出したからだろう。

 最後の挨拶は輝喜から。涙声で「寂しいですが、みんなのおかげで楽しいだけではなく、幸せな1年をいただきました」と伝え、2日間で全部、出しきる気持ちで今後のことは何も決めずに臨んだこと、アンカフェとみんなの想いが次のライブに繋がると信じていると話すと、ゆうきがもらい泣き。「ライブしていても、こんな幸せを味わっていいのかなって。こんなにファンのみんな、メンバー、スタッフが仲良しのバンドが終わることはないと思う。だから、またいつか会いましょう」とメッセージし、カノンも「この1年を通してバンドっていいな、面白いなって改めて高校生みたいな気持ちになりました」と挨拶。takuyaは「20周年イヤーは今日で締めくくりになりますが、サヨナラを言うつもりはないです。また、みんなで楽しい思い出をいっぱい作れたらいいなと思ってます」と未来宣言。みくがカフェっ仔に「メンバーと同じぐらい大切な存在です。家族のような存在なので、みんなの幸せを願っています。また集まれる時はみんなの顔が見たいし、それまでどうか幸せに暮らしていてください。ホントに元気でいてください」という言葉で締め括った。
 またいつか、この幸せな空間で再会できる。終わりは切ないけれど、希望というプレゼントを残し、20周年イヤーは幕を閉じた。

LIVE CAFE 20th Anniversary Final
NYAPPY FOREVERo(≧∀≦)o
Thank you all caffekko thank you all staff

2024年1月6日(日)
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

SET LIST

01.メープルガンマン
02.逃避回路
03.生きるための3秒ルール
04.千年DIVE!!!!!
05.テケスタ光線
06.スノーシーン
07.恋のディペンデンス 
08.オレンジドリーム
09.YOU
10.エトセトラ
11.NYAPPY in the world
12.AROMA
13.モウソウモモウソロソロ
14.ダックのマジカルアドベンチャー
15.Fly again
16.覚醒ヒロイズム〜THE HERO WITHOUT A "NAME"〜
17.スマイル一番イイ♀

ENCORE
18.ラフ・ソング
19.BondS〜絆〜

ENCORE2
20.世界にたった一つの温もり

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