ソロ活動を続けることは、死ぬまでReolとして第一線に居続けるために足掻くこと
──どうして『虚構集』というタイトルにしました?
れをるっていうアイコン自体が嘘から始まったというか。私は高校生の時に地元でバンドをやってたんですけど、バンドをやりながら普通に学生をしている自分とは全く違う匿名の存在として、れをるがいたんですよね。いわば、嘘じゃないですか。当時は、れをるの中にいる人(自分)に興味が向くのが嫌で、年齢も顔も隠してやっていて。なんで、嘘から始まったところがあるなと思って、今回もこれは始まりだから、『虚構集』っていうタイトルにしたところがありますね。あと、次の作品と対になってるんです。もう次の作品のタイトルを決めてるんですけど、作品自体が次への布石になってるかなと思います。
──ただ、『虚構集』というタイトルながらも、本作は作詞作曲を全てご自身で手がけていて。これでまでよりも"私"を晒す度合いは強くなってますよね。
そうですね。ユニットの時はセーブをしてて。自分本位な曲になっては、他の2人の曲じゃなくなると思っていたので、思ってることをそのまま吐露するっていうことはできるだけ控えてたんです。そういう意味では、今は完全に自分の支配下にあるから、楽しくもあり、自分ってこういう人間なんだって思い知らされる辛い作業になる。それの繰り返しって感じですけど、自分を出していくことに抵抗はないですね。どっちかというと辛かった経験がそのまま『虚構集』になっているので、嘘であって欲しいっていう願いもありつつ、みたいな感じかな。
──ずっと虚構のままいるっていう選択肢はなかったですか?顔を出さずにアーティスト活動をしている人も増えてますが。
自分が憧れたミュージシャンって、私にとっては、本当のことを歌ってる人だったんですよ。中2くらいからJ-ROCKを聴き始めて。東京事変、ELLEGARDEN、syrup16g……。椎名林檎さんと細美武士さんは私の高校生時代の神様ですね。いろんなことを歌にする人がいる中で、私が本音を言ってるんだろうなって感じられる人の曲に惹かれてて。自分もゆくゆくはそうなりたいっていう気持ちが強くて。それこそ、『極彩色』を出した後に、思っていたよりも反響がなかったり、自分が音楽をやらなくてもいいなって思っちゃったら、そこで止めようと思って、それまでは顔を出さなかったんですけど。
──その年のオリコン新人アーティストランキングで4位に選ばれるくらいの反響がありました。
ついてきてくれる人もいて。ユニットをやってたメンバーが、当時は一緒にやりたいって言ってくれてたので、顔を出したっていう流れがあって。今回、ソロ活動を続けるっていうことは、死ぬまでReolとして第一線に居続けるために足掻くことを選んだと自分では思っていますね。最終的に、今の私は本当を歌っていきたいんだっていうことですね。
──「エンド」でユニット時代のREOLを葬い、「平面鏡」から始まったアルバムのアートワークではご自身のいろんな顔が映った鏡を割ってます。
真ん中にいる、後ろを向いている私は虚像を壊す人間。どの自分を壊すかを選んでるって言うイメージなんですよね。嘘から始まってるから、これからの活動はそれを壊して行く作業になるなって思って。Reolをより、個人としての自分に近づけて行く作業。一度、崩すというか、壊すという意味合いを込めて、このジャケットにしました。
──虚像や虚構を破壊したことで、今後の未来も見えましたか?
一度、式日を経ているので、今はニュートラルな気持ちというか。無っていう感じで、割と前向きに作品を作ったりしてます。
──生まれ変わったという感覚ですか?それとも再生なのか?
生まれ変わったというよりは、生き返すみたいな感じですかね。一度、落ちるところまで落ちて、這い上がってきたっていう気持ちは強いです。
私が生き返す様を視覚化して、他のライブで絶対にみることの出来ない空間を作りたい
──6月にはワンマンライブ「刮目相待」が決定してます。どんなステージになりそうですか?
生き返す様を視覚化したライブにしたいなと思ってて。ただ、直接的に棺から出てくる演出があるというわけではないです(笑)。インストアライブとか、ビクターロック祭りに出たりとか、ちょくちょく聴き手の方とお会いする機会はありましたけど、前回の解散ライブに足を運んでくれた人たちがそのまま来てくれての新たなステージになるので、ちょっとすごく意味の重いライブにはなりそうだなと思ってます。でも、いつも通り、エンターテイメントでありたいなと思いますね。他のライブで絶対にみることの出来ない空間を作りたいなと思ってます。
──ツイッターでもうセットリストが決まったと呟いてましたね。
決めました。私の中では全てのことに流れがあるので、前回のライブのセットリストが、次のライブに繋がってて。ミニアルバムの曲は自分の5人の分身っていう意味合いが強いので、各ブロックごとの中枢を担ってもらいつつ、往年に発表してきたオリジナルの曲もいろいろとやれたらなと思ってます。
──タイトルにはどんな思いを込めましたか?
刮目せよっていう言葉から派生して調べた四字熟語で。ある人の成長を楽しみにするっていう、わりとポジティヴな意味なんですよね。ソロ活動に関して、メンバーが減ってしまったっていうネガティヴな見え方じゃなくて、私的にはポジティヴな見え方にしたくて。だから、ファンの方々にとっても、ソロでのワンマンライブを楽しみに、待望していて欲しいなっていう意味がありますね。
──最後にまだライブを見たことがないけど、気になってるという人にメッセージをいただけますか。
出自がインターネットなので、私本人がどういうライブをするのかって見えにくい部分だと思うんですけど、元々のルーツとして、私、小学生の時にずっとマーチングバンドをやってて。ショービジネスがすごい好きなんですよね。ただのパレードじゃなくて、フロア部門っていう華やかなやつをやってて。それが根底にあるので、派手なものが好きな人は合うと思うし、ライブとしての盛り上がりもあるんですけど、魅せる演出が好きなので、劇団四季とか、舞台ものが好きな方もきっと楽しんで頂けると思います。興味を持って下さった方はぜひ遊びに来てください。
PRESENT
『虚構集』直筆サイン入りポスターを1名様に!
※転載禁止
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