「YOUR SONG」とカップリングの「隣同士」は一応入れたいなぁと思ってます
──新曲もやるんですよね。
会場でデジタルシングル『YOUR SONG』のジャケットをプリントした大判のハンカチ付きCDを販売するので、表題曲「YOUR SONG」とカップリングの「隣同士」は一応入れたいなぁと思ってます。「隣同士」は昔作った曲なんで、詳しいファンの方は知ってる曲だと思うけど。
──2016年のアコースティックライブで新曲として披露してました。
アコツアーに出るのに、自分の既存曲への興味が完璧に失せてて。心が騒ぐものないかなって時に作ったんですよね。これが多分、休む直前の一番最後の曲なんじゃないかな?
──音源化されてませんでしたが、どうして今回、久しぶりに歌おうと思ったんですか?
少し前に、男子高校生がキャッキャッってはしゃぎながら下校してるのを見たんですよね。背も大きいのに、笑いながら体当たりとかしてて。楽しそうだなあと思った時に、私、友達と連絡したり、会ったりしてないなと思って。友達に悩みを相談するとか、なんなら休みの日に約束してどっか出かけるとか。あれ?私はいつから何にもしなくなっちゃったのかな?みたいなことをふと考えてて。大人になるって、すごい寂しいなぁって思った時に、この曲を思い出して。大人になってしまった自分が、ただただ笑って過ごしてたような若い頃を振り返るって言う歌詞と今の自分の風景が合致して。だから、地方に行くときにShegikuniくんにこれやりたいんだって伝えたら、いい曲だねってなって。それでレコーディングすることになったという経緯になりますね。
──一方の「YOUR SONG」は完全な新曲ですね。
これは造形美っていうか、形から入ったというか。私が『ミュージカルみたいな曲をやりたい』と言って、サビだけ先に作って渡して。ディズニーの「ハイスクールミュージカル」みたいにしたかったんです。音像的にはベン・フォールズ・ファイブが近いかな。ちょっと劇的で、演奏の強弱で場面転換していくっていう。だから、構成も全部バラバラで、後からコラージュのようにはめていった感じ。全部が別々なんですけど、それを転調していくような形でくっつけてて。頭にアカペラで歌っているところも、演奏とメロディのキーが合ってない。決してアカペラで適当に歌って作ったってことではなく、風景がこう変わったっていう、場面展開を意識した作り方をしてて。
──どんな情景を想像してましたか?
さっきも言ったみたいに、冒頭は演奏と歌のキー合ってないから、演奏は何でもいいんですよね。なんというか、学芸会のオープニングみたいにしたかったんですよ。舞台袖に、まず3人の女の子が出てきて、スポットライト浴びて、コーラスをする。幕が上がって、ピンスポットでいじめられっ子みたいな子が歌い出すと、それに呼応したように舞台の下の演奏家が演奏を始めるっていう。そういう学芸会みたいなオープニングのシーンが終わって、急にいわゆる既存のミュージカルみたいになっていくっていう。ただ、私、ミュージカルって本当に興味がなくて。
──あはははは。じゃあなんで作りたいって言ったの?
舞台も見に行ったことないんですね。すっごい興味がないからこそ、トライしてみたいと言う気持ちになったっていう。自分に全然ない文化のことをやってみたいって思ってやったって感じですね。
──演劇的な曲についてる歌詞は?
サビの歌詞が一番最初にあったんだけど、娘が『学校がつまんない』って言ってて。クラスでも自分の居場所がないみたいな感じになってる時期があったんですね。その時に『別にいいじゃん。学校なんてあっという間に忘れちゃって、大人になったら誰も会わないよ』って、すごいドライなことを言い放ったんですけど、その時に『私には今、ここしか世界がない』って言われて。そりゃ、そうだと思って。10年ちょっとしか生きてない人間の世界は100%がそこしかない。勝手にこっちがいいやんって切り捨てられるものではないなって思ったときに、本当そうだなって。あたし、ちょっと感受性を捨てたおばさんになりつつあるから。
──でも、大人としては、世界は学校だけじゃなくて、もっと広いって言ってあげたい気持ちもありますよね。
うん。でも、<ここだけ>だからこそ見いだす救いってものもある気がするんですよね。この孤独から救い上げてくれるのは、やはり同じサークル内の何かである。彼氏でも彼女でも友達でも先生でもいいけど、きっと同じ生命体なんじゃないか。この狭い孤独があるから救いがあるのかなって。満遍なく、『どうでもいいや』ってやったら、もうそれはマトリックスの世界になっちゃう。寝てりゃいいやって話だし、『Chat GPTがお話してくれるからいいや』で終わらせられちゃう。でも、やはり、人間同士の密で、救いのない世界っていうものが、逆に色鮮やかな救いのようなものを作るのかなって。実際、肌で感じる、体感することができるのはそういうことなのかなって思いました。
何がどうやらってわちゃわちゃしてるところをぜひ見に来てほしい
──なるほど。クラップするパートもありますよね。ライブでやっていいですか?
してくれるんですかね?もちろんです。なんならタンバリンをお貸ししたいくらい。
──(笑)ライブが楽しみですね。
私はまだ掴みきれてないです(笑)。梅井(美咲)さんとは(吉澤)嘉代子ちゃんと対バンした時に1曲だけ一緒にやったことがあるだけで。どういう感じで呼応できるかは会ってみないとわからない。ただ、いろんな曲があるから、鍵盤2人っていうことで、自由度は高まる部分はあるかなぁと思って。とにかく、立ち上げですからね。まとまってるものを見るのも醍醐味なんですけど、『まだどうにもなってないな。とんでもねえな、これ』っていうのを見るチャンスは一回目にしかない(笑)。だから、何がどうやらってわちゃわちゃしてるところをぜひ見に来てほしい。そして、このアンケートの取り方、ちょっとどうだったんだろうっていう振り返りも含めて一緒に考えてほしいし、アドバイスも欲しいです。
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