宇都宮 隆が、大好評のソロツアー「Dragon The Carnival」を締めくくる中野サンプラザホールへ向けて語る!

インタビュー | 2020.01.06 12:00

──ソロツアーDragon The Carnivalが無事終了。お疲れ様でした。

一回、頭をリセットします。

──キーボード3人とギター1人という変則的な編成でしたね。

あの編成は、2018年のツアーで試した結果、まだ可能性がありそうだったし、もうワンツアーくらいなら続けてやってみたいと思っていました。ただ、問題は内容だなと。何をやるか。似たようなツアーを続ける気はないので。それはひとつ、僕の変わらない考え方。同じことは2度やらない。常に変わる。ソロも27年になったけど、大成功しても、評判が良くても、次はガラッと変えてきたし。そこは大事にしています。というか、そういう性格みたいです(笑)。

──TM NETWORKデビュー35周年記念も兼ね、全編TM楽曲でしたね。

TMの曲は、ソロでもたまに1曲か2曲歌うことはあっても、全編それってことは今までになかった内容だから、これは面白いかもと思って。

──バンドマスターを兼ねたREBECCAの土橋安騎夫さん、TMとは縁の深いaccessの浅倉大介さん、アマチュア時代にTMから大きな影響を受け、現在は新進気鋭の音楽プロデューサーとして活躍しているnishi-kenさん。キャリアもキャラもバラバラだけど、このキーボード・トリオは濃い!

TMとREBECCAは同じ1984年デビューだから、土橋君には是非参加して欲しくて、最初に企画を提案しました。そのときの彼の、面白そうだね、の一言で僕の中でも決定しました。とにかく3人とも名の通ったプロデューサーであり、クリエイターでもあるから、僕が1人に3曲ずつくらい振り分け、それぞれアレンジを進めてもらいました。三者三様のキャラクラ―というか、視点というか、音楽性が色濃く出たところにも満足しています。ちなみにギタリストの北島健二君は、TMのデビュー当時からレコーディングに参加してくれている旧友ですね。彼がドラムを叩くのが好きなことは、前から知っていたので、ドラム叩かせてあげるから、一緒にツアーやろうよ、と誘いました。そうしたらリハーサル初日からどんどん上達して。きっと自宅でも練習していたと思うよ(笑)。

──TMと縁のあるメンバーで固めたわけですね。

そう。わかる人にはわかる顔ぶれ。面白いのは、TMの小室(哲哉)も木根(尚登)も僕も、俺が俺が、と前に出るタイプじゃないせいか、今回のメンバーもガツガツ前に出るタイプはいませんでした。類は友を呼ぶのかな(笑)。でも、実力と才能は折り紙つきの4人だから、彼らのポテンシャルを100パーセント発揮させられるかも、僕の役目だと思って取り組んだし、実際全員が持てる力を出し切ってくれたと思います。

──TMには代表曲やヒット曲がたくさんあるので、セットリストを固めるのに苦労したのでは?

基本的な方向性としては、35周年だから、各時代から、何となくだけど、選曲するように意識しました。とはいえ、あくまでも僕のソロの一環として考えた構成です。実は、ソロだから、もっとマニアックなセットリストにしようかなとも思ったけど、1stアルバムに収録されている「クロコダイル・ラップ」を入れたから、ま、いいかなと(笑)。それよりもシングル曲を増やしました。だから、宇都宮隆セレクションTM NETWORKなら、また違ったセットリストになるでしょうね。たとえばコンサート後半のシングル曲を続ける箇所に入れようか外そうか、ギリギリまで悩んだ曲もありました。2002年のシングル曲「CASTLE IN THE CLOUDS」です。スタッフからは「それよりも「Get Wild」でしょ!「LOVE TRAIN」でしょ!」と言われて(笑)。その気持ちもわかるので、「CASTLE──」はまたの機会にってことになりました。

──TM35周年と宇都宮隆ソロの葛藤もあったわけですね。

ありました。でも、最終的には、僕のソロである、ことが決定基準でした。僕自身が納得できるか否かですね。たとえばアンコール。リハーサル時点では、別の曲でした。もっとアップテンポのエンディングだったけど。自分の中での葛藤がありましたね。これはこれで成立しているにしても、自分の納得ラインをクリアーしているのかと。いろいろ考えた末、日替わりで「SEVEN DAYS WAR」と「Human System」を歌うことを決めました。できたら中盤に歌いたいくらい体力も集中力も消耗する2曲だから、アップテンポの締めのほうがいろいろ楽ではあるけど…。コンサートの完成度を求めるなら、この2曲にすべきだと思ったから、決断しました。

──その結果、ツアーが大好評で、追加公演が決定しましたね。

最初に言ったとおり、11月でツアーが一区切りしたから、頭をリセットします。で、2020年になったら、何か新たなひらめきがあるかもしれないし…。たとえばだけど、アンコールをアップテンポの曲に戻すとか(笑)。何かしら+αする可能性が大きいですね。ただ、確実なのは、Dragon The Carnivalは2月の中野サンプラザで見納めということ。大成功でも、大好評でも、常に変わるのが僕のソロだから。

PRESENT

Dragon The Carnivalのツアーパンフレット&ライブ写真集のセットを1名様に!

受付は終了しました

  • 取材・文

    藤井徹貫

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