ドーパンのときの無念をこのツアーで晴らしたい
──井上さんは今のフルカワさんの音楽に関してはどんな印象を?
井上司ライヴのために10曲近く覚えたんですけど、曲も好きだし、わかりやすいから、すんなり入ってきました。覚えるのとは別で、普段も聴いてますからね(笑)。ある種ストレートだけど、曲ごとにリズムやアレンジの仕掛けがあるので好きですね。
フルカワユタカメルテンもそう言ってたよ。「フルカワさんっていい曲書きますよね」って。
井上司上から目線ですよね、いつもそうなんです(笑)。サポートする上で譜面を見てやる人もいますけど、個人的にはあまりやりたくなくて。ライヴは人に魅せることに集中したいから。
フルカワユタカ素晴しい! 僕もロックバンドで譜面を見ながら演奏するくらいなら、間違えても譜面を見ないほうがいいと思ってるから。司くんに叩いてもらったときは気にしないでライヴをやれました。ドラムに乗って、何も考えずにギターを弾いて歌う。その感覚を久しぶりに味わいましたね。
井上司ほんの少しでもストレスを与えたら、サポートにならないですからね。何も気にせずにやれたという感想をもらえると、すげえ嬉しいです。サポートというより、バンドだと思ってやってますから。
フルカワユタカバーチャルメンバーになったほうが入りやすい人もいますからね。逆にfoxのライヴで気を付けていることはあるの?
井上司ダイナミクスは意識してます。ピアノの音色が大きいときと小さいときの差が激しくて。その都度、耳で聴いて合わせたり、あえて反対のことをやったりして、ジャズっぽさを出しているんです。フルカワさんのサポートはまずバンド全体の音量がfoxより大きいし、太鼓の鳴らし方はそれを感じながらやってます。あと、フルカワさんの曲は打点がはっきりしてる曲が多いので、縦のラインは意識しますね。
──ちなみにフルカワさんが好きなドラマーというと?
フルカワユタカたくさんいますよ。スティーヴ・ジョーダンとか黒人のドラムが好きですね。一番好きなのはアーロン・スピアーズだし……僕はほんとにドラムが好きなんです。
井上司ははははは。
フルカワユタカアフリカの原住民が打楽器を叩いてるお祭りの映像とかがYouTubeにあるんですけど、酒を飲みながらずっと観てますからね。バンドはまずドラムと歌ですから。それは世界の掟です。
井上司ドラムが替わると、バンドの印象も変わりますからね。それだけ責任重大なパートをやってるという意識はあります。
──そして、フルカワさんのワンマンツアーが8月から始まります。
フルカワユタカさっきのドラムと歌の話じゃないけど、ドーパンの頃に僕は僕で自分の声に限界を感じてたんですよ。解散間際にはほかにヴォーカルを入れようかなって悩んだこともありましたから。でも最近やっと自由に歌えるようになったし、ライヴも楽しくなったんです。司くんとの出会いもそれに紐付いていると思うし、そのツアーが悪いものになるわけがない。だから、ツアーはすごく楽しみです。ドーパンのときの無念をこのツアーで晴らすというか。あのときに3人で苦労して研究していたことって、間違ってなかったよねって。ツアーファイナルは(ドーパンの)タロティ(TARO)とHAYATOにも観てほしいですね。
──今回は自分の中で答え合わせをするツアーだと?
井上司ツアー自体を一緒に回るにも初めてなので、楽しみでしょうがないですね。僕は全公演に参加するわけではないんですが、バンドってツアー中に変わるし、連続してサポートすることでそれも感じられるんじゃないかと。
フルカワユタカ今回の音源にもメルテンが1曲参加してるんです。あのジャズのテイストはまーちゃん(原、the band apart)と一緒に曲を作った際、コードワークとかが勉強になって、そのインスパイアからできたんです。この曲をライヴでもメルテンが鍵盤を弾いて、司くんがドラムを叩いたら面白いだろうなと。ファイナルではそういうこともやれたらいいですね。
PRESENT
フルカワユタカ&井上司の寄せ書きサイン色紙を1名様に!
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