【インタビュー】LiSAが本音を語ったロング・インタビュー[後編] 自身の成長を感じた2018年について振り返る!

インタビュー | 2019.02.14 17:00

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──2019年はますますレベルアップするね、LiSA。2018年を振り返った時にどこらへんでどういう風に成長したなって思う?

2018年はホールツアーの真ん中ぐらいまでは、ずっとマリオのスーパースター持ってる感じだったんです(笑)。超無敵だった。やりたかったらこれ!みたいな(笑)。

──これっていうのが掴めたってこと?ホールツアーの真ん中あたりに?

いや、初日から結構最高でしたね。だから、そのまま行って、今年最高で終わるんじゃね!?って思ってたら、パーンって落ちて、あれ?みたいな(笑)。

──たしかに武道館は無敵だったからね。本当に無敵だった。完璧過ぎると言ってもいいほど完璧で。でも、そこからでっかい石に気づかなくて急につまづいちゃった感じだったのかな?

そうですね。去年はベストアルバムもあったから、私の中でみんなに対してLiSAの曲を余すことなく楽しんでもらおうって思ったんです。LiSAの曲を使っていろんなことをしたいって思ったから、いろんなタイプのライヴを去年はたくさんやったんですけど本当に自分でも最強だなって思えるくらい完璧だったんですよ(笑)。体調的にも2年ぐらい前まで、毎年病院に行ってた気がするけど、それが嘘だったんじゃないかって思うぐらい無敵だったんですけど、それが突然ダメでしたね(笑)。「ADAMAS」を作った時も超無敵って思ってた。それまではもうちょっとダメかもみたいなちょっとした不安が付いて回ってたんですけど、それがどんどんどんどんちっちゃくなっていって、全部楽しめるんじゃん!って思ってた。でも、ツアーの後半になって全部崩れて、一気に落ちましたからね。

──そうだね。TOKYO DOME CITY HALLの時も本当に悔しかっただろうなって思ったくらい、完璧な体調ではなかったからね。そこからの気持ちの切り替えってどんなんだったの?

その頃の1週間ぐらいで、私の中で、気持ちの変化がめちゃくちゃあって。TOKYO DOME CITY HALLの前が大阪だったんですけど、大阪も結構ギリギリだったんです。でもなんとなくちゃんとやり切れて。1週間あるからちゃんと戻すぞって思ってて体調管理には本当に気をつけてたんだけど、大阪公演の次の日から本当に声出なくって。とはいえ3日間あるから大丈夫って思ってたんですけど、全然ダメで、こんなに声出なくなったことないなっていうぐらい出なくて、でももう神様とお医者さんを信じることしかできなくて。すがれるものがあったら何でもすがるみたいな。その間一言も喋れなくって、タクシーの運転手さんに道も伝えられなくって。

──そんなに酷かったんだね。

そう。私ね、本当に今までの人生まで反省したの。余計なことを今まで喋り過ぎたから罰があたえられてるのかもしれないって思ったりもして。人に文句をいっぱい言ったからかな?悲しいこと、わがままなこといっぱい言ったかな?って人生の反省が始まって(笑)。言葉を発しすぎたから黙れって言われてるのかもって思って、これからは大事な言葉だけちゃんと喋ろうって思ったりしたの。でも、本当にみんなが最善を尽くしてくれたのもあって戻ったの。それでライヴできる!って思って。初日も全部フルでやるつもりだったけど、ボイトレの先生に“あんた、昨日喋れるようになったのにフルで歌うつもり?次の日もあんのよ?”って言われて、少し調整したんです。前日までずっと喋ってなかった人がライヴって、怪我してた人がオリンピック出るようなことなんですよね。でも、とにかく今日来てくれた人、この場を作ってくれた人のためにちゃんと今日できる精一杯を見せなきゃって頑張ったんです。本当に周りの人に協力してもらって、今まで計画してきたことの100%じゃないけど、足りない部分はみんなにいろんなアイディアを出してもらったりとか、助けてもらったりとかして、もちろんそこに居てくれたお客さんにも助けてもらったんですけど、本当に素敵なライヴが出来たなって思ってます。1日目が終わった時に、終わったー!よかった、やり切れた!って思って、でも明日もあるって思って。2日目は意外に“私歌えるかも”って思ったりもして。でも、これも最初っからやりすぎて、やっぱダメだーって途中で思ったりもして落ち込んだりもしたんだけど。完璧なライヴを目指してガムシャラに自分一人でもがくより、自分の足りない部分はみんなに任せても、それは特別な今日になるって思えるようになりましたね。100%、120%完璧なライヴができたら超最高だけど、みんなに預けるライヴっていうものがあるんだなって思ったんです。120%を一人で出すんじゃなくて、みんなに任せる部分があっても楽しいことができるかもしれないって。それは本当に今まで培ってきた信頼という名の絆だなって思えたんです。

──変な甘えは感じなかったよ。LiSAは引っ張って行かなきゃって思う人だからね。だけど、本当にいつも以上にLiSAは頑張ってたし、いつも以上に盛り上がってたんだと思う。

そうですね!そういう意味ではめちゃめちゃベスト盤のライヴぽくって、本当に一番最初の方のライヴみたいだったなって思います(笑)。Girls Dead MonsterとかLiSAとしての最初のライヴは、お客さんにすごく引っ張ってもらって、お客さんが“俺らが盛り上げるぞー!”みたいな気合いを感じたライヴだったので。そういう一番最初のライヴみたいな感じでしたね。

──客席のファンのみんなはすごく楽しそうだったよ。私の近くにいた子とかもうすごくって、“あなたのその応援きっとLiSAに伝わってます”って言ってあげたくなるぐらい全力だったの。最後帰る時に“疲れた~”って言ってて、そりゃそれだけ全力で頑張ったら疲れるだろっ思った(笑)。たぶん君は今日LiSAより疲れてるだろうって思ったくらい(笑)。彼は全力で“今日は俺がLiSAを助けた”って思ってたよと思うよ(笑)。

そういうの嬉しいな(笑)。

──だから、そういう楽しみ方もあるんだよね、きっと。

そうそうそう!私がアニメ制作の現場で一番最初に感じたのはそれで。本当に一人一人が準備体操をして待ってたんじゃないかってぐらい(笑)。“俺今日やるぞー!”みたいな、自分が主人公みたいな(笑)。

──LiSAって自分がその空間を一番楽しむんですよ、それが俺たちは好きなんだ”って言ってたよ。だからそれを頑張って応援してあげたいって思うんだよ。

ありがとうございます……(涙)。

──泣いた!?

泣かせにきたじゃないですか、だってー!泣かないようにしてるのに!

──あははは。いつもLiSAとのインタビューは大笑いしながらか、号泣しながらになるよね(笑)。悲しかったことも嬉しかったことも一緒だよね、LiSAの場合。悲しかったことが悲しいんじゃなくて、結局それが嬉しかったことになるっていうかね。2019年4月29日、30日の横浜アリーナはどんなライヴになりそう?

まだはっきりと決めてないけど、横浜アリーナって前回がめちゃくちゃ楽しくって、本当にすごく好きなライヴになって、横浜アリーナでの2daysって武道館みたいに自分の物語の中で作ったものっていうより、音楽を使ってまた新しい物語を作った感じがしているんです。一言で言っちゃうとコンセプトライヴなんですけど、自分の音楽を使ってまた違う人生を歩ませてあげた音楽たちがあるっていうか、普段アニメだったり作品があってそれに音楽をつけることがあるんですけど、そのために作った作品がまた違う物語をつけてみんなのもとに届いていって、みんなの応援歌になったり自分の歌になってるっていうのが音楽のすごく自然な流れだなって思っているので。まだ詳細は言えないし、まだしっかりと決まって居ないけど、“君が必要なんだよってライヴ”です。

──平成最後のライヴだからね。

そう!私はギリ昭和生まれなんですけどね。記憶のない昭和。ほとんど平成育ちだけど、携帯も折りたたみじゃなかったし、画面もカラーじゃなかったし、ショートメールだったし。ポケベルもやってましたよ。ダイヤル回してる電話のお家もありましたしね!

──そうなんだね。そう考えると平成っていろいろなものや事柄が、すごく大きく成長や進化した時間だったよね。

次、どんな年号かなぁ。私の予想では、きっと“希望”の“希”と~、“光”で“希光”……。“志”でもいいか、“希志”とか(笑)。

──どうなるかね。LiSA的に、新しい年はどんな年にしたいですか?“希光”は(笑)。

“希光”(笑)。勝手に(笑)。そうですね、どうしよう。多分私の言い方間違ってると思うんですけど……ちょっと暴走します。今年は。

──暴走するの?

そう。なんか、ちょっと遊びます。ここまで真っ直ぐに、真っ直ぐに真面目に一生懸命やってきたから、そこで築き上げて来たみんなとの信頼をもって、ちょっと遊びます。

──すごくいいと思う。それって自分を認めてあげられる自分にもなったってことでしょ?そこからちょっと解放みたいな?

うん。

──それはなんのために? 可愛い子には旅をさせろじゃないけど。ちょっと“行ってこいLiSA!”みたいな?

なんだろな。今すごく真っ直ぐ真っ直ぐきて、いろんなものをみんなと楽しむ方法で道はできてきたから。このまま真っ直ぐ真っ直ぐずっと行ったら行ける場所はきっとあって。だけど、違うやり方でも全部やって、それを連れてゴールに行った方が楽しそうだなって思ったの。

──そのために遊んであげるってこと?

そうです。それは音楽で“戦うぞ!”って言ってやってきたんだけど、もうちょっとお風呂シーンとかも入れていこうかなと(笑)。

──ん?

(笑)。お風呂シーンとか、プールシーンとか、アニメでいうとサービス回が必要じゃないですか。

──あ、水戸黄門でいう由美かおるみたいなね。……古い古い。

あははは。そうそう!水戸黄門も黄門様の役をやるだけじゃなくって、旅の途中にお風呂シーンがあったり、ちょっとサービスシーンが必要じゃないですか、そのサービスシーンを作る感じ!

──なるほど。自分がちょっとLiSAから離れて遊ばしてあげるってことじゃなくてね!

そう。じゃなくてです!じゃなくて、今まで作ってきた木の中で、まっすぐ生えていったらある程度高く育っていくと思うんですけど、もっとたくさんの人を木陰に入れてあげるためにもうちょっと幹増やそっかなみたいな感じです。

──そっか。木もわしゃわしゃってなってると伸びないもんね。枝を切ってあげたりしないと高くは伸びない。

そう。今まで木を高くは育ててきたんですけど、横幅がないので、横幅もちょっと増やしてあげたいなって。今いる人たちが入れる木の大きさではあるんですけど、もうちょっとたくさんの人が入れる木陰を作るには横幅が必要だと思うから。

──そうね。東京ドームに連れてってくれるんだもんね、LiSA。

そうです!頑張らなくちゃ!

──お風呂に入ってね(笑)。

そう。プールにも入って(笑)。

──もうそんなこと書いたら、“お風呂”“お風呂”“お風呂”ってなるよ(笑)。

あははは。音楽もそうなんですけど、修学旅行とか、学校にみんなで集まって怖い話とかやりたいもん。夜。なんか、全然違うことやりたい!

──それは活動として?それともファンクラブ旅行としてとか?

活動として、一回やってみたい。全然違うことを。それが音楽でもいいんですけど、全然違う音楽とかやってみたい。

──全然違う音楽?

やりたい!

──違う音楽って何?LiSAの音楽にはもうロックもポップもバラードもあるでしょ。

それは幹の先でしょ。私の中にはもうロック、ポップがもうあるから、その中での違うことというか、今を広げるみたいなことをやってみたい。ちょっとダンサブルなものとか。ライヴで突然物語読む人が出てきたり、サーカスが始まったり。楽しいことをしてみたいんです!

──LiSAフェスみたいなのもちょっとみたいかもね。

ご飯も作りたいです!里沙家(ライブ会場で出店したラーメン屋)の新しい味とか。最終的にみんなが集まって、楽しく生きていける場所が欲しいんです。

──そうだね。ここにきたら絶対楽しめるみたいなね。

そう。街……国を作ります。LiSA国作ります!

──LiSA国いいね。あ、そこでしか使えない年号を“希光”にすれば?

いいですね。免許証みたいなの作ってね(笑)。でもね、今ね、こっそり自分の哲学を書いてるの。最近、哲学の本とかも読んでてそれがすっごく面白くって、いろんな人の思想を研究してるの。私も死んだ時のために書いといたほうがいいなって思って。だから、“人には優しく”みたいな自分の持論を哲学的に思いついたら1個1個書いてるの、ここ最近ずっとね。

──すごい!いいとおもう。

私が死んだら“今日もいい日だっ”って唱える人が受け継いでやっていってくれたらいいなと思って(笑)。

──なるほどね。“どうも2代目LiSAです”みたいなね。

そうそう(笑)。

──哲学書いいね。でも、最初に話してた思考の変化の話じゃないけど、もうちょっと先になったら、“この頃の自分はこんなこと言ってたんだなって、その哲学もちょっとずつ変わってくるかもしれないし、面白いよね。

そうそうそうそう!

──私変わっちゃったな~みたいな。

いや~変わりますよ~。だって今でも昔のブログとか見るとめっちゃ恥ずかしいですもん。最初めちゃ元気なのに3行目ぐらいから暗い長いトンネルに入ったみたいな感じで始まって、やっべーって思って(笑)。

──あははは。そんな変化も人間らしくていいよね(笑)。

うん(笑)。LiSA国で、できるだけみんなが楽しくなる言葉とメッセージを届けていきたいですね。基本的にはヘラヘラ笑っていたいですから(笑)。楽しいことを探したほうがいいと思うよって。平和主義なんで(笑)。どうでもいい話とかして、その人の悩みをバンッ!って晴らせたらいいなって。今、さくらももこさんの『もものかんづめ』も読んでて、それもそういう感じ。まるちゃんが水虫に悩んでる話とか(笑)。日常にあるほんとにどうでもいいことに悩んでるほうが楽しいなっていう。それって、全部平和だからなんですよね。人のこと責めるよりも、自分の一大事を考えたほうがいいよって、この先も笑って歌っていきたいなって思ってます!そんなLiSAを、2019年もどうぞよろしくお願い致します!

PRESENT

ホールツアーグッズを2名様に!

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

ライブ情報

◆LiVE is Smile Always~eNcore~
2019年2月13日(水)14日(木)Zepp Tokyo SOLD OUT

◆LiVE is Smile Always~364+JOKER~
2019年4月29日(月・祝)30日(火・休) 横浜アリーナ

★イープラス特別先行抽選受付
受付公演:2019年4月29日(月・祝)30日(火・休) 横浜アリーナ
>>詳細はお申し込みページにてご確認ください

イベント出演情報

◆SUPER BEAVER『都会のラクダ “ホール&ライブハウス” TOUR 2019~立ちと座りと、ラクダ放題~』
2019年3月13日(水) Zepp Tokyo SOLD OUT

出演:SUPER BEAVER
GUEST:LiSA

RELEASE

『LiVE is Smile Always ~ASiA TOUR 2018~[eN + core] LiVE & DOCUMENT』<br>5月15日(水)リリース決定!

Blu-ray&DVD

『LiVE is Smile Always ~ASiA TOUR 2018~[eN + core] LiVE & DOCUMENT』
5月15日(水)リリース決定!

ライブ会場事前予約特典、各店舗購入者特典あり。
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」

両A面SINGLE

「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」

(SACRA MUSIC)
NOW ON SALE

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  • 武市尚子

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    武市尚子

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