兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第6回[4月の巻~後編~]

コラム | 2018.05.07 15:00

4月26日(木) トリプルファイヤー @渋谷 CLUB QUATTRO

ボーカルの吉田靖直、最近テレビではよく観るけど、バンドのライブはしばらく観れてなかったもので足を運びました。最高でした。バンドの……なんて形容すればいいのか悩みますが、無理矢理言うなら「淡々グルーヴ」みたいな感じかな、とにかくそのようにすばらしい演奏と、歌でもラップでもない吉田靖直のボーカルのマッチング、素敵すぎる。これほどまでにステージの上で所在なさそうな人、他にいない、と、吉田靖直を観るたびに思う。そしてその所在なさ、なんかもう我々そのものだと思う。堪能しました。

4月27日(金) 三島タカユキ追悼フルテンライブ @新代田FEVER

昨年11月に亡くなったカメラマン、三島タカユキさんの追悼イベント。彼と親交のあったミュージシャンたちが集結して行われた。出演は、ギターウルフ、FUCKER 谷ぐち順、ニートビーツ、budda black、Jail Guitar Doors、Daddy-O-Nov(DJ)。なお、budda blackは、矢沢洋子や元ギターウルフのU.Gたちのバンド。あと、最初にセイジさんが前説、というか挨拶しておられたので、開催の中心になったのはギターウルフなのだと思います。
湿っぽさのない、まさにロックンロール・パーティーな空気が続く、いいイベントでした。特にバンドのトップに出たニートビーツ。真鍋、セイジさんいじりを大量に入れつつ三島さんとの思い出を語り、場内爆笑。で、この日、ダブルヘッダーだそうで、深夜2:30から新宿ロフトのイベントに出ることを宣伝して、颯爽と去って行かれました。

4月28日(土) ARABAKI ROCK FEST.18 1日目

去年ひっさびさに遊びに行ったらめちゃめちゃ楽しかったので、今年も足を運んだ。いっぱい観ていろいろおもしろかったが、この日の個人的ハイライトはフラワーカンパニーズと井乃頭蓄音団のセッションにゲストが加わる「フラカン&イノチクのアラバキフォークジャンボリー」と、まさに鬼気迫るステージだったサニーデイ・サービスでした。
何か観るたびにツイートしたので、そちらをご覧いただければ幸いです。
https://twitter.com/shinjihyogo です。

4月29日(日) ARABAKI ROCK FEST.18 2日目

2日目。この日の個人的ハイライトは、『村越“HARRY”弘明 with THE STREET SLIDERS 35th ANNIVERSARY BAND』と、『エレファントカシマシ THE FIGHTING MAN -30 years of Fight-』でした。
この日もツイートしたので、そちらをぜひ。特にエレカシは、観ながら14回ツイートしました。
https://twitter.com/shinjihyogo です。

4月30日(月・祝) 岡崎体育 @お台場・uP!!!NEXT特設会場

uP!!!プレゼンツの無料招待ライブで、『uP!!!NEXT 岡崎体育~岡崎体育(¥0)~』というタイトル。場所はフジテレビの中のスタジオにがっちりステージ・セットが組まれ、招待券を射止めた1000人を前に1時間・アンコール含めて12曲のライブが行われました。
私、uP!!! に後日アップされる(ダジャレのつもりはありません、こう書くしかないのです)ライブレポの依頼をいただいて行ったので、あんまり詳しいことをこっちに書くのはよろしくないもんで、アップされたら後日リンク貼ります。
なお、後方に、「リングか?」ってくらい大きなキッズエリアが設けられていて、MCのたびに岡崎体育がそこにいるちびっ子たちを気遣って言葉をかけていたのが、彼らしくてよかった。でまた、子供たちが曲を聴いてぴょんぴょん跳ねている画、何かとてもぐっとくるものがありました。

4月30日(月・祝) 日本マドンナ @新宿紅布

岡崎体育のライブ、16時開演で17時過ぎには終わったので、終わるや否や新宿紅布にダッシュ、18時30分の開演に間に合った。日本マドンナは2013年4月に解散、ここ1~2年はたまにライブをやったりしていたが、4月25日のミニアルバム『ファックユーフォーエバー』のリリースと、この日のライブから正式に再結成、ということになるそうです。
オープニング・ゲストの、名古屋から来た鈴木実貴子ズ、観るの2回目だけど今回もよかった。そして、 日本マドンナ、ちょっと度肝を抜かれた。解散前より全然いいじゃないか。
人の反応を気にして暴論や極論を発することが難しくなる一方の世の中に対するカウンターだ、これ。とても正しい「呪詛としてのパンク・ロック」。フロア、おっさんファンで満員だった。このバンドのファンにおっさんが多いの、アイドル的な萌え人気なのかなと思っていたが──それもあるんだろうけど──ライブの途中でそれだけじゃないことに思い当たった。
このおっさんたち(僕を含む)、日本のパンク・ロックが呪詛だったり暴論だったり極論だったりした、つまりインモラルで危険極まりないものだった時代を知っている世代なのだ。ザ・スターリンとか、赤痢とか、じゃがたらとかを、10代の頃に浴びているのだ。
で、今そんなバンド、日本マドンナくらいしかいないから、こうして観に来るのだと思う。
京都のおとぼけビ~バ~(今年のコーチェラに出て話題になりましたよね)を知った時、ああ、日本マドンナ、続けていればこんなふうになれていたかもしれないなあ、と思ったが、今からでも遅くないかもしれない。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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