ライブで買ったTシャツみんなどうしてる?
今やロックバンドTシャツも完全に市民権を得て、普遍的な流行の一部になった気がする。
おしゃれブランドからファストファッションブランド、そして高級ブランドまでもこぞってアーティストとコラボしている。
それによりただのおしゃれ好きな若者たちはストーンズのあの有名なベロマークだったり、キッスもAC/DCのロゴもバンドTシャツではなくどこかの人気ブランドの服だと思って着てる若いコ達がほとんどらしい。めんどくさいロックおっさんとしてはひとりひとり捕まえてうんちくの一つもたれたくなるけど我慢してる。まあいいわな。
でもそういうバンドTシャツってそもそもはどこで売られてるものかというと、それはやはりロックコンサートの会場だ。
子供の頃に海外のストーンズやキッスのコンサート会場映像で外人の大人達がベロマークやキッスのロゴのTシャツ着て騒ぎ踊ってるのを見て「わーカッコいい」と憧れたものである。
なので僕も大人になってからは外タレの来日ライブや日本のロックバンドのライブでもそのコンサートのTシャツをいつも買うようになっていた。
ストーンズやポールの初来日ライブ。RCサクセションやBLANKEY JET CITY。誰に気付かれるでもないそのライブ記念Tシャツを誇らしげに着てたものである。
でも大昔、ストーンズのライブで騒いでた外国人ももうみんな初老か立派なおじいさんおばあさんのはずで、ポール来日ライブやRCのライブで盛り上がった僕らも本当にいい歳になってしまいストーンズベロTシャツならまだ何とか大丈夫だが「FUCK」とか思い切り描き殴られたハードコアパンクバンドのTシャツとかは着るのにさすがに抵抗が出てきて着なくなったものも増えた。
それで突然だが、僕が昔からずっと不思議に思ってる疑問を皆さんにも問いたい。
コンサートで買ったTシャツ、みんなその後どうしているのか?
昔からこの疑問を持ってるのにはいくつか理由がある。
・沢山のライブで沢山のアーティストTシャツが売られてるはずなのに街中で人が何らかのアーティストのライブTシャツらしきものを見かける事がめったにない。
・自分も沢山ライブでTシャツを買ったがほとんど無くなってしまったがどこで消えたか思い出せない。
二つ目はただの自分の管理力と記憶力の問題だが一つ目はほんと昔から不思議で、ブランドとはまた違うファッションだけど売れてるものは人気ブランドのTシャツより売れてるものあるし、でも見かけない。そこに何かしらの理由があるはずだと思い、今回まわりのライブによく行く音楽好きの知人何人かに質問して答えてもらった。
男性A:34歳、パンク好き
ハイスタとかグリーンデイとか普段普通に着てますよ。それで着まくってヘロヘロになったのは寝間着がわりにしたり、なんかの作業用とかにして、ホントにボロボロになったら捨てますね。
普通の答えだった。確かにハイスタとかのメロコアTシャツは街でも普通に見かけたし今も見かけるし、ある意味バンドTシャツをファッションで定着させたのはメロコアの功績は大きい気がする。
女性A:45歳、Jポップ好き
外では着ません。その人のライブの時に前のライブのTシャツを着て行き、そこでまたそのライブのTシャツをまた新しく買ってその次のライブに…の繰り返しです。外で着るの恥ずかしいですね、なんか主張が出てしまう感じが。
なるほど一つ謎が解けた。「外で着るのはそれを主張してるようで恥ずかしいから着ない」という事か。これが僕の昔から謎に思っていた街で見かけないという疑問に対して一番納得できる答えなような気がする。僕はその逆で同じそのバンドが好きな人にツッコまれたくて着てるので気付かなかったのだ。
男性B:45歳 洋邦何でも好きでライブもよく行く
ヘンな人と思われるかもですが、昔から保管癖があり実は全部一度も着ないで保管してます。それでどうするの?って言われてもその通りなんですがたまに溜まったTシャツをダンボールから出して眺めてその時を思い出し、きちんとまだ保存状態がいい事を確認して、また戻すみたいな(笑)。
驚いた、そんな人もいるのか。分からんでもない部分もあるが、パンフレットならまだ分かるが衣服に関してもこういう方は一部いるのだな。このBさんはある時ふとオークションで自分の持ってるTシャツ達を検索してみたら一部のTシャツ達が物凄い価格になってたそうで、それ以来「投資」という部分も芽生えてしまったそうだ。
まとめると、疑問だった外で見かけない理由は「外ではあまり着たくない」、そしてどこで着てるのかは「そのアーティストのライブで必ず着てる」というとこが一番ポピュラーな理由な気がした。
僕が同じファンの人に気付かれたいというあまりにストレートな理由で着てたのでその事実を全然知らなかったのと、タイプは違えど共通してるのは自分の好きなアーティストのTシャツを着る時というのはその人にとってやはり気分のアガる特別な時なんだよなあ、と思った。
横山シンスケ
49歳。お台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」店長・プロデューサー。その前10年くらい新宿ロフトプラスワンのプロデューサーや店長。スミスと清志郎のTシャツはいくつかコレクションしてる。東京カルチャーカルチャー:http://tcc.nifty.com/
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