vistlip、19周年記念ライブ[CLOCKWORK JUKEBOX]をレポート!来年迎える結成20周年へ向けて、新たな扉を開く

ライブレポート | 2026.07.13 18:00

vistlip 19th Anniversary LIVE[CLOCKWORK JUKEBOX]
2026年7月7日(火)Zepp DiverCity(TOKYO)

結成19年を迎えたvistlipが記念日である7月7日に恒例のライブ「vistlip 19th Anniversary LIVE[CLOCKWORK JUKEBOX]」をZepp DiverCity(TOKYO)にて開催した。周年のタイトルにはいつもシャレを盛り込む彼らだが、“19”とレトロな自動音楽再生装置、“ジュークボックス”をかけ合わせ、「時計仕掛けのジュークボックス」という意味を持たせたのも彼ららしい。初期の代表曲から“夜明け”をモチーフにした最新アルバム『DAWN』の楽曲まで幅広い時代のナンバーを網羅したセットリストも次に何が飛び出すかお楽しみのJUKEBOXのようだった。智(Vo)は後半のMCで来たる20周年について5人の想いを伝えた上で「未来があります!」と力強く宣言。不動のメンバーと心強いサポーターであり続けたオーディエンス。共に様々なことを乗り超えてきたであろうvistlipが掴み取った景色がそこには広がっていた。

開演は18時。約30分前に場内に着くと流れていたのはTOTOの「アフリカ」やABBAの「ダンシング・クイーン」、バングルスの「マニック・マンデー」などの懐かしの洋楽のヒット曲たち。ステージ下手にジュークボックス(コインを入れてリクエストボタンを押すと機械式のアームがアナログのシングル盤を選んで音楽が流れる装置)が置かれ、上部にはネオン管のvistlipのロゴ。センターにカウンターと赤いチェアが置かれたステージセットはロックンロールの誕生と共に全盛期を迎えたジュークボックスが店内に置かれたアメリカン・ダイナーのようなレトロな雰囲気を醸し出している。タイトルを可視化したような空間の中、海(Gt)の声でユーモアたっぷりの前説が流れ、いよいよ開演だ。

アナログレコードが縁取られたLEDビジョンに映像が映し出され、Tohya(Dr)を筆頭にメンバーが次々にステージに登場。瑠伊(Ba)はジャジーな曲、Yuh(Gt)はヘヴィロックというふうにそれぞれのイメージに合うBGMが流れ、大歓声の中、19周年の記念日は幕を開けた。

オープニングはジャズとヘヴィな質感のギターサウンドがクロスする最新アルバム『DAWN』収録曲の「Figure」だ。大人テイストに振り切らず、やんちゃな部分を残しているのが結成当初から“ミクスチャーロック”を打ち出してきたvistlipらしい。波のように揺れるフロアに続いて投下されたのはvistlipの原点であるヘヴィチューン「EDY」。最新の曲からいきなりタイムリープする構成は嬉しい裏切り。瑠伊がセンターでベースを鳴らす「EVE」ではスモークが噴き上がる演出の中、ヘドバン続出のフロアに智が「聞こえねーよ!」とマイクを向け、これも初期からのライブ定番曲「Dead Cherry」へとなだれ込む。Tohyaのタイトなドラミング、智と海のラップの掛け合い。言うまでもなく場内は興奮の坩堝。

「楽しんでますか? DIVER!」と智が叫んだ最初のMCでは19年間、変わらずにバンドが続いていること、そして変わらず七夕に結成を祝うライブを開催できていることへの感謝の想いが伝えられた。

多様なジャンルのみならず、5人5様の個性が主張しあい、いくつものケミストリーを生んできたvistlipが20周年に向かう“現在地”を新旧織り交ぜたセットリストに落とし込んだのがこの日のライブでもあった。「ジュークボックスっていう歌詞が出てくるからには、この曲は絶対、外せないよね」と智が伝えた「BGM「METAFICTION」」はジャズ、ヒップホップ、ロックを掛け合わせたハイブリッドなナンバー。艶とエッジを兼ね備えた智のボーカルとYuh、海、瑠伊、Tohyaのグルーヴ感たっぷりの演奏が心地いい。身体を揺らせた後は智が拡声器を用いての緊迫感たっぷりのアグレッシヴな「Bedtime Story」を投下。押し引きが絶妙な間奏も聴きどころの「MONOGRAM」では智のフロウからYuhのタッピング奏法が冴えるギターソロへの流れもフックにーー。Tohyaのパワードラムと瑠伊のスラップ、海とYuhのラウドなギターが叩きつけられる「GLOSTER IMAGE」も場内をさらに熱くさせた。5人が刺激し合いながら調和し、カタマリとなる独自のグルーヴを生み出していく。それが19周年を迎えたvistlipの今だと感じた。

MCでは智が登場の時の自分のBGM(選曲はTohya)が微妙だったと言うと、瑠伊が「神々しくて良かったじゃん」と笑い、海が「俺の曲は暗かったよ」とvistlipらしい自由なトークセッションが繰り広げられた。

「長い間、いろいろなことがあったけど、こうやって笑顔でみんなと一緒に楽しいライブをやれてるのはすごく幸せなことだと思ってます。それと同時にみんなへのラブソングもいっぱい作ってきたなって。そんな中の1曲を聴いてください」(智)と、中盤は溢れ出すファンへの想いが綴られたナンバーが映像と共に届けられるセクション。智のファルセットが活きる名曲「夜」をスケール感たっぷりに響かせ、ピアノの旋律が曲を彩る「Principal」はSNS仕様で歌詞が映し出される演出。“僕が君を幸せにしたい。”というフレーズは歌詞を伝える智がずっとファンに思ってきたことだろう。イントロで「みんなで歌おう」と呼びかけた「音のカケラ」(『THEATER』収録曲)も音符を集めて君を照らそうと歌う人気曲。不器用なまでにファンを愛し、音楽の力を信じてきたバンドの歌が沁みてくる。このセクションは細やかなカッティング、フレーズが重なり、洗練されたリズムと音を奏でる最新アルバムの「ドクガエルとアマガエル」で締められた。

感動ゾーンを挟み、場面が切り替わるように初期ナンバーのメドレーが演奏されたのも19周年ライブのコンセプトならではの粋な試みだった。リクエストされたシングルをアームで挟んで針を落とすジュークボックスのイメージ映像とアナログTVの中のvistlipの過去映像が映し出され、2008年に3ヶ月連続でリリースされた「Sara」、「alo[n]e」、「drop note.」や「STRAWBERRY BUTTERFLY」「NEXT」など懐かしい曲たちが目の前で披露された。

その後はバンドの一体感が曲に説得力を与える「CRACK&MARBLE CITY」で場内の熱をさらに上げていき、vistlipのヒストリーに欠かせない曲「Hameln」は巨大な白いバルーンが場内に投げ込まれる参加型の演出。智が上手でYuhの肩に手を回して歌い、下手で海にマイクを向ける開放感たっぷりのパフォーマンスの中、智が曲中でバルーンに触ってないと不満を漏らして笑いを誘っていたことがMCに繋がっていった。

「バルーン、全然触らせてもらえなかったから、夢中すぎて最後のサビ、ちょっと飛んじゃった(笑)」「これだけ長くやっていると、できない曲が増えてきちゃうけど、今回はせっかく“JUKEBOX”があるので、どうしてもやりたい曲をメドレーにさせてもらいました。また、どこかでフルヴァージョンで演奏する日が来ると思うので、しっかり、ついてきてください」。そう伝えた後はグミが入った瓶やジュースの販売機が置かれているステージセットについて5人でひとしきり盛り上がり、終盤戦にーー。

曲が進むにつれてグラデーション的に光が強くなる構成は19周年から20周年に向かう過程のvistlipを象徴しているようだった。ライブの定番曲のひとつ「HEART ch.」で暴れまくり、幸せになるヒントが散りばめられたナンバー「Recipe」が届けられ、七夕の夜に欠かせない「-OZONE-」はイントロで大歓声&ハンドクラップ。梅雨明け前の今年の七夕も曇り模様だったが、約束の待ち合わせ場所を曇り空の地下と歌う部分も感動を増幅させる。智が「来年もみんなに会えますように」と願い事を口に出し、4人がセンターに集結した後半ではカラフルなテープが勢いよく放たれた。続く「Drawing Dawn」は、Yuhの細やかでキラキラしたギターのフレーズが夜明けの情景を浮かび上がらせるスケール感たっぷりのナンバー。新たな景色を切り開いたこの曲はvistlip初のシンガロング曲となり、みんなの大合唱が会場に響きわたった。

「今日は本当にどうもありがとうございました。“vistlipをみんなでお祝いしてあげましょう”ってSNSに書いたんですけど、vistlipという看板は自分たちのものだけじゃないと思ってます。もちろん、メンバーである俺たちはその中心だけど、みんなで支えてきた。どこのバンドより支えてもらったんじゃないかと思っています。今がいちばん、いいって言うけど、これほどまでに今がいちばんいいと素直に思える瞬間はないので、この曲でそんな想いをお互いに交わしたいと思います」。感謝の言葉と今の心境を伝えた智の表情は感無量。ペンライトの光が揺れる中、本編最後に贈られたのは七夕にしか演奏しない特別な「July Ⅶth」
だった。

「19周年、思い返すとホントに長いね。どんないいことも言い尽くしたんじゃないかと思うけど。それでも、この日を迎えると、いつもドキドキするんだよね。すごく大切さですごく特別だから。さっきからチープなことばっかり言ってるけど、それがカッコつけてない俺の素直な気持ちで、そんな言葉たちばっかり出てくる。もう20周年目が始まるんだよね。来年はもっとすごいことをやっていかなきゃな。みんなを今年以上に楽しませていこうと5人で思ってます。未来があります。どうかvistlipをよろしくお願いいたします」(智)。その飾らない心とまっすぐな決意に力強い拍手が降り注いだ。

メンバーがステージを去るとアンコールの声がすぐに響き、暗転した場内に主催イベントや12月に東京・大阪で開催されるワンマンライブの予定が映し出された。熱いリクエストに再び登場したvistlipは「あと1曲だけ、俺たちと遊んでくれますか?」と「偽善MASTER」で暴れ倒し、「せっかくの七夕だから」とラストを「Idea」で締めくくった。

最後までステージに残ったTohyaは自己鍛錬のため、この1年で通算3660キロも走り込んだと報告し、「これからも挑戦、成長、そして進化。vistlipと共にみんな、走り続けましょう!」と熱血挨拶。おなじみの「お疲れ!」「ヤンマー!」のコールアンドレスポンスで七夕ライブは終演。

それは20周年に向かう架け橋となったアルバム『DAWN』を作り上げたからこそ見えた景色だったのかもしれない。vistlipが解放に向けて開いたのは眩い光が差し込む新たな扉。至福の瞬間を紡いだライブと共に「未来があります」という言葉がいつまでも胸に残った。

SET LIST

01. Figure
02. EDY
03. EVE
04. Dead Cherry
05.BGM 「METAFICTION」
06. Close Your Eyes. [SE]
07. Bedtime Story
08. MONOGRAM
09. GLOSTER IMAGE
10. 夜
11. Principal
12. 音のカケラ
13. ドクガエルとアマガエル
14. MEDLEY [Sara / alo[n]e / drop note. / STRAWBERRY BUTTERFLY / NEXT]
15. CRACK&MARBLE CITY
16. Hameln
17. HEART ch.
18. Recipe
19. -OZONE-
20. Drawing Dawn
21. July VIlth

ENCORE
01. 偽善MASTER
02. Idea

  • DI:GA ONLINE 10周年

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