NEMOPHILA、原点回帰するツアー&武道館ワンマンについてmayu(Vo)・葉月(Gt)に訊く

インタビュー | 2023.10.13 19:00

今年7月にバンド史上最大規模のホールツアー“4th Anniversary -Rizing NEMO-”を成功させたNEMOPHILA。彼女たちが同ツアーの東京ガーデンシアター公演の模様を収録したライブBlu-ray『NEMOPHILA 4th Anniversary -Rizing NEMO-』と、カバーEP『The Initial Impulse』を11月8日に同時リリースする。
そしてその2日後の11月10日からはCLUB CITTA’(川崎)を皮切りに“ワンマンツアー~おしくらまんじゅう押されて笑おう~”を開催。全国11箇所を回り、来年2月17日には結成5周年を祝し日本武道館ライブを行うことが決定している。今回のインタビューでは映像化した東京ガーデンシアターの振り返りやカバーEPの制作秘話、この先に控えるワンマンツアーと日本武道館ライブについてボーカルのmayuとギターの葉月に迫った。
──2023年7月に開催された“-Rising NEMO-”は、東京と神戸でセットリストも衣装も変えたそうですね。
mayu2ヶ所もホールでライブをさせてもらえることになったので、特別なものを用意したかったんです。セットリストは1ブロックをガラッと変えて、あとは合間に入るSEやつなぎもがっつり変えましたね。衣装もそれぞれ今まで着たもののなかで好きなものをチョイスして。でも東京ガーデンシアターが初日なのに、ファイナルっぽくなったところがあって(笑)。
葉月わたしのせいですね(笑)。絶対泣かないって思いながらMCしたのに、ポロポロ泣いちゃって。
──やはり込み上げてくるものがありましたか?
葉月4年間の集大成であり、今まででいちばん大きい会場でのワンマンで。当日リハしてる時から客席を見て「これだけの人が集まるんだ」と構えてたはずなのに、ステージに出た瞬間に感極まってしまって。この4年間、山あり谷ありいろいろあったなあ……という話を恵子さん(※寺田恵子。SHOW-YAのボーカリスト)に話したら、「4年で山あり谷ありなんて言うんじゃないよ」と言われて、確かになと思いました(笑)。Blu-ray化にあたってあらためて映像を観返して、メンバーそれぞれの意気込みが伝わってくるいいライブだなと再確認しました。
mayu広い会場でのライブの機会は何度かいただいているんですけど、頻繁に起こることではなくて。でも去年に比べると「ここはこのメンバーに任せよう」と思えるようになっているというか、メンバー同士の信頼度が増したなと思います。“-Rizing NEMO-”は寡黙というか、ソリッドなライブにできればなと思っていたので、ストイックな正統派ライブになったのかなって。照明や演出も全部込みで、すごくいいライブになったと思いますね。

mayu(Vo)

──そうですね。華やかな演出もフックになっていました。
mayu照明の方とはいつもいろいろ情報共有をしているんです。わたしたちから希望を出したりイメージを伝えたり、照明さんのほうから「こんなものもありますよ」と提示していただいたり。
葉月どこでライブをしても対バンさんやスタッフさんから「照明さんすごいね」って言ってもらうんです。大きい会場だからなおさら映えていたし、特効は大きいとこじゃないとできないなと思います。いちばん最初の「REVIVE」の頭に“音玉”という、パン!って弾ける音が出る特効を入れてもらったんですけど、お立ち台に乗っていた時だったのでびっくりして跳び上がっちゃいました(笑)。
mayu「大きな音が鳴るから本当に気を付けてね!」とは言われていたんですけどね(笑)。
葉月あとゆらゆら揺れる炎も映像を観て「こんなふうに見えるんだ」と新しい発見がありましたね。ステージに立ってるときは暑いだけなんですけど(笑)。

葉月(Gt)

──(笑)。客席にいても炎や火柱が上がると熱を感じるので、ステージに立っている人はなおさらですよね。
葉月でも物理的に体感温度が上がってくると、同時にアドレナリンもすごく出てくる感覚があるので、気持ちも熱くなりました。客席側にいるとああいう演出はすごく楽しいと思うので、いっぱいやりたいですね。
mayuわたしが歌っているときに手を上げたら、その瞬間に炎が出るようにスタッフさんがタイミングを計ってくださる場面もあったので、魔法が使えるような感覚にもなったり(笑)。特効はテンションが上がりますね。
──演出も照明もNEMOPHILAと一緒に音を鳴らしていると感じるくらい、リズムやタイミングがぴったりだったので、観ている側もとても気持ちよかったです。
mayu東京ガーデンシアターは天井が高いので、いろんな特効が使えたんですよね。あと、いつも使っているバックドロップがメッシュ生地なので、それも活躍してくれました。普通の黒い幕に見えるのは、会場の建物の背景が黒だからなんですよね。ガーデンシアターはバックドロップの下に布を重ねたので、バックドロップの家紋が浮いているように見えるんです。それがやっとできた!ってスタッフの皆さんも喜んでました。
葉月説明を受けたときはわかんなかったよね。「家紋が浮き出るってなんだろう?」って。
mayuそうそう。実際にその状態を見たことがないからピンと来なかったんですけど、でも当日のリハで初めて「ほんとだ、浮いてるみたい!」って感動しました。

──“-Rising NEMO-”は、今までにない経験もたくさんできた有意義なライブになったんですね。
mayu葉月さんが「自分の地元の人が来ても座席が余るぐらいのキャパ」と言っていたんですけど、そんな場所でわたしたちがライブをするのは結構プレッシャーが大きくて、メンバー内でも大丈夫かなという気持ちも直前まであったんです。でもそれを経たことで「あれができたなら、じゃあ次はこれもやってみようか」という気持ちの変化はありましたね。
葉月mayuちゃんの言うとおり「こんな会場で私たち大丈夫かな」と不安も大きかったんです。でもガーデンシアターに立ったときに、この4年でいろんな人に支えられながら日々成長できたことを実感して、それで感極まって泣いてしまって。たむさんがMCで「葉月ちゃんが人間になった」と言っていたのもそうなんですが、確かに映画を観て泣くことないし、物事に感情移入があまりできないタイプなので、そんな自分が人として成長できたんだなと感じられたことも自分の中では大きかったかなって。
mayuたむさんがそう言った理由もちょっとわかるんですよね。やっぱりメンバーみんな、葉月さんが泣いたことにはびっくりして。おまけに葉月さんにつられてハラちゃんも泣くという(笑)。

──そんなおふたりのもとにメンバーが駆け寄って。いいシーンでしたよね。
葉月あははは。NEMOPHILAのおかげです。
──NEMOPHILAは新型コロナウイルスの規制が緩和された今も積極的にライブを配信していますが、ライブを映像化することをどのように捉えていますか?
mayu結成から1年もしないうちにコロナ禍に入ったので、ストリーミングを主体に活動していくことが当たり前だったんです。だからライブが映像化されることや、カメラ越しにアプローチをすることは、もしかしたら他のバンドよりもナチュラルに捉えてるかもしれない。だからこそ映像を通してライブ感がそのまま伝わるといいなとは思っています。
葉月海外でライブをすると、お客さんが自分のカメラで撮りながら観てる人も多いんですよね。それを否定するつもりはないんですけど、撮りながら観るのって大変じゃないかなと思うんです。だからちゃんとした機材や設備で撮影した映像を残したいですね。そのライブに足を運んでくれた人も、映像を観たら「あ、こんなことあったよな」と思い出して楽しめると思うし、今後も映像化は続けていきたいです。カメラが入っている場合は意識しているけど、カメラアプローチは難しいですね。

mayuほんとそうですよね。たとえば歌詞を間違えた場合、実際目の前にいる人にはちょっとしたハプニングとして捉えてもらえるけど、ストリーミングで観ている人にはそうはいかないので、結構プレッシャーはあって。そういう意味ではいい緊張感を持てています。ライブストリーミングやライブ映像は、会場に行った人も、行けなかった人も楽しめると思うんです。海外の方や遠方の方はなかなか会場に来るのが難しいと思いますし、映像を通じて楽しんでもらえたらすごくうれしいですね。

公演情報

DISK GARAGE公演

NEMOPHILA ワンマンツアー ~おしくらまんじゅう押されて笑おう~

2023年11月10日(金)神奈川CLUB CITTA'(川崎)
2023年11月11日(土)新潟・新潟NEXS
2023年11月17日(金)愛知・ElectricLadyLand(名古屋)
2023年11月19日(日)兵庫・神戸VARIT.
2023年12月2日(土)北海道・札幌Bessie Hall
2023年12月15日(金)大阪・GORILLA HALL OSAKA
2023年12月23日(土)石川・金沢EIGHT HALL
2023年12月24日(日)長野・NAGANO CLUB JUNK BOX
2024年1月7日(日)岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2024年1月8日(月・祝)福岡・福岡DRUM LOGOS
2024年1月13日(土)宮城・仙台Rensa
チケット一般発売 2023年10月1日(日) 10:00

NEMOPHILA 5th Anniversary ~地獄のゆるふわ LIVE at 日本武道館~

RELEASE

『NEMOPHILA 4th Anniversary -Rizing NEMO-』

LIVE Blu-ray

『NEMOPHILA 4th Anniversary -Rizing NEMO-』

2023年11月8日(水)SALE
2023年7月17日 東京ガーデンシアター公演収録
『The Initial Impulse』

カバーEP

『The Initial Impulse』

2023年11月8日(水)SALE
  • 沖 さやこ

    取材・文

    沖 さやこ

    • ツイッター
    • instagram
  • 堀 清香

    撮影

    堀 清香

    • ツイッター
    • instagram

SHARE

NEMOPHILAの関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る