ぜんぶ君のせいだ。「Sicutie&Stupid Tour 2021」
2021年11月2日(火)TSUTAYA O-EAST
ぜんぶ君のせいだ。が11月2日(火)に東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて、再47都道府県ツアー「Sicutie & Stupid Tour 2021」のファイナル公演を開催した。
如月愛海(きさらぎめぐみ)、征之丞十五時(ゆきのじょうおやつ)、甘福氐喑(あまねちあん)、もとちか襲(かさね)、雫(しずく)ふふ、メイユイメイ、个喆(こてつ)からなる、「病みかわいい」をコンセプトにした7人組アイドルユニット・ぜんぶ君のせいだ。は、ちょうど1年前となる2020年11月3日(火・祝)のZepp DiverCity(TOKYO)公演を皮切りに、デビュー以来初となる47都道府県ツアー「re:voke tour for 47」をスタートさせ、2021年3月27日(土)に東京・恵比寿LIQUIDROOMでファイナルを迎えた。通算51本目となる最終公演のアンコールで、同年5月5日(水)より、2度目の47都道府県ツアー「Sicutie & Stupid Tour 2021」を開催することを発表。約6カ月かけて再び全国47都道府県を回ってきた彼女たちは半年前とは全く異なるライブを見せてくれた。
先に結論から言うと、グループとしてのまとまりが格段に違っていた。半年前のライブでは、まだメンバーそれぞれの個性が際立っており、カラフルな7名によるコラボレーションという印象を受ける場面もあった。例えば、歌が上手いとか、笑顔や仕草が可愛いとか、シャウトが熱いとか……。しかし、1年後のライブでは、それぞれが手加減なしのパワー全開で自らの個性を発揮しながらも、常に“個”ではなく“集合体”であることを感じさせてくれた。うまく言葉で説明できずに申し訳ないが、どの瞬間に、どのメンバーを見たとしても、ぜんぶ君のせいだ。という7人組ユニットのステージというトータル感があったのだ。これは紛れもなく、この1年間、休むことなく、数多くのライブをこなしてきた成果だろう。2015年7月のデビュー以来、幾度かのメンバーチェンジを経てきたが、「この7人でぜんぶ君のせいだ。です」と胸を張って言える強い自信と覚悟も感じる、堂々たるパフォーマンスだった。
開演時間になるとバンドメンバーとともに、下を向いたメンバーが「ぜんぶ君のせいだ」と何度も呟きながらステージに姿を見せた。「ぜんぶ君のせいだ!」と声を揃えて絶叫した7人は、1年前のツアーで本編を締め括っていた「唯君論.」でライブの口火を切ると、「みすふぃっとらゔぁーず」ではステージ上をチャーミングに走り回りながらクラップとジャンプを誘発。10月6日にリリースされた13枚目のシングルで、みきとPが作編曲を手がけた「Heavenlyheaven」では見事なフォーメーションを展開し、十五時がセンターを務めた「メスゲノムフェノメノン」ではおしりをふりながらツイストを踊り、喑を先頭にバイクになって爆走。ステージ上に笑顔で寝転ぶふふや愛海をメンバーが飛び越える「オルタナティブメランコリー」では、十五時の「みんなでいくよ」という呼びかけに観客が応え、フロアが一体となって踊り出した。7人体制となったグループのまとまりというものを明確に感じることができる5曲だった。
ひと言だけの簡単なあいさつの後のブロックでは、ラウドでヘヴィーなサウンドから浮かび上がってくる歌声に惹かれる場面も多かった。拳を掲げて熱唱するメンバー以外は背中を向ける「Cult Scream」。円陣を組み、手を重ねてから始まり、ファルセットも響かせる「インソムニア」。a crowd of rebellionの丸山漠が提供した新曲「SCAR SIGN」ではメイを先頭に行進し、ウィスパーのデスヴォイスも披露し、イントロからクラップが湧き上がった「WORLD END CRISIS」ではメンバー同士によるシャウトバトルのような展開となり、愛海のポエトリーリーディングでクライマックスを迎えるなど、楽曲ごとに声色を変え、多彩な表情を見せてくれた。
ライブはほぼノンストップで熱く激しく進行していたのだが、メンバー間の仲の良さや楽しそうな空気感が伝わってくる場面もあった。右足を力強く踏み出して歌った「ぜんぶ僕のせいだ。」では、メンバー同士で抱き合い、頭をなで、肩を組み、「Greedy Survive」では愛海と十五時が触れ合い、ワルツや4ビートに変化する「ものの恋あはれ」では2ペアを組んで踊った。そして、愛海がマイクを通さずにシャウトした「歩兵ディストピア」から7人体制となってからは初めての曲である12枚目のシングルで「堕堕」から一気に後半戦へと突入した。
メンバーが輪になって回った「Sophomore Sick Sacrifice」。十五時と愛海を喑がマリオネットのように操るテクノポップ「ROMANTICISM」。ふふと个喆が3回も唇を重ねて笑顔を見せた「僕喰賜君ノ全ヲ」。声は出せないながらも、観客が一丸となって拳を突き上げて盛り上がるなか、<君のせいだよ>と観客一人一人を指差す「キミ君シンドロームX」で、全18曲を約1時間で駆け抜けた本編は熱狂のうちに締め括られた。
アンコールでは、11月24日に6thアルバム「FlashBack NightMare」をリリースすることをアナウンス。さらに、2022年1月9日より全国ツアー「seventh sense tour」の開催に加え、4月3日には、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて、ぜん君。最大の挑戦となるワンマンライブ「絵空事現(えそらごとうつつ)」を開催することを発表すると、フロアからは温かく大きな拍手が沸き起こった。
MCではこの1年間で47都道府県ツアーを2周完走したことを振り返りながら、全員が「患いさん(ファンの呼称)大好き!」と感謝の気持ちを伝えると、襲は「絶対に武道館に行きます!」と決意を表明。手をぐるぐると回す「せきららららいおっと」、Tom-H@ck&杉下トキヤ提供のロックンロール「浪漫事変」、バンドメンバーも含めた全員が躍動した「When you 2 WANT」、そして、メンバーと患いさんが再会の約束を交わす「無題合唱」。4曲続けてパフォーマンスし終えると、メンバーはステージ上で熱い抱擁をかわし、最後に愛海が「ああ、やり切ったわ。本当にすごく楽しかったです」と感想を述べ、「またツアーも始まりますし、大きい舞台にも立ちます。ぜん君。は全然止まらないんだから、まだまだ進んでいくんだから。みんなのこと置いてったりしないけど、うちらから振り落とされないようについてきてね。全員で、みんなで一緒にこの先も進んでいきましょうね。よろしく!」と声を上げて、1年間で2度目の47都道府県ツアーは無事に終幕を迎えた。
SET LIST
01. 唯君論.
02. みすふぃっとらゔぁーず
03. Heavenlyheaven
04. メスゲノムフェノメノン
05. オルタナティブメランコリー
06. Cult Scream
07. インソムニア
08. SCAR SIGN(新曲)
09. WORLD END CRISIS
10. ぜんぶ僕のせいだ。
11. Greedy Survive
12. ものの恋あはれ
13. 歩兵ディストピア
14. 堕堕
15. Sophomore Sick Sacrifice
16. ROMANTICISM
17. 僕喰賜君ノ全ヲ
18. キミ君シンドロームX
ENCORE
01. せきららららいおっと
02. 浪漫事変(新曲)
03. When you 2 WANT
04. 無題合唱