早くも1曲目から泣いてしまった。SHIBUYA-AXで5月17日に開催されたSHAKALABBITSの1日限りのスペシャル公演「THANK YOU★AX!! -LAST PARTY-」。ヴォーカルのUKIが「待ち合わせ場所」と呼び、ファンが「聖地」と位置づけている同会場での最後のライブを前に、彼らは感謝の気持ちを込めて、ライブのセットリスト、39曲(サンキュー)を事前に公開した。当然、1曲目がなんであるかは知っていたし、心の準備もできていたのだが、それでも目の前の光景に言い様のない感動を覚え、涙がとまらなくなってしまったのだ。
ライブ中のMCでUKIも語っていたが、この日のチケットはソールドアウト。会場に集まった1700人の観客は開演前から「SHAKALABBITS」の名前を大声で連呼していた。予定から15分遅れで場内が暗転。ステージの紗幕には、大きなAXのロゴのあとに、彼らがこれまでAXで行ってきたライブの写真が投影された。紗幕はそのままで、バンドメンバーのシルエットだけが見える状態で、TKCのギターに合わせて、UKIが「Head-Scissors」のサビをスロウテンポで歌い始めると、客席は大合唱となった。ステージ上から「一緒に歌って」と呼びかけなくても、いつも自然発生的に巻き起こる、この合唱に感動させられる。そして、バンド演奏が入ると同時に紗幕が下りると、会場はすでにクライマックスかのような盛り上がりをみせた。TKCのシャウトが轟くハードコアナンバー「GO」やMAHの激しいドラミングが炸裂した「SADISTIC AURORA SHOW」や、ジャジーな4ビートからパンキッシュなグルーブを経て、3拍子のワルツに変化する「IT'S OUR SECRET」とアグレッシブなナンバーを続けていく。肩車をして客席をあおるものいれば、モッシュをする人もいるし、会場の後方では円陣を組んで、大きな輪を作ってる人たちもいる。キメの部分では右手を高々と掲げて大声で叫び、準備してきたペットボトルの水や紙吹雪をまき散らしたりもする。バンド結成15周年を迎えた彼らだが、客席の中心にはどの時代にも10代や20代がいて、この日のAXには50代のお客さんもいれば、まだ小さい子供もいた。小さな女の子がお父さんに肩車されて、若者と一緒に輪を作っている。ライブを主体的に、自由に、自分のペースで楽しめる方たちばかりで深く感心させられる。バンドのパフォーマンスはもちろんのこと、観客の声に、立ち振る舞いに感動させてもらってると言える。
ライブの中盤、<♪確かな愛は咲く>との合唱が巻き起こった「mammy's back?」では、UKIも涙を流していた。彼女は「みんなが笑ってるとすごく涙が出るんだよね。ずっとハッピーなことばかりが続く日はないわけで。そんな中で、いま、ここに笑顔が集結していることが素敵で嬉しい」と、涙の理由を語った。その後の「Lady bug」「星空の下で」「シルク」「満天の星を探そうとも空を見ない」の4曲は、フレーズの1つ1つに強い気持ちが込められており、胸に迫るものがあった。ライブでお馴染みの「ROLLIE」「SO EXCITED!」で、会場の高揚感は一気に跳ね上がり、YSKのベースがパンクグルーブを生み出す「soda」では、<♪ぐるぐるまわるよ/涙でなにも見えない>というフレーズに合わせて、観客は場内をぐるぐると走りまわり、いくつもの円を作った。そして、33曲目の「Jammin'」で、ホーン隊やラッパーなど、7名のゲストプレイヤーを招き入れ、計11名となった<Jammin'All Star>による「Jammin'」で賑やかに本編の幕を閉じた。
アンコールでは、「憧れの場所に立てて嬉しいです。SHAKALABBITSに入って良かった」と語ったベースのYSKがヴォーカル、MAHがベース、UKIがドラムという編成で即興のミクスチャーロックを披露。自主企画のイベント「釈迦兎寄合」の一面も見せるなか、大合唱となった「ポピーとディンガン」「MONSTER TREE」では、オーディエンスたちは肩を組んで、この日、いちばんの大きな輪を作った。この2曲で感じる多幸感と感動は、なにものにも代え難い、SHAKALABITSのライブでしか感じられないものだ。UKIは最後に「ほんとにほんとに、大好きな待ち合わせ場所でした。ここでみんなと盛大に遊んだ思い出は忘れません。ありがとうございました」とSHIBUYA-AXに向けてお別れの挨拶をし、ライブの定番曲「G☆S☆G」でSHAKALABBITSとSHIBUYA-AXの、切なくて熱い、笑顔に満ちたヒストリーは締めくくられた。ドラムに顔を埋めていたMAHの姿も忘れられない。
この日は、3月にリリースされた最新ミニアルバム「What do I crave to see?」に収録された「Hello World」や「MCMXCIX(1999)」を披露する前に、全国ツアーを開催することも発表された。UKIが「8月から10月まで、一緒に遊べたら嬉しい」と語り、会場からは割れんばかりの歓声が起こった。また、ライブの最後には、次の東京での待ち合わせ場所が、恵比寿LIQUIDROOMであることも明かされた。デビュー以来、アルバムリリースに伴ったツアーや自主企画のイベント「釈迦兎寄合」など、幾度となくミラクルな時間を作ってきた特別な空間であるSHIBUYA-AXは、は5月末で営業を終了してしまうが、SHKALABBITSと観客で作るライブのヒストリーはこれからも続いていくのだ。
SET LIST
1. Head-Scissors | 21. mammy's back? |
2. That thing you do! | 22. Lady bug |
3. 少年と白い犬 | 23. 星空の下で |
4. GO | 24. シルク |
5. mademoiselle non non | 25. 満天の星を探そうとも空は見ない |
6. SADISTIC AURORA SHOW | 26. ROLLIE |
7. Tope con giro | 27. So Excited! |
8. IT'S OUR SECRET | 28. FLAPPER |
9. ダズリングスープ | 29. admire |
10. 80 | 30. soda |
11. スワローキリー | 31. Comeback Anytime |
12. オレンジライオン | 32. I'M A DREAMER |
13. NACHO ROLL | 33. Jammin' |
14. CAN'T ESCAPE THE CHOCOLATE SYRUP | 34. Condenser Baby |
15. マッシュルームキャットナンバープレート | 35. Raise up |
16. MutRon | 36. PIVOT |
17. Hello World | 37. ポビーとディンガン |
18. MCMXCIX(1999) | 38. MONSTER TREE |
19. 88 ROYAL SKA | 39. G☆S☆G |
20. SPICE! |
INFORMATION
8月17日(日) | 宇都宮 HARD ROCK HOUSE |
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8月18日(月) | 高崎 club FLEEZ |
8月21日(木) | 横浜 BAYSIS |
8月24日(日) | 仙台CLUB JUNK BOX |
8月30日(土) | 札幌 duce |
9月6日(土) | 福岡 BEATSTATION |
9月7日(日) | 岡山 IMAGE |
9月14日(日) | 大阪 梅田 CLUB QUATTRO |
9月15日(月・祝) | 名古屋E.L.L |
9月20日(土) | 広島ナミキジャンクション |
9月21日(日) | 京都MOJO |
10月12日(日) | 恵比寿LIQUIDROOM |
7月6日(日) | 渋谷milkyway |
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■アーティスト情報
SHAKALABBITS オフィシャルサイト
SHAKALABBITS DISK GARAGE.com アーティストページ
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