
──初ステージの思い出を聞かせてください。まずは、Kotakemoriさんから。
Keita Kotakemori(Gt/Key/Cho)僕は、自分自身の初ライブについて話そうと思うんですけど、その時Mizukiも一緒にいたんですよ。高校3年生の時に、同じ学校のヤツがクリスマスライブを企画して。当時僕はアコギを弾いたりしてたので、「バンドがまだ足りないから、メンバーを適当に集めてくれない?」と言われたんです。でも同じ高校には誘えるヤツがいなかったら、ベースとドラムをやっている地元の友達を誘って。その一人が、当時ベースをやっていたMizukiでした。もう1人は僕の幼馴染でもある、Galileo Galileiのベースの岡崎真輝で、そいつがなぜかドラムを叩くっていう。その3人で、クリスマスライブに出演したんです。会場は、札幌のCOLONYでした。僕らのホームであるVyPass.のスタッフが元々やってた、もう潰れちゃったライブハウスですね。演奏したのは、FUZZY CONTROLとか、UNISON SQUARE GARDENとか……あと何やってたっけな?
Mizuki Tsunemoto(Dr)3ピースだったから、back numberもやってたかも。
Kotakemoriそうだった、やってたね。その時にPAの人が、「高校生がFUZZY CONTROLをやるのは珍しい」って気に入ってくれて。そこから仲良くなったという経緯もあって。高校のライブなので学校の人とかめっちゃ来てくれて、「俺いける」みたいな高揚感があって。その高揚感一本で、ここまでバンドやってます。
──いいですね。続いて、Arataさんのお話を聞かせてください。
Arata Yamamoto(Gt/Cho)じゃあ僕は、自分がやっているもう1つのバンド・Arataの初ライブの話をします。会場は、COLONYで――
KotakemoriみんなCOLONYだね。
Arata札幌といえば、って感じだったからね。お客さんは5~6人くらいしかいなかったんですけど、初めてのライブだから、僕は緊張してしまって。手も震えるわ、声も震えて自動的にビブラートがかかるわ、MCをめっちゃ声詰まっちゃうわで……今思えば、めっちゃ恥ずかしいライブをしてしまったけど、その経験もあったうえで今ここまで来てるってことで「ここまで来られたんだ、自分」みたいな達成感もあります。あと、実はそのライブで、IshidaさんとYujiさんがやってたラブネバの前身バンドと対バンしてて。
Kazuki Ishida(Vo/Gt/Key)そうだったね。……あれ? お客さん0人じゃなかった?(笑)
Arataちゃんとしたお客さんは0人だったかもしれない(笑)。PAさんとか、父兄とか友達も含めて、やっと5~6人みたいな。
Yuji Sato(Ba)参観日のような(笑)。
Ishidaあの時のライブはどこを見ればいいのかマジで分からなかったな。大赤字でノルマ払いました(笑)。
Arataあの日、Ishidaさんと話した記憶あるんだよね。その時、柄シャツをピシッと着てて、パーマもかけてて。
Kotakemori柄シャツ、着てたの?
Ishidaイタいよねー(笑)。
──その時はまさか、一緒にバンドをやるようになるとは思ってなかったでしょう。
Arata思ってなかったですね。でも、「この人、何を考えてるんだろう?」と当時から気になってました。ライブが終わったあと、Ishidaさんに「よかったよ」と言われたんですよ。だから「ありがとうございます」と返したんですけど、なんかずっとこっちを見てて、目線を一切外さないから、「どれくらいやってるんですか?」みたいな当たり障りない話をして(笑)。
Yuji彼はとりあえずあった人全員に挨拶をするんですけど、その先の会話の内容を別に用意してないから、そのあとに無言で相手をめちゃくちゃ見つける時間が発生するんですよ。だんだんこっちが気まずくなってくるから、「えーっと」って話題を探し始めるんだけど、その間、本人はすごく嬉しそうに、こっちからどんな話題が出てくるのかを待ってるっていう(笑)。そんな感じなので、変わった人としてけっこう有名でした。
Mizuki俺らの中で、ロボットなんじゃないかっていう説があって。首とかも人間的な動きをしない……XとYの座標で動いてるし、寝る時もコンセントみたいなやつが刺さってそうだなと思って、俺、Yujiにガチで聞いたんですよ。「あの人、ロボットじゃないよね?」って(笑)。初期の頃のIshidaくんは、そんな感じでした。
Yuji最近、その変な感じが薄くなっちゃって、寂しいですけどね。
──そんなIshidaさんの初ステージの思い出を聞かせてください。
Ishida人前で初めて歌った時の話をします。自分は子どもの頃から、極度の上がり症で。普通に立ち上がって話すだけでも、心臓バクバクで汗が流れてきて無理、みたいな感じだったんですけど、ある時に、友達の前で歌うことになって。「歌が上手いね」と言ってくれる友達がいたんですけど、その友達は周りにすごくおすすめしてくれるタイプの人だったので、家族とかにも「Kazukiは歌が上手くて」みたいな話をしていたらしく。ある日、その友達の家に連れていかれて、歌ってくれと言われたんです。居間のド真ん中みたいなところで、おじいちゃんとおばあちゃんとお父さんとお母さんとお姉ちゃん……さらに、その友達のお姉ちゃんと、他に僕の同級生何人かみたいな状況で。「ここでどうぞ」みたいな感じで、無伴奏で。
一同あはははは!
Ishida「なんだこれは?」と思いながら、アカペラで歌ったんですよ。みんな、すごい期待の眼差しでこっちを見ていて……。
Kotakemoriまあ、そうなるよね。歌が上手いって聞いてるんだからね。
Ishidaそう。シチュエーションもだいぶ特殊で。まず「Kazukiくんも食べなさい」って、晩ご飯をごちそうになって。食べ終わったあとに「いつでも大丈夫だよ」とか言われて(笑)。
Mizukiみんなが知ってるような曲を歌ったの?
Ishida確かね、久保田利伸さんの曲を歌ったような気がする。
Arataああ、その頃から久保田利伸さんなんだ。
Ishidaそうなんだよ。歌ったあとは、喝采をいただいた記憶がありますね。
──強烈なエピソードをありがとうございました。Mizukiさんは、どうですか?
Mizuki僕は、このバンドに加入してから初めてのライブの話をします。会場はVyPass.で、まだArataが入る前だったから4人で。
Arata待って、そのライブさ、俺、対バンしてたよね?
Mizukiそう、対バンしてた!
Kotakemoriお前は、どこにでもいるな!
Yujiどこにでも出てくるライバルキャラみたいな。
Mizukiもしかしたら、Ishidaくんが友達の家でやった初ライブにも、Arata氏はいたんじゃない?
Arataさすがにそこにはいない(笑)。
Mizuki(笑)。で、その時のVyPass.のライブは、なぜかめちゃくちゃ緊張した記憶があって。僕が入る前からある既存曲たちをスタジオで練習してから臨んだんですけど、なんか俺、ちゃんと叩けなくて。盛大にミスして散った記憶があるんですけど。バンドもサポートもいろいろ経験してきたのに、これまでの比じゃないぐらい緊張したんですよね。その時ってお客さん、いた? 5人くらい?
Arataいや、20人くらいいたよ。
Kotakemori当時の俺らの中では、お客さんかなりいた方だと思う。
Ishida「すごい、めっちゃ観に来てくれてる」「今日はなんかパンパンだな」くらいの感覚(笑)。
Mizukiでもその時の俺、緊張しすぎて周りが見えてなくて。お客さんのこともちゃんと見られてなかったし、目の前にいるはずのIshidaくんもめっちゃ遠く感じて。「これはヤバい」と思った記憶がありますね。
Arata確かに、緊張してるのめっちゃ伝わってきてたよ。本当に悪いけど、あの日は「勝った!」と思った(笑)。
一同あはははは!
Mizuki袖で見てたよね? (Yamamotoが)めっちゃニヤニヤしてたから、俺はそれを見て「笑うんじゃねえ」と思ってました(笑)。
──(笑)。では最後に、Satoさん。
Yuji僕は、個人の初ライブの話をしようかな。14歳の時に、幼稚園の体育館でライブしたんですよ。当時スポーツをやってたんですけど、音楽にも興味を持ち始めて。最初はギターをやってたんですけど、途中でベースに転身して、始めてベースを持ってステージに上がったのがその日でした。
──なぜ幼稚園の体育館でライブをやることに?
Yujiその時仲が良かったドラムの子の親戚の方が、幼稚園の音楽室を管理してて。アンプやアコースティックギター、木琴、鉄琴……音楽室にある機材や楽器を使っていいよ、と言ってくれたんですよ。当時は中学生でお金がないので、そのお兄ちゃんの車に乗せてもらって、体育館とか音楽室で練習してたんです。その流れで、「幼稚園の発表会みたいなのがあるから、そこでライブしないか?」と言われて。
Mizuki幼稚園児の前で?
Yujiそう。幼稚園児とか、その子たちのお母さんお父さんの前で。その発表会は地元のお祭りも兼ねていて、記録として映像も撮ってからDVDをもらえたんですけど、よく言えばタイムカプセル、悪く言えば黒歴史みたいな感じで。けっこう開けるのも怖いレベルの、呪物みたいになってて(笑)。みんなそうだと思うけど、バンドマンなんて最初は絶対イタいじゃないですか。
Ishida見た目からもう、イタい感じだった?
Yujiそう。中学生なので、ちょうどちょっとカッコつけ始めるような時期で。バラのシャツみたいなのを着てたんですよ。
Kotakemoriあー、ヤバいね……(笑)。
Yujiあと、ウォレットチェーンみたいなのもつけてた気がする。
Arata最悪だ!(笑)
Mizuki何の曲をやったの?
Yuji大塚愛とかHYとかやってた。
Ishidaバラのシャツを着て?(笑)
Yujiヤバいでしょ(笑)。お客さんも幼稚園児とかなので、ポカーンって感じなんですけど、僕らは一丁前にギターとベースで背中を合わせて弾いてみたりしてました。
──今この5人で音を鳴らしているのも運命めいていますよね。みなさん、楽しいエピソードをありがとうございました!






