MYTH & ROID、ソールドアウトで迎えた初のZepp公演で、Myrrorと創り上げた愛と熱狂の空間!そして、更なる未来を約束

ライブレポート | 2025.07.30 18:00

MYTH & ROID One Man Live 2025 Summer Tour “Loved all long"
2025年7月27日(日) Zepp Shinjuku (TOKYO)
スペシャルゲスト:オーイシマサヨシ(from OxT)

ボーカリストのKIHOW、プロデューサーのTom-H@ck、作詞家のhotaruによるクリエイティブユニット・MYTH & ROIDが、キャリア史上最大規模となる国内ツアー「MYTH & ROID One Man Live 2025 Summer Tour “Loved all long”」のファイナル公演をZepp Shinjuku(TOKYO)にて迎えた。ゲストには盟友・オーイシマサヨシ(from OxT)が参加し、MYTH & ROIDとOxTの活動10周年を記念したスペシャルステージも展開。ツアータイトルどおりの愛にあふれた熱演となった。

幻想的なオープニングSEが静かに響くなか、ステージ上の真紅の挿し花にスポットライトが当たると、サポートメンバーに続きTom-H@ckとKIHOWが順にステージへと現れ、重厚感と繊細さを持ち合わせる「Cracked Black」でこの日の幕を切って落とした。KIHOWが「ツアーファイナルにようこそ、楽しんでいってください!」と呼びかけると、「Paradisus-Paradoxum」「theater D」「STRAIGHT BET」と『Re:ゼロから始める異世界生活』シリーズの書き下ろし楽曲を届ける。緊迫感と優雅さを纏った歌と演奏は、観客を楽曲の世界へと力強く引き込み、観客もコールやクラップなどで高揚を存分に解き放った。

KIHOWが「自分の心を支えてくれた大切な曲」と一言告げると「Tough & Alone」を披露する。同曲は彼女が2017年にMYTH & ROIDに加入して、初参加作品となった1stアルバム『eYeʼs』に収録されている。クールでありながらも熱を帯びた歌声をミラーボールが照らし、観客もそれに聴き入った。そこから間髪入れずにダンサブルな「RAISON D’ETRE」へつなぐと一気に空気を変え、KIHOWも伸びやかでパワフルなボーカルを響かせながらハンドマイクで華麗に舞う。音に合わせて巧みに色と形状を変えるボーカルは非常に多彩だ。メンバーが音に集中すればするほど、観客も無邪気に音と戯れる。音楽を通じて濃密なコミュニケーションを取る光景は非常に健やかだった。

KIHOW

Tom-H@ck

「ACHE in PULSE」ではシンガロングやジャンプで会場の熱気を上げると、KIHOWは初のZepp公演となるこの日がソールドアウトしたことへの喜びをあらわにし「皆さんがこの会場に連れてきてくれたので、誇らしい気持ちで楽しんでほしい」と呼びかける。Tom-H@ckもアーティストとしてワンマンでZeppのステージに立つのは初めてとのことで、「この景色最高です!」と笑顔を見せた。そしてKIHOWはツアータイトルに“ずっと愛されてきた”という意味を込めた旨を話し、「みんなが支えてくれたから迎えられた10周年に対して、ライブで感謝を返したいという気持ちを乗せながら次の曲を歌います」と告げてノスタルジックなムード漂う「追想輪廻」を軽やかなボーカルで色づける。その後はピアノの導入から「STYX HELIX」につなげ、淡い色味の照明とコーラスワークが楽曲を柔らかに映し出した。

「みんなのおかげでリハよりもすごく声が出ていて、楽しく歌えています」と柔らかい笑顔を浮かべるKIHOWは、ツアータイトルにはもうひとつ“ずっと愛していた”という意味を込めたことを明かした。「Myrror(ファン)のことをずっと愛していたと、みんなに直接言葉でも音でも伝えたかった」と穏やかな表情を浮かべ、「誰かへの思いがひたむきに伝わる曲」と言うと『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」Remakeアルバム』に収録されている「Stay Alive」のカバーをアカペラ始まりで披露した。愛情がまっすぐ伝わる歌声に、バンドも思いを重ねるように熱量と集中力がほとばしる演奏を響かせる。その後も「Endless Embrace」「HYDRA」と息を呑むほどに壮大かつ華やかなロックバラードで観客一人ひとりを優しく包み込んだ。

その後の長尺MCでは今後海外でのライブやタイアップ曲が数多く決まっていること、それに対してTom-H@ckが「アニソンシーンに一石を投じたい」と野心を燃やしている旨を明かし、二人はKIHOWが加入してからの8年で両者の間に音楽で通じ合っている感覚があるとフランクな空気感で語り合う。称え合いながらも過度な遠慮をしないふたりの関係性が垣間見られたトークは、それぞれが優しさと等身大を持ってこのユニットと向き合っていることがうかがえた。

Tom-H@ckが「わざと前半は静かめな曲をやりました。後半はナメないでもらいたい。俺も死ぬかもしれない(笑)。でもそれについてきてほしい。夢のZeppだから、全力を尽くすから」、KIHOWが「この曲を初めてライブで歌います」と告げると、イントロでこの日のゲストのオーイシマサヨシを呼び込んで、真っ赤なライトで染まるなかOxTの「Clattanoia」をパフォーマンスする。3人がお立ち台に乗り、音楽に没頭する景色は壮観だ。パワー漲るステージに向けて、観客も熱い歌声と歓声を響かせる。

オーイシはMYTH & ROIDとOxTは姉妹ユニットであると話し、「夢のような10年間だった」と述懐する。KIHOWもオーイシの優しさに救われた場面が多々あったことに触れて「Myrrorとツアーを重ねて変わった自分をオーイシさんに観てほしかった」と告げると、オーイシもMYTH & ROIDのライブについて「ファンの方々とのコミュニケーションがちゃんと取れている」「密度が高い」と評し、感慨に浸った。すると3人はMYTH & ROIDとOxTのツーマンライブを今冬開催することを発表。Tom-H@ckも念願のツーマンに気合いを覗かせた。

オーイシマサヨシ(from OxT)

OxTとMYTH & ROIDによる初のコラボレーション楽曲「GREATEST GLORIA」を初めてオーイシとともにパフォーマンスして再度会場の熱気を上げ、オーイシがステージを去りいつもの布陣に戻ると、ここから超絶怒涛のラストスパートへと突入する。「VORACITY」「Crazy Scary Holy Fantasy」「L.L.L.」と引き続き『オーバーロード』シリーズのアッパーな楽曲をたたみかけ、ギターソロが艶やかに舞うインストセクション、バンドメンバー紹介のソロ回し、コール&レスポンスから「TIT FOR TAT」へとなだれ込んだ。音でもって存分に観客を触発し、観客も喉を枯らすように歌う。ダンサブルな「JINGO JUNGLE」ではステージもフロアもジャンプに興じ、会場もろとも道連れにするがごとく音に溺れてゆく様子が痛快だ。ラストの「NOX LUX」は勢いを止めずに突き進む現在のモードを淀みなく体現する。最後にKIHOWが右手を天高く掲げる姿は、ステージに飾られた挿し花と重なり、その凛とした佇まいにしばし目を奪われた。

KIHOW

Tom-H@ckは「持っている力を出し尽くした。ひとつの節目、大成功です!皆さんのおかげです」と満足げな表情を浮かべる。KIHOWは「ライブで見るみんなが輝いているからわたしもみんなのように輝きたいし、わたしがステージで輝くときにみんなにも輝いてほしい。そんな鏡のような存在でありたい」という思いからMyrrorというファンネームをつけたことを話し、「みんなとこの先の景色、夢を見たいと思っています。これからもついてきてください」とさらなる未来を誓った。10年間のハイライトのようなセットリスト、ツアーで培ったショーマンとしての強度、オーイシマサヨシとの歓喜と気魄がない交ぜになったパフォーマンスなど、MYTH & ROIDが過ごしてきた時間を観客とともに愛でて駆け抜けるようなツアーファイナル。さらにユニットが進化していくことを予感させた、分岐点であり可能性を広げた一夜だった。

SET LIST

01. Cracked Black
02. Paradisus-Paradoxum
03. theater D
04. STRAIGHT BET
05. Tough & Alone
06. RAISON DʼETRE
07. ACHE in PULSE
08. 追想輪廻
09. STYX HELIX
10. Stay Alive
11. Endless Embrace
12. HYDRA
13. Clattanoia
14. GREATEST GLORIA
15. VORACITY
16. Crazy Scary Holy Fantasy
17. L.L.L.
18. TIT FOR TAT
19. JINGO JUNGLE
20. NOX LUX

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