15:30からのやついフェススペシャル歌合戦は、前が押していた関係で、12分遅れてスタート。2日目もMCはやついいちろう&堂島孝平で、演奏もカルモニカ from Calmera。審査員は、この日は田植え中のローラ(に扮したしまおまほ)、マキタスポーツ、そしてなんと岸本加世子。やついと同じジムに行っている、という縁で審査員をお願いしたという。
岸本加世子、マキタスポーツ、しまおまほ Photo by さいちょー
出場者のひとりめは、自身のバンド、KEYTALKの「MONSTER DANCE」を歌った巨匠=寺中友将(曲目をきいた堂島孝平、「ここで歌うの?間違ってるよ!」)。途中でTシャツを脱ぎ捨て、鍛え上げられた上半身をさらしながら熱唱する。
ふたりめは、やついも思わず「なんで出てくれたんでしょう?」と言った大沢樹生。しかも、やつい&堂島と延々としゃべって爆笑をとった末に歌った曲は、なんと「ガラスの十代」。オーディエンス大喜び、大沢樹生のアジテートに応えてシンガロングを返す。
次はチャンス大城とインタレスティングたけしのコンビ。衣装もばっちり決めて、CHAGE & ASKAの「SAY YES」。歌うと吃音が治るのでおなじみのインたけだが、格好はCHAGEなのにASKAのパートを歌い、やついを混乱させる。
チャンス大城、インタレスティングたけし Photo by さいちょー
最後は、やついも堂島も聴いて育ったというGO-BANG’Sの森若香織。「GO-BANG’Sのあの曲を歌っていただけますか?」とやついがリクエストしたのは、1989年に大ヒットした「あいにきてI・NEED・YOU!」。間奏でやつい&堂島をひっぱり出すという、「歌合戦」というコンセプト自体を無視したパフォーマンスをくり広げ、マキタスポーツが苦言を呈する。
そして3人の審査の末、MVPに輝いたのは大沢樹生。毎年優勝して、毎年光GENJIの曲を歌っていただきたい、と、しまおまほは、光GENJI世代として、希望を述べた。
最後にSundayカミデが登場してこのフェスのテーマ曲「FESTA!!!」をみんなで歌い、昨日も今日も素敵に大荒れだったこの時間が終了した。
その真裏では、2年ぶり二回目の出演、9月20日に10年ぶり二回目の日本武道館ワンマンを控えているフラワーカンパニーズがduoに登場。「マイ・スウィート・ソウル」「少年卓球」「脳内百景」「深夜高速」「最後にゃなんとかなるだろう」「ロックンロール」「行ってきまーす」「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」「チェスト」「恋をしましょう」、新旧のキラーチューンを並べた10曲で、フロアを沸騰させた。
16:55、O-Crestのハク。は、3曲目「直感Way」に入ったところで、あい(vo&g)が笑顔になった、と思ったら、ギターを弾くのをやめて歌いはじめ、そしてスタンドからマイクを外し、ハンドマイクで歌い続ける。ギターの弦が切れたからだったことが、あとでわかったが、レアな瞬間を観れてよかった気もした。
彼女が弦を替えに下がっている間、「初めてのやついフェスティバル、呼んでいただきありがとうございます」と、ベースのカノがつないでいたら、フロアから「アニョハセヨー!」と声が飛んで、「あ、そうなんです」。昨日初めて韓国でライブを行って、帰って来たところだという。フェスに出たそうです。
昔は弾き語りでの出演が多かったが、近年はバンド編成での出演が定例化している小山田壮平、今年はこの日17:30からO-EASTに登場。ギター岡愛子、ベース藤原寛、ドラム久富奈良に、ファンファン(トランペット、キーボードetc.)が加わった5人編成でのステージ(先日終わったばかりのツアーもそうだったらしい)。
サウンドチェックが終わっていったんはけるのを省略し、「彼女のジャズマスター」でスタートする。次は「すごい速さ」、その次は「クラブナイト」とandymori曲の連発。フロアは「♪ラララララララー」と「♪ラーラーラー」のシンガロングで応える。
小山田がギターをアコギに持ち替え、この間のツアーから演奏されている新曲「電車に乗って行こう」が始まるが、途中で歌詞が飛んでストップ。そのまましばししゃべってから、頭からやり直した。
「アルティッチョの夜」「月光荘」「マジカルサンダー」「時をかけるメロディー」と、最新アルバム『時をかけるメロディー』からの曲を聴かせ(1曲目の「彼女のジャズマスター」もそうだ)、「ファンファーレと熱狂」「革命」「ベンガルトラとウィスキー」で参加者を狂喜させ、最後は挨拶とメンバー紹介をはさんで「最後にもう1曲新曲をやって終わりたいと思います」と、「夕暮れの百道浜」を歌った。
18:25からduoのステージに上ったMONO NO AWAREは、頭の3曲を終えての一回目のMCタイミングで、外からどんどん人が入って来るので「詰めてくださいー」と呼びかけているスタッフの声を玉置周啓(vo&g)が拾う。「詰めてくださるほど優しいお客様に、こんなに入ってもらって、本日一の幸せ者、MONO NO AWAREでございます」。
そこで拍手をもらって、スッと次のブロックに行けばいいものを、「……幸福なのかな?ちょっと考えてみますね……(しばし考える)……幸福だ!」などとしゃべり続ける。挙句「最近多いんだよな、しゃべると始められなくなるんだよな」と自問自答したと思ったら、ギターを鳴らすと同時に「ばーん!しゃ!」と叫んで、「かむかもしかもにどもかも!」の演奏に突入し、その「始められなくなる」状態を脱出、大拍手を浴びた。
O-EASTのトリ前のアクトは花澤香菜(Band Set)。「We Are So in Love」「ブルーベリーナイト」、頭の2曲を歌い終えると、「うわあ、来ましたやついフェス、こんな感じなのね!」。うれしそうである。
自分が主人公のCVでもあるアニメ『忍者と殺し屋のふたりぐらし』の主題歌「やれんの?エンドレス」を、初めて人前で歌う場として、彼女はここを選んだ。そして、その「やれんの?エンドレス」、さらに「SHINOBI-NAI」「Young Oh! Oh!」と、次々と歌っていく。バンドの演奏もすさまじい。
次のMCでは「エレ片に出たことがある」という話をする花澤香菜。「でもそれは私がラジオを好きになる前で……」。あ、じゃあだいぶ前なんですね(彼女のラジオ好きは有名)。「なので、今なら……やついさん……これは私信です」と、遠回しにもう一度番組に呼んでほしい気持ちを伝える、花澤香菜だった。
19:40からduoのトリを務めたのは、浜野謙太率いる在日ファンク。「むくみ」、参加者に振付を教えてから「おすし」、「やついフェス二回目!うれしいね、誰も来てくれなかったらどうしようかと思って、トリで」とハマケンが超満員のフロアに喜んでから「環八ファンク」。
最近ある種のスランプ、新曲の曲名が「おすし」、香取慎吾くんに頼まれて書いたのは「カツカレー」、今日これからやる新曲は「チャーハン」。でも(このステージの)一個前の、MONO NO AWAREがぶっとびすぎてて、インスピレーションが湧いて来たような気がします──という話をハマケンがしてから、その新曲「チャーハン」。
「京都」を歌って「京都アンドレスポンス」で盛り上げ、その「京都アンドレスポンス」が「やついフェスコール」になる。そして後半、「におい将軍」「ダンボール肉まん」「爆弾こわい」「きず」を連発し、めちゃくちゃ盛り上げて終了。アンコールを求める手拍子が止まず、すぐに戻って来て、「みんなが歌える曲を」と「クーポン」を追加した。
サニーデイ・サービスwith井ノ原快彦Photo by 木下マリ
20:25からの(押したが)O-EASTは、サニーデイ・サービスwith井ノ原快彦というスペシャルセッション。
1997年頃に、V6がライブでサニーデイの曲をカバーしていた、というファンからのタレコミがサニーデイの耳に入り、自分たちの番組にゲストで来てもらって以来の関係、とのことである。
1曲目は、はっぴいえんどの「はいからはくち」、2曲目は「やりたいことを盛り込みすぎて時間が足りないので」サニーデイの「あじさい」を1コーラスだけ。3曲目は昔V6のライブでカバーした「そして風は吹く」、曽我部がV6に書いて井ノ原快彦&岡田准一が歌った「恋のメロディ」。
「正直、他のフェスとかも狙ってます」と曽我部。「お客さんも、他のフェスにリクエストを」と呼びかける田中貴。井ノ原は「次は6人の時の曲を」と、V6の「愛のMelody」を歌う。
次は、「踊ってもらっていいですか?この曲、MVでダンサーの人が踊るんで」(曽我部)と、井ノ原にギターを置かせてから「魔法」を演奏する、井ノ原は踊りまくる──という、フロアから歓声が飛びまくる事態になる。
サニーデイ・サービスwith井ノ原快彦 Photo by 木下マリ
そして、2023年に曽我部がトニセンに書いた「夢の島セレナーデ」を経て、ラストは「これはみんな歌いやすいと思う」と、「WAになっておどろう」で、O-EASTいっぱいのシンガロングが広がる。
後半、4人とオーディエンス全員でアカペラ、という感動的な光景になった、その次の瞬間に曽我部が、それにのっかって「青春狂走曲」を歌い始め、そのままその曲になだれ込んだ挙句、井ノ原のリードで「WAになっておどろう」に戻る──という、夢のような終わり方だった。
と思ったら、やついいちろう、「これ、アンコールでしょう!」とけしかける。「俺がいちばん好きな曲、やってもらっていいですか? 私、イノッチのいちばん好きなのって、『アド街』をやってる時なので」と、『アド街ック天国』の『百景』のコーナーでかかっている、作詞作曲歌唱:井ノ原快彦の「あの街この街」を歌うように要求。急遽、サニーデイの演奏と共に、追加された。
サニーデイ・サービスwith井ノ原快彦 Photo by 木下マリ
というわけで、それでなくても押していたのがさらに押しつつ、DJやついいちろうの時間に。
「みなさんのおかげで最高動員を更新しました、そして来年は15周年です!」とやついが告げ、今立進&片桐仁&西寺郷太が登場して危険日チャレンジガールズ!の「FUNKY FUN!!!」を歌唱。やつい、「どうもありがとうございました!死ぬまで続けるぞー!!」と絶叫する。
残っていた出演者が総登場し、サニーデイ+井ノ原の演奏で(田中貴は9・20フラカン武道館Tシャツ姿)、このフェスの「みんなのうた」である「月が今夜笑ってるから、ぼくらそっと東京の空を見上げる」をみんなで歌い継ぐ。
曲の最後は、やついの指揮で、ステージの上も下もジャンプして締めた。やつい、「14年で一番の光景でした、ありがとう!」。来年の開催日は6月20・21日であること、15周年なのでいろいろ考えていることを伝えてから、やついはDJブースを下りた。
なお、終演後、ニコ生のやついフェスLOFT9チャンネルで、『やついフェス打ち上げ/サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!』の生配信が行われた。
やついいちろう&今立進、在日ファンク浜野謙太、KEYTALK寺中友将、マキタスポーツ(幹事)、でか美ちゃん(幹事補佐)の6人が出席。乾杯しつつ、黒ラベルを飲みつつ、今年のやついフェスの振り返りや次回のビジョンなどについて語り合った。



















