DI:GA ONLINEでは全公演の中島卓偉本人によるセルフレポを掲載いたします！
Version 1 BIG SUNSHINE&GREATEST SONGS
2023年3月18日(土)仙台 MACANA
仙台へは機材車で前乗り。夕方仙台に付き、古着屋を少しだけ見て、駅前の立ち食い蕎麦神田でかけ蕎麦を。この店は仙台MACANAの斜向かいにもありますね。デビューした頃、初めて仙台に来た時からこの蕎麦屋が好きでいつも寄ってしまいます。福岡ライヴからの1週間、毎日7時間睡眠だったこともあっていくらか声帯結節の具合も良くなってはいる。ホテルの部屋で加湿器をガンガンに焚き、絨毯を濡らし風呂上がりに使ったタオルを椅子にかけて、26時には就寝。そこまでやっても朝には床もタオルもカラカラ。ビジネスホテルの乾燥はヴォーカリストには本当にきついです。
3月18日土曜日、仙台は雪。いずれ雨になるとの予報。アウターにBarbourのオイルドジャケットを着て来て正解。仙台MACANAでのワンマンは随分と久しぶり。朝スタッフと共に機材を搬入。開演時間が15時半と早いので楽屋は慌ただしい。僕はまずメンバー全員の衣装をチェックして、アイロンがけ。午前中からヘアメイクの川端さんに、NAOKIさん、SHINGOさん、youさんの順でメイクを始めてもらいます。僕は基本自分でメイクをして髪を仕上げてもらっています。靴を磨いてからリハーサル。福岡公演から1週間も空くと確認したいことが増えて、リハーサルも時間がかかる。ここで歌い過ぎないようにしたいのですが、歌わないと歌詞を覚えられないこのジレンマ。ツアー2カ所目にしてもう4公演目。福岡でMCをし過ぎたので仙台は割とタイトに進めることを決めていました。前々日からチケットが伸びてフロアも形になった。後ろはほぼ野郎ファン。野郎はチケットを買うのが遅くて困ります。笑。いや大問題だよ。
個人的には凄く良い流れでライヴを進めれたと思いました。声出しの遠慮もまだまだありましたが、少しずつMCで和らげて、結果中島卓偉のライヴの醍醐味である大合唱に。嬉しかったですね。一貫してロックンロールな運び、ロックンロールコンサートになった気がします。これもなかなか上手く言えないことですが、エモーショナルなコンサートになる時もあるし、終始ハッピーで笑顔のコンサートになる場合もある。仙台公演はロックンロールしていました。
「そう思ったのなら」この曲の前に、グッズのナカジマラカスというシェイカーを全員参加で振ってもらう企画があるのですが、サビになったらいつも通りみんなで手を上げて、手を上げながら振ってくれたら良いからとお伝えしたのですが、仙台のオーディエンスは本当に真面目で、サビになってもナカジマラカスを上手に16ビートで振ることに集中し過ぎた結果、誰も手を上げず 笑。歌いながら「今サビなんですけど！」ってマイクを通して伝えたのが自分的にツボでしたね 笑。とても微笑ましい瞬間でした。
僕はアンコールを基本的にやりませんが、この日は本当の、本物のアンコールがかかりました。メンバーとスタッフで話し合った結果、ロックンロールな雰囲気で来てるからこそあえてメロウなエモーショナルな曲を添えてみたらどうだろう？ということで「STAY TOGETHER」を歌うことにしました。3月11日の震災の日から近いこの日程でこの曲しかないと、この歌詞しかないとそう思いました。急遽やるアンコール、そして急遽「STAY TOGETHER」だったこともあり、ローディーの伊藤さんがシーケンスを呼び込むのにどうしても時間がかかると言われたので、僕がどうしてアンコールをやらないか、やらなくなったか、その話を会いに来てくれたファンの方々の前で事細かにMCで説明しました。きっとわかってもらえたと信じています。ミディアムスローのナンバーですが、大合唱になったことを心から感謝しています。ただ本編までで完全燃焼するように歌い切っていた自分にとってこのアンコールの1曲がかなり喉を消耗してしまったのも事実。明日は埼玉で1日2公演。結局明日のことを考えれない人間なのです。マスクは個人の判断でというアナウンスの元、最初は半分以上がマスクをされていましたが、「STAY TOGETHER」ではほとんどの方がマスクを外していたこと、嬉しかった。今が一番不自然な世の中だと僕は思う。そうだ、そうあるべきだとアンコールに応えながら思いました。
終演後に仙台MACANAの店長の佐藤さんとお話ししました。佐藤さんとはデビュー前からのお付き合い。本当に良くしていただいてきました。今回言われたのが「卓偉くんは昔から野郎ファンが多いよねえ、君のルックスからは想像出来ないくらい男がいっぱい来るね。で、いつも本番の何日か前からチケットが伸びるよねえ。野郎はチケット買うの遅いんだよな」でした。嬉しいやら切ないやら。。。
終演後は新幹線移動にさせてもらって、帰宅はせず、大宮で降りて一人でビジネスホテルに宿泊。というのも都内の自宅に帰ると寝る時間がなくなる。翌日の会場入りも早い。移動にも時間がかかる。1分でも喉の回復の為に睡眠をとりたい。そんな想いでした。ただ幼い子供を育てる親として、帰宅せず、隣の埼玉県に泊まり子供の顔を見れない。これはとてもきついことでもありました。喉を取るのか、子供を取るのか、そういうことを考えるとまた寝れなくなります。プロフェッショナルとはなんぞや、デビューして24年間ずっと答えが出ません。
実は仙台の前日にこのホテルの駐車場に愛車のミニ・ケンジントンを停めていました。埼玉の朝はここからだと10分圏内。こういうことも喉の為に考えた上での行動。それでもアドレナリンが上がった脳はなかなか寝付けず。23時頃に雨が止んだのでミニのボディーを拭きに行ったり（雨の後は拭かないと錆びる為）大宮駅周辺を3キロウォーキングしたり、ベッドでひたすら読書したり、とにかく体と脳を疲れさせることに努めた結果、睡眠薬の力も借りて26時頃に就寝、見事7時間睡眠。朝、喉の調子をみて、なんとかなるだろと思えたのでした。
仙台に会いに来てくれた方々、そして仙台MACANAのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。中島家の末裔は伊達家の家来、中島の本家のお墓は仙台にあります。僕は福岡県出身ですが、この仙台にも縁があります。いや、この仙台という街から自分の血が始まっていること、これに感謝せず何に感謝する。今後も仙台で必ずライヴが出来るように頑張ります。またお会いしましょう！次回は翌日の埼玉大宮公演について書きます。
中島卓偉
